【初めての新卒採用】知っておくべき実施スケジュール&選考フローの作り方

2020/07/15

中長期的に企業の将来を考えたとき、人材の確保は欠かせないものです。その中でも、組織風土や理念浸透の核にしやすいのが新卒採用です。新卒採用をおこなっている企業の方であれば、「ポテンシャルがあり、自社で活躍できる人材を獲得したい」と常に考えておられるでしょう。

 

そのために、大切なことは新卒採用のスケジュール設定です。就活生の活動スタート時期にはいくつかのパターンがあります。新卒採用を成功させるためには、自社のターゲットに合わせたスケジューリングをおこない、最適な採用フローを作成することが大切です。記事では、自社のターゲットに合わせた採用スケジュールと採用フローの組み方を分かりやすく解説します。

<目次>

新卒採用時のフローを組むうえで考えるべき2つのポイント

新卒採用にあたっては、「実施スケジュール」と「採用フロー」、それぞれをしっかりと組み立てる必要があります。まずは、2つの用語の意味を確認しておきましょう。

 

 

実施スケジュールとは?

新卒採用の実施スケジュールは、「説明会や面接をいつ開催するか」「いつまでに採用活動を終えるか」といった、採用活動全体の計画です。実施スケジュールを策定するには、採用活動におけるアクション(何をやるのか)のリストを、漏れなく時系列で並べていくと良いでしょう。なかでも、「母集団形成(インターンや説明会)をいつ開始するか?」という点が最も大きな意思決定となるでしょう。

 

(実施スケジュールの例)

  • 採用計画立案
  • 求人票の作成・公開
  • 説明会の開催
  • 書類選考(合否連絡)
  • 面接(合否連絡)
  • 内定
  • 内定者フォローアップ

 

 

採用フローとは?

採用フローとは、応募から内定承諾までのプロセスを細分化したものです。エントリーからのアクションを、漏れなく時系列でリストアップしていきましょう。下記は、アクションが明確になりやすい「選考」を軸に記載していますが、実際に設計するうえでは、「選考」と「魅了付け」、2つの軸でフローやアクションを考えることが重要です。

 

(選考フローの例)

  • エントリー
  • 会社説明会
  • 適性試験
  • 一次面接
  • 最終面接
  • 内定
  • 内定者フォローアップ

採用ターゲットに応じた新卒採用のスケジュール 主要5パターン

新卒採用のスケジュールは一様ではありません。自社で活躍する人材を新卒採用で獲得するには、ターゲットに合わせて最適な採用スケジュールを設定する必要があります。以下に、新卒採用の主なスケジュールを5パターンご紹介します。それぞれの特徴を押さえて、自社のターゲット、また採用力に応じてスケジュールを設定してください。

 

 

プレ期①:夏~冬のインターン期(3年生の6月1日~1月下旬)

大学3年生の6月から1月下旬の期末試験が始まるまでのインターンシーズンです。新卒採用が早期化する中で、インターンで母集団形成して、採用活動をおこなう企業がメインに活動しています。

 

早期採用では、6~9月に母集団形成、10~12月に選考、1~2月に内定出しをおこなうのが最も多いパターンです。情報感度の高い優秀層の割合が多く、上位層を狙うのであれば、プレ期①の活動はある程度必須です。

 

ただし、その分、インターンのコンテンツ作成、また長期間にわたるコミュニケーション、早期での内定獲得力が必要です。自社のターゲットを考慮して判断しましょう。

 

 

プレ期②:2月のインターン期(3年生の1月下旬~2月末)

大学3年生の1月下旬から2月末は、大学の期末試験が終わり、中間層の意識が就活に向き始めます。

 

この時期にインターンで母集団形成すると、複雑な繋ぎとめ等を設計しなくても3月からの説明会に誘導が可能です。従って、3月から会社説明会をおこなっていた企業が、採用スケジュールを前倒しするうえでは最も挑戦しやすい時期です。

 

20卒・21卒等は、独立系の各種媒体や新卒紹介等も活用して、プレ期②から説明会と選考をスタートする会社も増えています。

 

 

本期①:大手ナビサイトでの広報解禁からGW前まで(3年生3月1日~4月末)

大学3年生の3月から大学4年生の4月末にかけて、多くの新卒採用企業が採用活動を開始し、説明会が急増する時期が訪れます。ここまでで殆どの就活生が活動を開始します。

 

最も説明会への動員等もしやすく、効率よく活動できる時期といえますが、大手企業の説明会も多く、学生のスケジュールを奪い合う側面もあります。この時期に中小企業やベンチャー企業がうまく活動するために、ターゲット層をしっかりと設定することが重要です。

 

 

