上述の通り、OKRはMBOをベースにして開発された手法です。MBOとどのように違うのか、また、目標管理のマネジメントとして広く普及されているKPIマネジメントとどのように違うのかを解説します。
OKRとMBOの違い
MBOは「Management by Objectives(and selfmanagement)」の頭文字で”マネジメントの父”とも呼ばれる経営学者ドラッカーが提唱した「目標によるマネジメント」手法です。
組織全体の目標を、部署・チームや個人の目標に分解していき、個々の貢献目標を明確にして、それぞれがセルフマネジメントしながら取り組むことで、全体の目標達成につなげるという考え方です。
MBOとOKRは「組織の目標達成を後押しするための、目標設定とマネジメント手法」という意味では、同じ目的をもって運用されるものです。
ただし、MBOは一般的に「目標の達成率」を人事評価制度に連携させることが多いため、目標設定が「十分達成できる」レベルで設定されがちであり、飛躍的な成長を実現するような目標設定がされづらい傾向があります。
また、目標を個人個人に落とし込むことによって組織内の連携が阻害される、縦割り意識になりがちといった弊害があるといわれています。
こうしたMBOの弊害を解消するための目標管理制度がOKRです。OKRとMBOの運用上の最も大きな違いは、OKRは一般的に人事評価制度とは連携しないということです。
OKRはあえて評価制度とは連携させないことで、普通にやったら60%~70%の達成率になるという高いレベル、ただ、達成できたらワクワクするような目標を掲げて、メンバーのモチベーションを高めることに主眼を置いています。
OKRとKPIマネジメントの違い
KPIマネジメントのKPIはKey Performance Indicatorの頭文字を省略したものです。
組織の最終的なゴールであるKGI (Key Goal Indicator)を達成するために、途中指標であるKPI、また、行動指標であるKAI(Key Action Indicator)を先行管理することで、目標達成率を高めていくマネジメント手法が「KPIマネジメント」です。
例)営業部門におけるKPIマネジメント
KGI … 粗利、売上額
KPI … 受注額、見積金額、商談件数
KAI … 新規顧客への架電件数、既存顧客への新商品提案率
OKRにおけるObjectivesとKey Resultsの関係は、KPIマネジメントにおけるKGIとKPIの関係性に近いものがあります。また、実際にKey Resultsを達成するためのマネジメントで、KPIマネジメントを活用することも少なくありません。
ただし、KPIマネジメントにおいては、KGI・KPIは定量的に設定し、四則演算で分解して設定することが原則ですが、OKRのObjectivesは定性的な目標を掲げることもOKです。また、ObjectivesとKey Resultsも、KGIとKPIほど厳密に四則演算で分解されるものでなくてもよいとされています。