採用活動を成功に導くには?採用計画のポイントや採用力アップの方法

2020/03/31

採用活動において「募集をかけても求職者が集まらない」「優秀な人財を確保できない」といった悩みをもつ企業は少なくありません。他にも「苦労して採用したのにすぐに辞めてしまった」といったケースもあります。

 

こういった問題はきちんと採用計画を作ることによって改善が見込めます。この記事では採用活動でよくある課題を整理したうえで、採用計画の立て方や知っておくべき採用手法、採用力アップのヒントを解説していきます。

 

<目次>

採用活動でよくある課題

当たり前の話ですが、採用活動の目的は、組織の成長に必要な人財を雇用することです。そして、採用活動の目標は「採用の目標人数を達成する(量)」と「自社が欲しい“優秀な人財”の採用数を最大化する(質)」という視点で考えることができます。

 

目標を達成するうえでよくある課題を整理してみたので、自社の課題がどこに該当するのかを確認してみてください。

 

 

母集団形成

採用活動の代表的な課題が母集団形成です。内定を出せる候補者に会えないことには採用活動は始まりませんので、根本的な課題と言えるでしょう。

 

採用したい人数によっても変わってきますが、採用計画はある程度の確率論で考えることが出来ます。例えば、「1名の採用 ← 2名の内定 ← 15名の選考 ← 30名の求人応募」、といったイメージです。理想は「1/1採用」、つまり、「1名の応募で1名の採用」になることが生産性としては一番高いわけですが、現実にはそうもいきません。

 

各ステップの遷移率は企業によって違いますし、良い母集団を集めて、選考プロセスを工夫することで、遷移率は改善したいところです。しかし、過去の採用実績を見れば、ある程度必要な母集団の数が見えてくるでしょう。

 

母集団を考えるうえでは「数」の議論になってしまいがちなのですが、採用ターゲットにならない求職者をいくら集めても意味がありません。従って、採用ターゲットになる求職者をどう集めるか、どの採用チャネルなら集められるかといったことも、課題解決に向けて必要な考察です。

 

 

求職者のケア

採用活動におけるもう1つの課題が、「せっかく求職者を集めたのに選考に進まない、承諾してくれない」という悩みです。状況を見ていくと、求職者に対する適切なケアが出来ていないことが大半です。

 

ここでいう「適切」は大きくは2つに分けられます。1つは「スピード対応」。例えば「応募してきた瞬間」が「求職者の興味が高まっている瞬間」ですので、応募してきた求職者に連絡するスピード感は、ステップ率に大きく影響します。求職者は他社にも応募していますので、選考スピードが遅い企業はよほど志望度が高くない限りは辞退されがちです。

 

スピード感のない企業として映ったり、“スピードが遅いのは自分が評価されていないから”だと思われたりすることも志望度の低下に拍車をかけます。

 

また「適切」のもう1つの意味は「個別対応」です。採用活動において、求人原稿や説明会はマスに向けた情報発信にならざるを得ませんが、応募以降はどれだけ個別対応できるかが志望度を上げる要素です。求職者の活動状況や居住エリア等に応じた配慮や、志望度を上げるための個別での情報提供がポイントです。

 

 

採用スキルやノウハウ不足

「母集団形成」や「求職者のケア」に関する悩みが発生する原因とも言えますが、採用スキルやノウハウ不足も採用課題の1つです。採用計画の作成、自社の魅力抽出、適した採用チャネルの選定などは採用を成功させるための重要なノウハウです。

 

しかし、採用の専任担当を配置することが難しかったり、年間の採用人数が少なかったりする中小企業では、なかなか社内に採用スキルやノウハウを蓄積することが出来ません。これも採用に悩む中小企業が増える1つの要因です。

採用活動を成功させるための「採用力」とは?

