Z世代の「不安型離職」「不満型離職」は起こるべくして起こっている
第一部は「Z世代がたった数年で会社を見切る理由 」と題し、独自のマネジメント・人材育成理論を提唱するMomentorの坂井風太氏から、Z世代が前提としている社会環境や、若手社員の離職が起きる原因をお話いただきました。
近年は経済環境や社会構造の変化に伴い、個人の価値観は大きく変化しています。その流れを受けて企業は「終(つい)の棲家」から「止まり木」となり、キャリア構築の根本が変化している状態です。しかしその一方で、人材育成・マネジメントはアップデートされていない、と坂井氏は言います。
坂井氏「これまでの人材育成は『背中を見て育て』『自分の時代はこうだった』など、上司・先輩の過去の成功・失敗経験、つまり『生存者バイアス』を元にした人材育成が行われていました。
そこには、持論はあっても理論はありません。それが『不安型離職』『不満型離職』という、2パターンの離職を生み出しています」
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若手の不安型離職と不満型離職は、それぞれ要因が異なります。
まず不安型離職は、「現在の職場で働き続けたら、自分のキャリア展望は安全だ」と感じられる「キャリア安全性」の欠如が要因です。
若手が上司や先輩の姿を見て「いずれ自分もこうなってしまうのか…」「これでは他の会社では通用しないだろう」と思ってしまうと、それは会社に居続けることへの恐怖やリスクとなります。
次に不満型離職は、上司や先輩の生存者バイアスから来る「自分が正しい」という勘違いが要因です。彼らが自分たちの経験を重要視して若手社員の話を聞かないと、心理的な距離感が生まれてしまいます。
キャリア安全性の欠如は、この会社に「いても無駄」、生存者バイアスから来る労働環境や人間関係の不和は、この会社(上司)に「言っても無駄」という思いを引き起こし、結果として若手社員の離職につながっています。
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人材育成の領域は、会社に限定しなければ殆どの人が育成される側/する側を経験してきており自分なりの考えを語ることができるため、マネジメント基盤が整いにくい、と坂井氏。原因を分解すると、以下の3つに行き着きます。
坂井氏「人材育成のマネジメント基盤が整わないのは、①俯瞰する理論・機会の不在、②生存者バイアスの横行、③センスという暗黙知の横行、が主な原因です。
人材育成に関して俯瞰する機会がなければ体系的な理論は作れません。また、持論=生存者バイアスを疑うことは、自分のやり方をアンラーニングする必要性に繋がってしまいますので、人はやりたがりません。
そして、人材育成のセンスがある人がいても、そのやり方が暗黙知になっていると組織に伝播しません」
こうした原因が掛け合わさって、人材育成の難しさにつながり、若手離職として顕在化している現状を把握した上で、具体的な施策を講じる必要があります。






