主体性のない新人が育ってしまうのはなぜか?
新人や若手教育の講師として登壇する機会が多いと、世間が言うほど「はじめから主体性のない」若手が多いわけではないと感じます。いまの日本では、フリーターでも生活できる現状がありますので、「本気で働きたくない」と思う人はそもそも社員として就職していません。
入社したときは、個人差はありますが、社会人としてのワクワク感やヤル気を持っている人が大半です。一方で、入社をして数か月~1年が過ぎると、“受け身”や“指示待ち”の社員が増えてしまうのも事実です。なぜでしょうか。いろいろな理由はありますが、じつは一番の原因は、「周囲の人の影響を受ける」ことです。
主体性の欠如は、新入社員や若手だけではなく、組織によっては中堅社員や管理職層にもみられる傾向です。主体性がない先輩や上司がいる中に、“何でも吸収しよう”と思っている免疫のない新入社員が放り込まれたら、新人の主体性がなくなってしまうのは、自然な話です。
主体性が発揮されていない組織では、本人たちも悪気はなく、『そんなに頑張っても…』とか『焦らなくていいよ…』という主体性を奪う台詞を新人に投げかける上司や先輩が数多くいます。はじめは『社会人として、頑張ろう!』と思っていた新入社員も、このような台詞を投げかけられる中で、徐々に“主体性のなさ”を吸収してしまうのです。
言葉を投げかけている上司や先輩からすると、『そんなに張り切って勝手に何かをしでかしたら困る」とか、『頑張ってもそんなに給料なんて変わらない』、また、『無理して頑張りすぎるとどこかで気持ちが折れちゃうよ』といった彼らなりの正義感や善意である場合もあります。
気持ちは分からなくもありませんが、新人の主体性を損ねる言動が繰り返されていたら、新人の主体性はどんどん削がれていきます。そして、主体性を発揮することが少ないまま、入社からの時間が過ぎて、“指示待ち”“受け身”の若手社員ができあがるわけです。
もちろん、障害を乗り越えて主体性を発揮する若手社員もいます。しかし、主体性の欠けた組織では、主体性を発揮しようと頑張る若手社員に、「浮いてる」とレッテルを貼って孤立させるということもあったりします。やがて、状況に耐えられなくなり、「主体性を発揮しようとする社員から順番に去っていく」と、残るのは主体性のない社員ばかりという状況になります。
少し極端に紹介しましたが、新人や若手の主体性は、「組織風土」、「上司や先輩の言動」に大きく左右されるのです。「新人や若手の主体性が気になる」という場合には、「上司や先輩は主体的か」「上司や先輩はどんな言動をしているか」を併せて考えてみることをおすすめします。






