「ギブ」の精神【人を残すvol.86】

経営者向けメールマガジン「人を残す」fromJAIC

お世話になっております。
株式会社ジェイックの高橋滉智と申します。

皆様は
「ギバー」「テイカー」「マッチャ―」
という言葉をご存じでしょうか。

この言葉は、アメリカにある
「世界No.1ビジネス・スクール」と呼ばれている
ペンシルベニア大学ウォートン校で

史上最年少で終身教授に就任した
アダム・グラント教授が提唱した
人間の思考と行動傾向を
3タイプに分類した言葉です。

それぞれ、どのようなタイプ分けがされているのか
詳しく見ていくと、、、

「ギバー」は、他者を中心に捉え
相手が何を求めているかに注意を払うタイプです。

与えることに対し、見返りを期待することもなく
手を差し伸べることができ、
仕事においては、自分の時間やエネルギー、
知識、アイディア、人脈などを
惜しみなく人と分かち合おうとします。

次に、「テイカー」ですが、テイカーは常に
与えるより多くを受け取ろうと行動します。

GIVE&TAKEの関係において
自分が有益になるように持っていき
相手が望んでいることよりも
自分の利益を優先していきます。

ここまで話すと、テイカーは
傲慢で横柄な態度の人をイメージするかと思いますが
テイカーでも愛想のいい人は存在するようです。

ただ、愛想がよくても
自分の利益や取り分を優先する姿勢は変わりません。
相手から取り分をもらうために
愛想よく振る舞うのだそうです。

しかし、大抵のテイカーは冷酷や非情ではなく
テイカーにとって、世の中は
食うか食われるかの競争社会。

人より成功するためには
人よりも上にいなければいけない
と考える、用心深さがあるだけなのです。

最後に「マッチャー」についてです。
マッチャーは、上述したギバーとテイカーの
ちょうど中間のタイプです。

与えることと受け取ることの
バランスを取ろうとしていきます。

マッチャーは常に
公平という観念に基づいて行動しているため
与えられなければ与えませんが
何かをしてもらったら
「お礼をしなければ」という気持ちに駆られます。

人を助ける時には、助ける見返りを求めることで
自らの行動から損益が出ないようにと
自己防衛していきます。

マッチャーは相手の出方に合わせて
助けたり、しっぺ返しをするなど
立ち位置を変えていくのです。

GIVE&TAKEの関係において
相手と常に五分五分になるように行動します。

上記の3者ですが、
一般的に割合は以下の通りだそうです。

ギバー:25%
マッチャー:56%
テイカー:19%

感覚値として、いかがでしょう。

そして、この調査が面白いのはここからで
この中で成功する可能性が高いのはどのタイプか
調査が進められたそうです。

その結果、
ギバー、マッチャ―、テイカー
という順番になったそうなのですが

反対に、一番失敗しやすいタイプとしても
ギバーが挙がったそうです。

つまり、
ギバー、マッチャ―、テイカー、ギバー
という順番になるのだといいます。

では、成功するギバーと
失敗してしまうギバーの違いはなにか。

ざっくりまとめると
・テイカーとの付き合い方が上手いかどうか
・他者からのギブを受け取れるかどうか
といったところにあるようです。

詳しくは文字数上、ここでは割愛しますが
そのような観点で見ていくと
本当の意味で活きてくる「ギブの精神」というのは

自己犠牲からなるものではなく
あくまで素直な気持ちからなるものであり
素直な気持ちで「ギブ」をするからこそ
他者からの「ギブ」も素直に受け止められる。

そのような違いがあるのではないかと
この調査結果を見て思いました。

皆様の会社では、どのタイプの社員が
多くいらっしゃるでしょうか。

今週は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします

著者情報

高橋 滉智

(退職済)株式会社ジェイック マーケティング開発部 教育事業管轄 リーダー

高橋 滉智

元日本マイクロソフト執行役員の越川慎司氏やソフトバンク元社長室室長 嶋聡氏の講演を主催。教材事業・セミナー事業の責任者を経て、現在は、教育・研修事業のマーケティング責任者として企画やプロモーションまでを担当。

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