私たちが本当に知りたいのは、その学生の行動原理や価値観の根幹という本質の部分です。そうした本質をとらえる手がかりの一つが、若年層の間で一般化している「推し活」です。
「推し活」は、単なる趣味や娯楽ではありません。限られた時間や資金を自ら配分し、情報を収集・発信し、時にはコミュニティの中で役割を担いながら継続していく、きわめて主体的な行動です。
そこには、
- 情報収集力
- 発信力
- コミュニティ形成力
- 継続力
- 自己投資力
といった、ビジネスにおいても再現性のある行動特性が表れます。
私たちは「何を推しているか」ではなく、「どのように推し続けてきたか」に着目しています。“好き”への向き合い方こそが、その人の行動原理を映し出すと考えているからです。

1.評価観点の言語化
話題性だけの施策にしないため、評価軸を明確に定義しました。
- 共感力(話の中に自然と共感や「応援したくなる気持ち」が生まれたか)
- 熱量(“推し”への思いや夢中になっている気持ちが、言葉や態度から伝わったか)
- 表現力(自分の言葉でわかりやすく、具体的に“好き”を語れていたか)
これらを通常選考の評価項目と接続させています。
2.通常選考との接続設計
「推し活採用」は“特別枠”ではなく、通常選考と並行して実施しています。学生自身が「推し活採用」か「通常選考」かを選択できる設計にしました。
選択式にした理由は、推し活を無理に語らせるものではなく、自分らしさを最も表現しやすい方法を選んでほしいといった思いからです。なお、最終的な評価基準は通常選考と統一しており、あくまで“入り口”が異なるだけの設計としています。
3.面接フローの構造化
単なる「推しの雑談」で終わらせないため、面接時間の使い方を明確に区切りました。具体的には、前半5分を「推し語りタイム」、中盤10分を「推し活の深掘り」としたうえで、後半15分で「就業への接続(就活ヒアリング)」へと切り替える構成にしています。
「推しへの向き合い方」を「仕事への向き合い方」にリンクさせることで、スムーズにビジネス適性の見極めができるように工夫しました。
4.学生に届けるための情報発信
どんなに良い企画でも学生に伝わらなければ意味がありません。そのため、特設サイトを開設したほか、社員が実際に『推し活面接』に臨んでいるデモ動画を制作しYouTubeにアップするなど、広報チームとも連携して「どんな面接なのか」が可視化しわかりやすく伝わるよう工夫しました。
