日本有数の「クリエイティビティ・プラットフォーム」の人材戦略
今まさに広告業界が直面している課題
竹長はじめに、貴グループが「クリエイティビティ・プラットフォーム」を目指されている背景と、広告業界ならではの人材に関する課題についてお聞かせいただけますか。
坪井私たちは今、大きな変革期の最中にあります。もともと広告業界はマーケティングコミュニケーションの領域を生業としてきましたが、昨今は経営戦略の領域まで拡大しています。そのような中、デジタル専業の広告会社やコンサルティングファームなど、競合環境が著しく激化しています。専門性もより高度化し、今までのやり方だけでは通用しない時代になりました。
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坪井こうした局面において、私たちは「広告」という枠組みを超え、受注型のビジネスモデルから、自ら新しい価値を創出するモデルへとシフトしているところです。
私たちはグループの内外を問わず、人、企業、アイデア、テクノロジーを広くつなぐ「クリエイティビティ・プラットフォーム」になるというビジョンを掲げており、主役となるのはやはり「人」です。しかし組織が多角化するにつれて、組織内でも「誰がどこで、どんな意志やスキルを持っているのか」が見えにくくなってきたという課題がありました。ビジネスモデルが変われば、必要とされる人材も変わり、この課題を早期に解決する必要がありました。
竹長人材の“姿”を見えやすくすることが必要だったのですね。課題にどのようにアプローチされているのでしょうか。お二人の業務内容も含めて教えていただけますか。
坪井私は2024年に人材開発室に異動し、2025年に室長に就任しました。それまで25年以上マーケティングの専門組織に身を置いており、人事領域への異動は初めての経験でした。当初は「人材開発室=研修を企画・運営する組織」というイメージを持っていたのですが、着任してみると、前任者がすでにHRデータ領域や組織支援に関する取り組みに着手していました。
現在グループ人材開発室は、社員研修に関する部門と、組織開発・組織支援の部門のふたつに大きく分かれています。個人の育成と組織の支援という「両輪」を回すことで、先述の課題にアプローチしています。
二階私が在籍する成長戦略開発グループは、人材育成と組織支援の両輪をつなぐ役割を果たしています。ピープルアナリティクスを核とした、R&D(研究開発)のような組織です。現在は、個人の能力開発にも役立ち、組織支援のベースにもなるプラットフォームとして、HRデータを蓄積・活用するためのデータベース整備やシステム開発をリードしています。
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2024年から本格的に始まった“データドリブン”なHR
竹長ピープルアナリティクスやHRデータ領域への注力は、どのようなきっかけで始まったのでしょうか。
坪井2020年に着任した前任者が、この分野に注力しようと考えたのがきっかけです。世の中ではタレントマネジメントシステムなどの活用が注目されていました。しかし当時はシステムこそあったものの、十分なデータがあるとはいえず、人材の育成方針や配置決めは現場の勘や経験で決まっていました。
デジタルマーケティングも武器にしている会社なのに、なぜ内側の「人」に対してデータが使われていないのか。そうした課題意識のもとで2022年頃から本格的な議論が始まり、まずは社員が保有スキルを回答する「スキルサーベイ」から着手し、結果を蓄積する独自のダッシュボード構築へと進んでいきました。
二階人材開発室は新人教育やオンボーディング、職種別研修など研修中心の組織でしたが、データ活用や組織支援といった新しい業務が生まれたため、2024年に私が所属する成長戦略開発グループが発足。2026年には組織支援を専門とするチームが新設されるなど、ここ数年で私たちの組織体制自体も大きく変化しました。






