創業から10年を経て刷新された「約束」と人材戦略
持続可能な医療インフラへの転換を目指し医療・介護事業を展開
竹長 貴社は2014年の創業から急成長を遂げられ、2023年6月には東証グロース市場へ上場されました。まずは、現在展開されている事業の全体像を教えていただけますか。
鎌苅 私たちCUCは、国内外において多角的な事業を展開しています。主な国内事業は、国内の医療法人に対する運営・経営支援事業、グループ会社のシーユーシー・ホスピスを軸として運営するホスピス事業、同じくグループ会社のソフィアメディが運営する居宅訪問看護事業、札幌を中心に高齢者用の住まい・施設を運営するノアコンツェルが行うメディカルケアレジデンス事業です。当社の社員はビジネス職として国内医療法人の運営・経営支援事業に携わり、その他の事業はグループ会社に所属する医療専門職が担っています。
最近では海外展開も積極的に行っており、米国で足病・下肢静脈疾患を診るクリニックの運営企業を買収しました。現在はCUCの役員陣が現地に赴き、経営統合を進めているほか、インドネシアやベトナムでも事業を拡大しています。
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竹長 国内外でさまざまな事業を展開されていらっしゃいますが、事業の背景にはどのような社会課題があるのでしょうか。
鎌苅 強い危機感を抱いているのが、2040年に医療人材が約96万人不足し、約49万人の看取りの場が不足するといわれる日本の「2040年問題」と、それに起因する医療崩壊の危機です。従来の医療現場における自己犠牲的な働き方や、個人の経験に依存した属人的な労働モデルはすでに限界を迎えています。よって、持続可能な医療インフラへの構造転換が急務です。
加えて、現代の日本医療は「患者を中心に据え、多様な機能が地域で連携して支え合う」という方針をとっています。私たちはこの体制づくりに必要な機能を全方位的に保有し、地域医療の持続可能性に貢献することを目指しています。
一人ひとりが働きがいを感じ、挑戦できる環境を構築
竹長 社会課題の解決や持続可能な地域医療を目指し、10年強で事業と組織を拡大されてきたのですね。事業を推進するための組織開発や人材戦略の方針についてお聞かせいただけますか。
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鎌苅 私たちはいわゆるベンチャー企業ですので、人材採用の時点で「自走できる人材かどうか」を確認する意識は持っていました。とはいえ、組織が拡大するにつれ、さまざまな人材が増え、組織も複雑化します。
そこで、2023年8月、経営理念である「CUC Partners Philosophy」の実現を目指す前提として、経営陣から従業員への約束「CUC Partners Promise」を策定しました。「一人ひとりが働きがいを感じ、夢や理想に挑戦できる環境を実現する」ことを経営の責任として宣言しました。
それまでも様々な人事制度や育成の仕組みは存在していたのですが、会社が急拡大し、グループとしての仲間が増えていく中で、「私たちが目指すのはどんな会社なのか」「従業員に対して経営は何をコミットするのか」を改めて言語化する必要性を感じたからです。
©CUC inc.
強いメッセージを軸に、これまで点在していた育成、キャリア支援、働き方支援、理念浸透といった様々な施策の紐付けを行い、現在の人材戦略の形へとバージョンアップさせました。
現在は、現場主導で組織を動かし、担当組織の“事実上のCEO”として自律・自走できる変革リーダー「中核経営職」の育成に注力しています。
竹長 「個人の挑戦」を真ん中に据えて各施策に取り組まれているのですね。私たちが提供しているキャリア面談サービス「Kakedas」の「人生の主人公を増やす。」というビジョンと共鳴する部分があると感じました。
鎌苅 そうですね。私は「個人と組織の関係は対等であるべきだ」と考えています。会社のビジョンと個人の「これを成し遂げたい」「こういうキャリアを歩みたい」という思いが重なり、つながり合っている状態が理想です。そうしたカルチャーをつくるため、組織開発への投資を続けています。






