マネジメントの概念は理解できても、現場は生モノです。机上の空論で終わらせず、No.2が具体的な行動に移せるように、研修や管理職との1on1では、以下の「3つのスキル」の実践を呼びかけてみましょう。
①メンバーに合わせて関わり方を変える
マネジメントやリーダーシップに「唯一の正解」はありません。部下の成長度に合わせて、マネジメントスタイルを変える「シチュエーショナル・リーダーシップ」を身に付けてもらいましょう。

【メンバーの4つのタイプと対処法】
1.「やる気あり・スキルなし」の新人(ルーキー)
- 必要な関わり:具体的な指示・命令(ティーチング)
- 手取り足取り教え、小さな成功体験を積ませます。放置は厳禁。

2.「やる気低下・スキルそこそこ」の若手・中堅(壁にぶつかった状態)
- 必要な関わり:説得・コーチング
- 仕事に慣れた若手社員が主な対象層です。なぜうまくいかないのか、悩みを聞き、メンタル面をサポート。30代・40代マネージャーの共感力が活きるフェーズ。

3.「やる気不安定・スキルあり」のベテラン・職人
- 必要な関わり:参加・相談
- マネージャーが最も苦戦するメンバーでしょう。「指示」すると反発メンバーなどが当てはまります。「〇〇さんの知恵を貸してほしい」と敬意を持って相談し、意思決定に参加してもらうことで、彼らは強力な味方に。

4.「やる気あり・スキルあり」のエース
- 必要な関わり:委任(任せる)
- 主にスキルフルでやる気の高い社員に当てはまります。邪魔をしないことが最大のマネジメントです。ゴールだけ共有し、あとは自由にやらせる。

相手の「強み」や「成長度」に合わせて、『時には厳しく指導するティーチャー、時には悩みを聞くカウンセラー、時には背中を押すリーダーへと役割を変える』といった、柔軟性こそが、部下のエンゲージメントを築く第一歩となります。

②「我慢」も仕事!任せることが育成
管理職の中でも特にプレイングマネージャーにありがちなのが、「自分でやったほうが早い」と部下の仕事を巻き取ってしまうことです。特に、プレイヤーとして優秀であれば、部下の不手際やスピード感のなさにイライラすることもあるでしょう。
一方で、仕事を巻き取ってしまった瞬間、部下の成長は止まります。加えて、No.2は永遠にプレイング業務から抜け出せず、「忙しい、忙しい」と言い続けることになります。
部下の仕事を奪うことは、部下の成長機会と、管理職自身のマネジメント時間を奪うことと同義です。一方的な指示ではなく「この件、どう進めればうまくいくと思う?」と問いかけ、待つ姿勢(我慢)こそが育成であると認識してもらいましょう。
③「コーチング」と「ファシリテーション」の装備
現代のNo.2には、2種類のスキルを身に付けてもらいましょう。
1.コーチング
「なぜ(Why)できなかった?」と過去を詰めるのではなく、「何があれば(What)できる?」と未来を問うアプローチへ転換させます。
2.ファシリテーション
一方通行の共有や、権限の強い人だけが発信するMTGは避けましょう。全員の知恵を引き出し、合意形成へ導くスキルが、チームの生産性を劇的に高めます。
1on1といった個別の対話では、「なぜ(Why)できなかった?」と過去を詰めるのではなく、「何があれば(What)できそう?」と問いかけ、部下の中にある答えを引き出します。
また、会議の生産性は、No.2の「引き出し、まとめる力」に左右されます。会議の場では特定の人の独壇場にせず、No.2が全員の意見をテーブルに出させる役割に徹しましょう。