 

採用活動を成功させるためには、中長期的には自社の「採用力」を向上させること必須です。冒頭で記載した通り、採用活動の成功は「量×質」で考えることが出来ますが、ここでは「最低限の質をクリアする(=内定を出せるレベル)人で、採用の目標人数を達成する」と考えてみます。「 入社数 = 求職者数 × 内定率 × 内定承諾率 」という単純な数式で表せることも踏まえると、採用活動を成功させるための「採用力」は以下の3つの要素で成り立つと言えます。

 

 

「母集団を形成する力」

採用力の1つ目は、「母集団を形成する力」です。母集団を形成する力は、「企業の魅力」(所属する業界の人気度、知名度、社会的なステータスなど)と「魅力を伝える力」(自社の魅力抽出をする力、求人原稿などに表現する力、適切な採用チャネルを選定する力)からなります。

 

 

求職者を魅了付けする力

採用活動を成功させるには、(内定を出せるレベルの)求職者に「この企業に入社したい!」選んでもらうことが必要です。母集団を形成するときの「魅力を伝える」は一方的な発信ですが、「求職者を魅了付けする」際は個別かつ双方向でのやり取りです。求職者と信頼関係を作り、ニーズや本音を把握して、適切に提案して、クロージングするという「営業活動」に近い感覚です。

 

母集団を形成する、求職者を魅了付けするというプロセスを考える際、採用に悩んでいる企業の中には「うちの企業に魅了なんてないよ…」と卑下する方もいます。しかし、顧客から選ばれて事業が成立し、働く社員がいるからには、どんな企業にも必ず魅力はあります。求職者に発信していける魅力は以下のような要素が挙げられます。自社ではどんな要素が当てはまるか、参考にしてみてください。

 

<企業体の魅力>

  • 社会的なステータスがある
  • 規模が大きい、知名度がある
  • 業界で注目を集めている
  • 経営基盤が安定している
  • 老舗の伝統がある

 

<事業内容の魅力>

  • 社会性がある
  • 成長性がある
  • 安定性がある
  • 独自性がある
  • 顧客基盤がしっかりしている

 

<仕事内容の魅力>

  • 成長できる
  • やりがいがある
  • 人に感謝される
  • 技術を身に付けられる
  • 市場価値が高まる

 

<組織の魅力>

  • 経営者、経営陣が魅力的である
  • 経営者との距離が近い
  • 上下の風通しがい
  • 働く仲間が魅力的である
  • 若手が多く活躍している
  • 女性が多く活躍している
  • 社員の仲が良い、雰囲気がいい

 

<待遇の魅力>

  • 給与水準が高い
  • 頑張った分だけ評価される、還元される
  • 休みが多い、有給消化率が高い
  • 残業が少ない
  • ポストの数が多い
  • 幹部候補を目指せる
  • 教育が充実している
  • 平等な評価、中途採用のハンデがない
  • 福利厚生が充実している

 

 

求職者を見極める力

最後に、採用を成功させるためには「見極める力」も必要です。日本の選考は面接偏重になりやすい傾向がありますが、適性検査や能力検査は面接と同じぐらいの妥当性があります。面接で生じがちな各種の先入観やバイアスを知っておくことも重要ですし、求職者の経験や能力をしっかりと把握するための構造化面接を取り入れることも効果的です。

採用活動を改善するポイントは採用計画にあり!

行き当たりばったりで採用活動をおこなっても、うまくいくことは難しいですし、採用力も高まりません。採用活動を成功させ、自社の「採用力」を高めていくためには、採用計画の作成と振り返りがポイントとなります。3つのポイントを意識して採用活動を実践してください。

 

 

採用目標とターゲットを明確にして、ペルソナを設定する

採用目標は「どんな人をいつまでに何人採るか?」です。採用計画をつくる上では、「どんな人」という採用ターゲットを明確にしていき、ペルソナ設定まで具体化することが重要です。採用ターゲットや納期・人数は、適切な採用方法を選ぶ上でも重要になりますし、採用ターゲットをペルソナまで落とし込んでいくことで、求人原稿で訴求すべき内容や説明会で伝えるメッセージが明確になっていきます。

 

 

採用計画を詳細に落とし込む

設定した採用目標を基にプロセスの数値計画を組んでいきます。必要な母集団人数と自社の採用力、また、採用ターゲットに合わせて適切な採用方法を選んでいきましょう。設定したペルソナに応じて、求人原稿や説明会コンテンツを作っていくのも、このフェーズです。使えるリソースも踏まえながら、なるべく多くの採用方法を併用することで母集団形成を順調に進めることが出来るでしょう。

 

 

実績を振り返って改善点をまとめる

中長期的に採用力を向上させるためには、採用活動を振り返り、成功点や改善点をまとめることが重要です。母集団形成から内定承諾までの数、採用ステップ間の遷移率をしっかり振り返っていきましょう。

 

