住宅会社に特化し、SNS運用代行やWEB広告配信、LP制作などのマーケティング支援とAI活用支援を行うSHO-SAN。Great Place To Work® Institute Japan「働きがいのある会社」ランキングにおいて、中規模部門で13位に選出されています。

 

さらに、同2026年版の「働きがいのある会社」若手ランキングでは9位、アジア地域における「働きがいのある会社」ランキングでは93位に選出され、「働きがいのある会社」認定も2年連続で取得。社員が能力を最大限に発揮できる職場環境を整え、いかに個々が自分ごととして事業企画に携わる組織づくりをしているかを、執行役員COO 丹野 裕鵬様、HRTM チームマネージャー 小林 直樹様に伺いました。

 

会社情報

会社名:株式会社 SHO-SAN
設立:2019年10月
従業員:179名

集客に課題を持つハウスメーカーや工務店へのコンサルティング事業を主軸に、広告制作事業、広告運用事業、さらに、直近はAI活用支援事業を展開。集客全般から、AIを軸にした業務支援まで、一気通貫した支援でクライアントの業績を支えている。

 

Q.創業の背景と、事業内容について教えてください

 

丹野様:私と代表の髙谷一起は、新卒で同じ会社に入りました。住宅領域でNo.1のポータルサイトを運営する会社です。そこで工務店やハウスメーカーを担当し、ポータルサイトを使った集客支援をしていました。

 

日々向き合っていると、集客に困っている会社が本当に多いんです。これからの住宅会社は、SNSもWEB広告もホームページも含めて、WEB集客を総合的に組み立てられないと生き残れない。それが分かっていながら、私たちがどの会社にも提供できるのは、ポータルサイトという画一的な支援だけ。ずっと、もやもやしていました。

 

そんな葛藤を抱えるなかで、髙谷は当時担当していた工務店に「自分でマーケティング部門をつくるので、雇ってください」と直談判し、その工務店へ転職しました。そして実際にマーケティング部門をゼロから立ち上げ、それまで年間20棟ほどしか建てていなかった会社を、2年で約80棟まで伸ばしました。しかも、マーケティングコストは半減させながら、です。

 

すると「どうやって伸ばしたのか」「うちでも同じことをやってほしい」と、他の住宅会社からも声がかかるようになりました。これが、現在のSHO-SANにつながるマーケティング支援事業の始まりです。

 

そして私も同じく、もやもやを抱えていました。「クライアントの集客を支援する側ではなく、自分の手でマーケティングをやってみたい」。そう思って社内ベンチャーに移り、1人でマーケティング部門を立ち上げて奮闘していたところに髙谷から声がかかり、SHO-SANに入社しました。

 

実はSHO-SANには、私や代表のほかにも同じ会社に勤めていたスタッフがいます。そのため社内にはその前職の社風を受けて、「クライアントワークだけではなく、自分自身が事業会社側に立ってマーケティングを実践したい」というような、より強く当事者意識を持つメンバーが多いかと思います。

 

Q.貴社のビジョンである「最高の組織で人を幸せにし、最強の事業で日本を牽引する」が生まれた背景を教えてください

 

丹野様:仕事は大変ですし、辛いこともあります。でも、仲間と一緒に頑張って、大きなことを成し遂げることには楽しさがあります。代表自身も、会社を始める時から「仲間と一緒に頑張ることが楽しい会社にしたい」とずっと話していました。

 

私自身は仕事をする中で、「この事業を絶対にやりたい」という強いこだわりがあったわけではありません。マーケティングをやっていても、住宅業界にいても、ある程度やると良い意味で次のことに挑戦したくなる性分です。現在はマーケティング支援をしていますが、マーケティングそのものにものすごくこだわっているわけでも、住宅業界だけにこだわっているわけでもありません。

 

だからこそ、「何をやるか」以上に、「誰とやるか」「どんな組織でやるか」が大事なのではないかと考えるようになりました。強い仲間と一緒に、大きなものを成し遂げる。そのためには、まず良い組織をつくる。良い組織ができれば、強い事業もつくれるのではないか。そういう価値観が根底にあります。

 

また、代表がよく入社したメンバーに話しているのが、「日本人にとって、働く時間は人生の大部分を占めている」ということです。それだけ多くの時間を仕事に使うのであれば、その時間が疲弊するだけのものではなく、少しでも「仕事をしている時間が幸せ」と思えるような会社にして、そこで笑顔が増えるような組織にしたい。そうした思いから、「最高の組織で人を幸せにし、最強の事業で日本を牽引する」という言葉につながっています。

 

ただ一方で、事業がうまくいっていないときほど、組織はその実力が問われます。もちろん、「最高の組織」というのは利益の上に成り立つものでもあると考えています。

 

メンバーに成長機会を提供することも、待遇を良くすることも、会社が成長し続けなければ実現できません。ですから、「最高の組織をつくるために頑張る」ということには、「良い組織をつくる」と「会社として利益を出し、成長し続ける」という2つの意味合いがあります。

 

Q.貴社の従業員は、インターン生が全体の6割を占めています。若手中心の組織づくりをどのように進めているのでしょうか?

