
1人のプレイヤーから脱皮して、管理職の補佐としての役割が求められる中堅社員に、どのようなサポートを行い、次期リーダーとして育成していけば良いのでしょうか。重要となるのは以下の3点です。
1. 組織的な研修やサポート
中堅社員の置かれる状況を理解して、組織的にサポートすることが必要です。例えば、中堅社員の領域に入ったばかりのときは、「管理職候補としての目線を持つ必要がある一方で、まだ本人にそうした自覚が乏しい」場合も少なくありません。その場合に、プレイヤーとして個人で成果を出す働き方に偏り、周囲の期待との間でミスマッチが起きてしまうことがあります。
チームのNo.2としての役割、管理職の右腕となることを意識付けさせたり、必要なスキルを獲得させたりするためのサポートが必要です。
ときには外部研修等の利用も1つの手段です。プレイヤーとしての役割から管理職への意識を持たせていくことは、社内だけでは難しい場合もあります。また、後述するように役割と評価や待遇の間でギャップが生じがちなので、“選抜して研修に派遣することで期待を伝える”といったやり方も効果があります。
2. リーダー実感を得られる機会を増やす
プレイヤーと異なる働き方を新たに学んでいくためには、実際にリーダーシップを発揮できる機会を提供することが重要です。このためには、管理職が「中堅社員を育成する」という意識を持つことが必要です。
リーダーシップを発揮するには、広い視野を持ち、多くの人を巻き込んでいくことが求められます。新しい働き方は、慣れるまでは本人にとって負荷となり、やりがいを見出すのに苦労してしまう場合もあります。
しかし、人をマネジメントしてより大きな成果を挙げることは、プレイヤーとはまた異なった仕事のやりがいがあります。こうした新たな仕事のやりがいに気付くことで、仕事への意欲が向上することもあります。中堅社員のうちにリーダーシップの成功体験を積み、リーダーとしての仕事のやりがいを感じられた人材は、その後も大きく成長していくでしょう。
従って、中堅社員に対して裁量や権限を持ってもらうことは非常に意味のあることです。一定の裁量や権限を持たせることで、信用されて仕事を任されているという実感も得やすくなります。多少の裁量や権限を渡しながら、本人の自発的なチャレンジを応援したり、リーダーとしての実感を高めていったりすることで、結果的に本人のリーダーシップが育っていきます。
3. ロールモデルの提供
プレイヤーとは異なる働き方を身につけようとしている中堅社員にとって、ロールモデルを得られることが成長の指針になります。自社の管理職や上層部かもしれませんし、一歩先をいく同僚かもしれませんし、研修で知り合う社外の存在かもしれません。こうしたロールモデルを得られる機会を意図的に提供していきましょう。
上層部や管理職の会議へのオブザーブ、社外研修の参加、中堅社員同士を集めてのワークショップなどがロールモデルの提供に繋がるでしょう。
【注意点】中堅社員のケアを怠らない
中堅社員の育成では、注意しておくべき点もあります。中堅社員は「管理職の右腕」であることを期待される一方で、実際の待遇等はメンバー層とさほど変わらないでしょう。その場合、中堅社員に「負担感」だけが溜まる危険性があります。
組織的な研修やサポートと同時に、管理職に対して「チームマネジメントにはNo.2/右腕との信頼関係構築が重要である」「中堅社員を自分の後継として育てられた管理職が次のステージに上がれる」といったメッセージを伝えていくことが大切です。
一番身近な存在である管理職が、中堅社員の能力や専門性に対するリスペクトを持つこと、キャリアアップに対する不安や不満を解消すること、一種のOJTとしてリーダーシップの発揮に対するケアを行っていくことが重要です。
将来的に組織のリーダーへと成長した後にも、中堅社員の頃に親身なフォローアップを受けてきた人材は、部下や後輩の指導に意欲的な傾向があります。人材を育成していく姿勢を未来に残していく意味でも、管理職が中堅社員の指導に熱意を持って取り組むことが大切です。
将来的に組織のリーダーへと成長した後にも、中堅社員の頃に親身なフォローアップを受けてきた人材は、部下や後輩の指導に意欲的な傾向があります。人材を育成していく姿勢を未来に残していく意味でも、管理職が中堅社員の指導に熱意を持って取り組むことが大切です。