質に対する振り返りも重要です。質の振り返りと改善を図っていくうえでは、最終的な承諾者や内定者の質だけではなく、母集団や選考の初期段階での質も振り返れるようにすることが重要です。「良い母集団を集められていないのか」、もしくは「母集団には良い人材がいたのに採り逃していたのか」で打ち手が異なってきます。

採用活動を成功させるために知っておくべき採用手法

 

母集団形成で使える採用方法は多くの種類が存在します。採用方法は費用だけでなく、採用ターゲットに合わせて選ぶことも大切です。「新卒採用」と「中途採用」、それぞれの代表的な採用方法をご紹介します。

 

 

新卒採用

 

・求人媒体

Webや紙の求人媒体に求人情報を掲載するやり方で、最も一般的です。新卒採用にはWeb媒体が適しています。総合型から特化型まで様々なWeb媒体があり、自社の採用力と採用ターゲットに合わせた適切な媒体の選択が重要です。

こんな企業におすすめ

<Web媒体>
・採用数が多い

<紙媒体>
・新卒採用にはあまり向きません

 

・ダイレクトリクルーティング

登録学生を検索してメッセージを送れる「企業から攻められる」採用サービスです。

こんな企業におすすめ

・知名度がない中で優秀な学生を集めたい
・ターゲット学生だけ絞り込んで会いたい

 

・合同企業説明会

多数の企業がブースを出す中で、学生が行きたいブースに回る形式のイベントです。

こんな企業におすすめ
・学生に顔を合わせることが出来れば魅了付けできる
・会社の知名度はないが人気業界である
・ブースの装飾や声がけなどのセールスプロモーションが得意である

 

・マッチングイベント

合同企業説明会の進化版で、全参加学生への企業紹介や一次選考を実施できるイベントです。

こんな企業におすすめ
・プレゼンや営業力に自信がある
・採用人数が多くなく、効率的に採用を行いたい

 

・新卒紹介(人材紹介)

新卒に特化した人材紹介です。企業紹介から日程調整、内定承諾の獲得まで代行してくれます。

こんな企業におすすめ
・ターゲット学生だけ絞り込んで会いたい
・採用媒体では学生を集めることが難しい

 

・大学(キャリアセンターや就職課)

大学の掲示板や学内システムへの求人掲載、キャリアカウンセラーによる求人紹介です。

こんな企業におすすめ
・費用をかけたくない
・マジメで素直なタイプを採りたい

 

・大学(研究室やゼミ、就職担当の教員)

大学の教員を通じた求人紹介、研究室やゼミの所属学生との接点を作ります。

こんな企業におすすめ
・採用ターゲットが「専攻」で絞られる
・大学時代の専攻内容を活かせるようなスペシャリスト採用を行いたい

 

・新卒ハローワーク

新卒採用に特化したハローワークへの求人依頼です。

こんな企業におすすめ
・費用をかけたくない
・採用人数が少ない

 

・リファラル採用

自社社員による紹介や推薦による採用方法です(学生アルバイトからの登用なども含む)。

こんな企業におすすめ
・学生の質を重視したい
・業務内容を理解した学生を採りたい
・採用費用を抑えたい

 

・インターンシップ

早期に就業体験のイベントを行い、参加者から採用するやり方です。

こんな企業におすすめ
・早期に動いている優秀層を採用したい
・ミスマッチを減らしたい

 

中途採用

・求人媒体

Webや紙の求人媒体に求人情報を掲載するやり方で、最も一般的です。総合型から特化型まで様々な媒体があり、自社の採用力と採用ターゲットに合わせた適切な媒体の選択が重要です。

こんな企業におすすめ

<Web媒体>

・複数名採用したい
・ターゲットが若年層である

<紙媒体>

・飲食・サービス業やブルーワーカーの採用である
・地域密着の採用を行いたい

 

・ダイレクトリクルーティング

登録人材を検索してメッセージを送れる「企業から攻められる」採用サービスです。

こんな企業におすすめ
・時間や手間をかけてでも優秀な人財を採用したい
・特定の層(経歴、資格etc)だけにアプローチしたい

 

・人材紹介

求人内容を伝え、各エージェントの登録者から条件に合う人財を紹介してもらう採用方法です。

こんな企業におすすめ
・人材の経歴を重視したい
・求人媒体だと応募が集まらない
・採用に工数を割きたくない

 