 

丹野様:インターン導入は組織づくりの上で、かなり意図的に進めています。もともとはインスタグラムの運用事業において、業務委託で主婦の方々などに仕事をお願いしていました。ただ、受注が重なったときに人員を確保できなかったり、品質を安定させることが難しかったりという課題がありました。そこで「インターン生を活用したらどうか」と考えたのが始まりです。

 

実際にやってみると、大学生はSNSネイティブなので、私たちが気づかない視点でSNSを探求してくれることが多くありました。また、6~10人のチーム制度も取っており、互いに議論しながら仕事をすることでアイデアも集約され、成果や品質も上がっていきました。

 

そこから一気にインターン組織を拡大し、会社を始めて半年ほどで30人くらいになり、1年ほどで50~60人規模まで増えていきました。事業の成長に合わせてインターン生も増やし、この2~3年で100名を超える規模のインターン組織が確立されてきています。

 

Q.インターン生の採用では、どのような点を重視されていますか?

 

小林様:採用ポイントを大きく2つに分けると、「スキル」と「スタンス」があります。まだ学生なので、「スキル」については採用時点で高度なレベルに至るケースは少ないです。そのため、それまでの経験やキャリア志向、本人が何をやりたいのかをきちんと説明できるかといった、今後のスキルアップにつながる部分を面接で確認します。

 

一方で、当社が特に大切にしているのが「スタンス」です。インターン生が100名以上いるので、チームで仕事をすることが非常に多くあります。そこでのチームの輪を乱さないこと、その中で携わる仕事を「自分ごと」として捉え、主体的に進められるかどうかを見ています。選考では2回程度の面接を行いますが、主にこの2つのポイントから採用を判断しています。

 

Q.インターンからそのまま社員になるケースも多いと思いますが、どのように採用を見極めていますか?

 

小林様:当社のインターン組織はキャリアステップ制度を設けており、担当している業務の難易度や幅、成果などによって、プレイヤー、プロフェッショナル、リーダー、エグゼクティブなどに振り分けられます。成長ステップに合わせてグレード化されており、それにより時給も変わります。

 

つまり、単に「インターンとして働いてもらう」のではなく、成長に合わせて全インターンに役割を与え、運営を意識してもらう仕組みです。ここで全員に「オーナーシップ」を持っていただくことがカギになります。その中で、卒業後も社員として一緒に働きたいと思えるほどに当社とマッチしている方には、こちらから声をかけることもあります。

 

当社の新卒採用は基本的にインターン経験者から採用しているため、新卒1年目の時点で仕事の進め方や会社の文化をある程度理解しています。その経験を生かして、1~2年目の社員がインターン生を率いるケースもあり、若手社員が早い段階からリーダーになるのも当社の特徴といえるでしょう。

 

Q.入社後の社員育成についても教えてください

 

小林様:一般の会社にあるような育成制度はもちろんありますが、どちらかというと、当社では一つの研修だけで育てるというより、「仕組み全体で育てる」という考え方があります。

 

先ほどお伝えしたように、インターンをはじめ社員にもグレードがあり、それぞれのグレードで求められる基準を明確にしています。その基準に対して日々、マネージャーとメンバーがコミュニケーションを取りながら成長を支援します。

 

また、オンボーディングにも力を入れています。インターン生は毎月のように入ってくるので、入社してから最初の数週間で会社や仕事について理解できる研修プログラムを用意しています。

 

さらに社員には、自分の案件を担当するだけでなく、「組織を良くするためのプロジェクト」も任せています。例えば、人材育成、採用、AIツールの活用などです。こうしたプロジェクトを通じて、関わる事業だけではなく組織全体を見る視野の広さも身につけてもらいます。

 

そして、表彰やアワードも多く設けています。仲間の素晴らしい取り組みを皆で称賛し、「ナレッジ賞」として表彰・共有します。ほかにも、半期ごとにインターンの仕事成果プレゼン大会を開催するなど、成果をチームや個人だけのものにせず、組織全体の成長につなげています。

 

全従業員参加型コンテスト「NEW WAVE」では前回、新卒1年目と中途入社数カ月の社員コンビがグランプリ(事業化決定賞)、現役インターン生を含むチーム等が準グランプリを受賞しました。このように社歴や雇用形態を問わず、若手が事業提案の中核を担うこともあり、これが「自ら創った機会がキャリアを前進させる」という好循環を生み、挑戦を当たり前にする当社の文化自体が、社員の成長の一助になっています。

 

Q.一方で、若手が早くリーダーになるからこそ、マネジメントの難しさもあるのではないでしょうか

丹野様:そこは現在の課題の一つです。マネージャーやリーダーに対しては、対人マネジメント、戦略設計、評価など、会社としての共通の考え方をインプットする研修を実施しています。

 

ただ、マネジメントは研修をしたから身につくものではないと思っています。現場で日々失敗して、自分なりに試行錯誤していく中で、磨かれていくものです。

 

特に当社では、1年目や2年目の若手にもリーダーを任せるので、マネジメント経験が少ない状態でそれを求めることになります。そのため、どうしても壁にぶつかり、苦労する人が多いです。

 

ただ、様々なタイプのメンバーと関わり、たくさん失敗して、試行錯誤していった経験が、組織を導くリーダーの糧になると思っています。会社としては失敗を許容できる度量を持ちながら、全員で成長していける基盤をつくっていきたいです。

 

Q.マーケティング人材は専門性も高く、独立志向を持つ人も多いと思います。優秀な人材の流出について対策はありますか?

小林様:当社としては「独立させないための仕組み」をつくっているわけではありません。マーケティングを突き詰めるため、自分で事業をやりたいという人がいれば、基本的には応援したいと思っています。

 

個人でできることと、組織でできることには違いがあります。会社として成長した結果、半年後には事業内容が全然違うというくらい変化することもあるでしょう。その変化を仲間と一緒に楽しみたい人は残ってくれると思っています。

 

そうした中で、やはり自分でやってみたい人がいれば、一度外に出て挑戦することも価値ある選択です。「辞めさせない」というより、「それでもこの会社を選びたい」と思ってもらえる会社になることが重要だと考えています。

 

Q.今後目指している事業展開と組織のあり方について、教えてください

丹野様:数字としては、2030年に売上100億円という目標を掲げています。そのためのルートは一つではないと思っていますが、まずは私たちが得意としてきた住宅領域で、マーケティングとAIを活用して、クライアントの事業成長に貢献していきたいです。

 

今は技術の進化によって、マーケティング業務のかなりの部分をAIで効率化できるようになっています。そこで、これまで培ってきたマーケティングノウハウを詰め込んだSaaSのようなサービスを展開し、クライアント側のコストを抑えながら、内製化まで支援していくことも考えています。

 

さらにその先には、HR領域への展開も視野に入れています。当社は今や100名を超えるインターン組織を持ち、若手の育成や組織づくりにもかなり力を入れてきました。弊社の組織づくりの知見と経験を、HR領域の事業に展開できないかと考えています。

 

Q.事業だけではなく、AIを前提とした組織づくりにも取り組まれているのでしょうか。

小林様:はい。「日本一、若手×AI人材が活躍する会社」を目指しています。

 

そのために、まずは社員全員がトップクラスのAI活用スキルを持つことが必須です。すでに弊社は、AI講座を用意したり、全員にClaude Codeを使える環境を提供したりと、基本的にAIを前提として仕事をする状態にしています。

 

その中で注目しているのは、インターン生もAIを使って、自分の仕事だけではなく「組織全体の生産性をどう上げるか」を考えていることです。実際に大学2~3年生のインターン生が、業務効率化のためのツールを考えたり、仕組みをつくったりしています。

 

若いうちからAIを使いこなし、同時にビジネスの現場で経験を積む。この両方を身につけた人材が数年後に集まったら、新たな事業推進など、非常に面白いことができるのではないかと思っています。

 

実際、インターン生や新卒社員をクライアント先にAIコンサルタントとして常駐させるケースもあります。若手のうちからクライアントと直接向き合い、営業やコンサルティングまで経験するような、そうした環境で何年も経験を積んだ人材が増えていけば、会社としても大きな強みになっていくでしょう。

 

Q.HR領域では、今後どのような取り組みを考えているのでしょうか?

 

丹野様:HR部門を立ち上げて半年ほどですが、「最高の組織」を掲げる以上、「最高の人事部をつくろう」と考えています。

人事にありがちな属人的な判断をできるだけ減らし、AIを前提として人事の意思決定ができる仕組みを計画しており、すでに従業員情報や組織情報を管理する仕組みや、研修・学習のためのプラットフォーム、採用情報を一元管理する仕組みなどHR関連のシステムも自社開発しています。

 

研修プラットフォームでは、AI講座などのコンテンツを全従業員が学べるようにして、受講状況や理解度も確認できるようにしています。また、組織図と人事情報を連動させ、人事異動や昇格などの情報をできるだけ自動化する仕組みもつくりました。これらのデータが蓄積されれば、将来的には「この部署にどんな人材を配置すべきか」といった判断にもAIを活用できるようになります。

 

AI導入により、これまで膨大な時間と労力が必要とされていた人事の手作業はかなり軽減され、より精度の高いHRの仕組みが構築されることが期待できるでしょう。

 

私たちは、最高の組織とは「仕事が楽しい」であふれている状態だと考えています。そのためには、まず「この仲間と働いていて楽しい」と思えるカルチャーが必要です。そして、仕事を通じて「成長実感」を持てること。さらに、自分で成果を出せるという成功体験を積み重ね、「勝ち癖」がついていくことも大切です。

 

人事としては、「カルチャーを強くするための施策」「成長実感を得られる育成やマネジメント」「人それぞれの強みを生かして成功体験につなげる人員配置」、この3つを促進できる仕組みづくりをデータやAIを活用しながら実現させていき、さらに人事の力を発揮していきたいと考えています。

 

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