・ヘッドハンティング

転職の潜在層、競合からの引き抜きなども含めて活動してくれる人材紹介の一種です。

こんな企業におすすめ
・経営幹部層やスペシャリストなど転職市場には出てこない優秀層を採用したい

 

・合同企業説明会(転職フェア)

多数の企業がブースを出した中で、求職者が行きたいブースに回る形式のイベントです。

こんな企業におすすめ
・顔を合わせることが出来れば魅了付けできる
・会社の知名度はないが人気業界である
・ブースの装飾や声がけなどのセールスプロモーションが得意である

 

・マッチングイベント

合同企業説明会の進化版で全参加者への企業紹介や一次選考を実施できるイベントです。

こんな企業におすすめ
・プレゼンや営業力に自信がある
・採用人数が多くなく、効率的に採用を行いたい
・既卒や未経験者層を採用したい

 

・ハローワーク

ハローワークの求人検索端末に求人を掲載する採用方法です。

こんな企業におすすめ
・採用に費用を使いたくない
・採用に際して助成金を利用したい
・採用したい年齢層にこだわりはない

 

・リファラル採用

自社社員による紹介や推薦による採用方法です。

こんな企業におすすめ
・人材の質を重視したい
・採用競争が激しい、あまり転職市場には出てこない層を採りたい

 

・紹介予定派遣

直接雇用を前提に、派遣社員として一定期間雇用した後に正社員登用する採用方法です。

こんな企業におすすめ

・ミスマッチのリスクを回避したい

 

・プロ派遣/顧問サービス(業務委託)

サービスの掲載企業が仲介してくれるスタッフと業務委託などで契約する採用方法です。

こんな企業におすすめ
・経理財務、広報、マーケティングなど、特定分野の即戦力が欲しい
・自社にノウハウがない/教えられない分野で人が欲しい
・フルタイムの勤務である必要はない

 

採用力を高めるコツは、採用計画と実績の振り返り

採用力を高めるコツは、しっかりと採用計画を立て、採用後に振り返りをおこなうことです。彩桜活動の振り返りで最も一般的かつ汎用性のある方法は「数値で評価して、原因を考察する」やり方です。数値は「ステップ数」と「ステップ率」です。

 

【ステップ数】

エントリー数(個人情報の獲得数)、説明会申込数、説明会参加数、選考応募数、一次選考実施数、選考通過数、二次選考実施数、二次選考通過数、最終選考実施数、最終選考通過数(内定数)、内定承諾数など

 

申込数と参加数、選考の通過数と選考の実施数などの数値は細かく押さえておくことが重要です。場合によっては「参加率が低い」「通過した人が離脱してしまっている」等に課題がある場合もあります。

 

【ステップ率】

「ステップ数÷前のステップ数」で求められる申込率、参加率、通過率、承諾率など

 

数値で「うまくいった/うまくいかなかった」や「計画とのズレ」を評価し、「なぜそうなったか」という定性的な原因や対策を考察します。これによって感覚値での議論を避けることができ、課題の抜け漏れ等がなくなります。

 

質に関する議論についても、例えば一次選考の「評価」、最終選考の「評価」など、なるべく数値にして評価することで、“印象が強かった求職者の記憶”や“声が大きい人”に意見が引きずられることを防ぐことが出来ます。

 

採用力を高めるうえでは、「スモールチャレンジを常態化する」ことが重要です。採用市場の変化やツールの移り変わりは早いので、うまくいっているものを維持しつつ、許容できるリスク・使えるリソースの中で、新しいチャネルや手法を試していきましょう。

まとめ

採用活動を成功させるためには、採用力を構成する「母集団を形成する力」「求職者を魅了付けする力」「求職者を適切に見極める力」、3つの力が必要です。

 

企業の知名度や規模、業界の人気度や待遇などの条件は変えることが難しいでしょう。しかし、魅力の抽出や適した媒体の選択、選考プロセスの工夫などは、自社の採用ノウハウを磨いていくことで改善が可能です。採用ノウハウを磨くためにも採用計画をきちんと立てて、計画と実績を振り返るというサイクルを動かしていきましょう。

 

一見地道な活動ですが、この繰り返しにより確実に採用力の改善が可能です。社内だけで計画・振り返りが難しいようであれば、外部の力を借りることも有効でしょう。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック 取締役 HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。 7つの習慣R認定担当インストラクター、原田メソッド認定パートナー、EQPI認定アナリスト等

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