本期②:GW明けから9月末

中小企業の多くが採用活動を実施するのが、大学4年生のゴールデンウィーク明けから9月末にかけての時期です。多くの大手企業が5月に「面談」という名で実質の選考をおこない、6月上旬で一気に内定を出すため、大手企業の選考に残れなかった学生がこの時期に中小企業へ視野を広げる傾向にあります。

 

 

本期③:10月以降

大手・中堅企業の多くは大学4年生の10月に内定式を開催して当年度の採用活動を終了するため、10月以降には一気に求人数が減っていきます。一方でこの時期には、公務員や教職から転向する学生、海外留学からの帰国者等が就活を始めるケースも多いです。

採用フローの組み方 主要3パターン

採用フローを「選考」の側面から見ると、選考への入り方によって大きく3つのパターンに分かれます。ここでは、主要なパターンを解説した後、HRドクターを運営するジェイックの選考フローもご紹介します。

 

 

標準型

最も一般的におこなわれている採用選考フローです。

 

  1. エントリー募集
  2. 会社説明会
  3. 一次選考(適性検査)
  4. 二次選考(一次面接)
  5. 三次選考(最終面接)
  6. 内定

 

エントリー後に会社説明会を開催し、自社の魅力をアピール、学生の企業理解を深めます。企業理解が進んだ後に選考試験や面接がおこなわれるため、学生にとっても納得感を得やすいフローです。

 

最近では、一次選考(適性検査)をオンライン上で実施する会社も増えたことから、標準型のパターンで実施する企業が増えています。また、中小企業等の場合には、一次選考と二次選考を一緒におこなったり、順番が逆転したりするケースも多くあります。

 

一方で、次の説明会・選考一体型と比べると、「説明会」から「一次選考(適性検査)」へのステップ率が落ちる側面もあります。標準型で実施する場合には、説明会でしっかりと魅了付けできているか、一次選考へのステップで離脱が生じていないかをチェックしながら進めましょう。

 

 

説明会・選考一体型

会社説明会と一次選考を同一日程でおこなうパターンです。

 

  1. エントリー募集
  2. 説明会&一次選考(グループワーク)
  3. 二次選考(適性検査)
  4. 三次選考(一次面接)
  5. 四次選考(最終面接)
  6. 内定

 

この選考フローのメリットは、スピード感が上がる、選考が一緒になっていることで学生が参加する優先順位が上がる、対面選考をまとめておこなえる、といった点です。適性検査を紙で実施する企業が多かった頃は、一体型の選考を紙でおこなう企業が多かったのですが、最近ではグループワークやグループディスカッションをする企業が多くなっています。

 

学生のコミュニケーション力やリーダーシップ等を効率的に見られるため、コミュニケーション力を重視する企業が多く導入しています。また、グループワークでの評価に応じて、その後の選考フロー(選考をパスさせる、誰を面接官としてアテンドするか、魅了付けのための社員面談を設定するか否か)を調整するために活用する企業もあります。

 

なお、説明会の時点で選考が一緒になっていることは、学生からすると参加のハードルになる部分もあります。従って、このパターンをとる場合には、「一次選考では志望動機は訊かない」「とくに準備は要らない」「こういう内容を質問する」等を事前に告知しておくことをおすすめします。

 

また、説明会+一次選考となることで、拘束時間が長くなり、これも動員の難易度UPに繋がります。説明会の内容をコンパクトに分かりやすく設計する、一次選考内容を工夫する等で、拘束時間を長くし過ぎないようにしましょう。

 

 

試験先行型

先に試験を実施して、母集団を絞り込んでから説明会を実施するタイプもあります。人気企業や人気職種等で、エントリー数が採用人数に対して非常に多い場合に、母集団を効率的に絞り込む方法として効果的なフローです。

 

採用ホームページ上の情報等だけを基に、試験を受けさせる魅了付けをおこなう必要がありますので、応募してくる母集団はかなり限定的になります。人気企業や人気職種でないと実施はおすすめしません。

 

  1. エントリー募集
  2. 一次選考(エントリーシート、適性検査)
  3. 会社説明会
  4. 二次選考(グループ面接)
  5. 三次選考(個人面接)
  6. 四次選考(最終面接)
  7. 内定

 

 

採用フローの設計例

3タイプのうち、どの採用フローを取り入れても、フローの選択自体でさほどの優劣は尽きません。自社で取り入れやすいものを選択してください。重要なことは、採用フローの中で「選考」だけでなく、「魅了付け」の要素をきちんと取り込んで設計することです。

 

HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、標準型のフローを取り入れたうえで下記のように採用フローを設計しています。なお、こちらはあくまで標準ケースであり、採用時期によって異なりますし、22卒からは本格的なオンライン採用を展開するうえでも、変更になる部分が出てくる見込みです。

 

1.会社説明会
2.適性検査

⇒オンライン上で「性格特性」と「地頭」、2つの検査を受検してもらう。早期に実施することで、優秀な人材のピックアップ、一次面接での面接官のアテンドをおこなう参考とする他、形成した母集団の質を計っています。

3.グループ面接

⇒人事担当者が実施

4.一次面接

⇒相手のタイプに応じて、自社の魅力をアピールできるマネージャーを面接官としてアテンドします。オンライン化により、全国のマネージャーが面接対応できるようになりました。

5.社員面談

⇒一次面接の情報に応じてロールモデルになれそうな社員をアテンドします。合否を判定する面接ではなく、情報提供するための面談という位置づけです。

6.役員面接

⇒役員面接も相手のタイプや志向性に応じて、面接官を調整します。

7.合宿選考

⇒若手社員から経営陣までの接点を作り、選考の場であると同時に、自社への理解を深めてもらう場にしています。

8.役員面接、人事面談、社員面談

⇒選考での評価や就活生の志望度、状況に応じて面接・面談を設定します。

9.社長面接

⇒内定の合否は基本的にはその場で判断。内定の場合は、面接後にその場で伝えるケースが大半です。

新卒採用のフローを設計するうえでの5つのポイント

新卒採用のスケジュールや採用フローを設計するうえで、注意しておきたいポイントがいくつかあります。ターゲット人材をしっかり獲得するためにも、以下に挙げる5つのポイントを把握しておきましょう。

 

 

ターゲット設定から始める(できれば、ペルソナ設定をおこなう)

スケジュールや採用フローを設計するうえで、最も重要になってくるのはターゲットです。採用ターゲットの活動時期に応じたスケジュール、また採用競合の存在も考慮したうえで内定承諾を獲得するための選考フローを作ることが重要です。

 

ターゲットは必ずしも1つとは限りません。複数ある場合には複数のターゲット設定をおこない、活動時期、内定承諾を獲得するための選考フローを設計しましょう。単なる「採用基準」ではなく、「性格や価値観、就活の軸、所属するコミュニティ、就活のやり方」等、人物面に踏み込んだペルソナ設定までおこなえると、スケジュールや採用フローを考えやすくなるでしょう。

 

ペルソナ設定に関しては、以下の記事もご覧ください

 

採用スケジュールを策定する

ターゲットが決まれば、おのずと採用スケジュールも決まってくるでしょう。一般論として新卒採用においては、採用スケジュールを前倒したほうが優秀層と会えるのは事実です。しかし、前倒しをすれば、その分、コンテンツ設計、繋ぎとめるためのコミュニケーション量、早期でのクロージング力等が求められ、採用コストも増えがちになります。

 

従って、「とにかく前倒しすればいい」わけではなく、自社の採用ターゲットや採用力、社内のリソースを踏まえて意思決定しましょう。大手ナビサイトOPEN前のプレ期②を狙うのも方法の1つです。

 

 

ターゲットにあった採用フローを作る

「このフロー・スケジュールを導入すれば必ず成功する」というものはありません。自社がターゲットとする層の行動や心理に合わせて、自社独自の採用フローを組み立てていきましょう。

 

繰り返しになりますが、採用フローは「選考フロー」であると同時に「魅了付けのフロー」である必要があります。ターゲットをいくつかのタイプに分けて、タイプ別に選考フローを変えている企業もあります。就活生のタイプに応じて、誰と会わせるか?何を伝えるか?も、採用フロー設計の重要なポイントです。

 

 

予算を設定する

良い新卒採用をおこなうために一定の予算は必要です。新卒採用の平均単価は50万円前後ですが、どんな層を採用したいか、自社でどれぐらいの工数を投下できるかによっても異なります。

 

優秀層や理系採用になれば、70~100万円程度の相場となりますし、逆に、母集団からの内定率を高めれば20~30万円での採用も可能でしょう。自社の知名度やブランド力によっても変わりますし、Twitter採用やダイレクトリクルーティングを実施する工数があるかによっても変わるでしょう。

 

きちんと検証して無駄なものはしっかりと削減しながら、ある程度新しいものを試す工数や予算を確保することが望ましいでしょう。

 

 

採用体制を作る

新卒採用を成功させるには、人事だけではなく経営者や現場で活躍するエース社員等の協力が不可欠です。とくに「魅了付け」は、ミッションやビジョン、社内での成長可能性を語れる経営陣、ロールモデルやリアルなやりがいを語れる現場社員の協力の有無で成功する可能性が大きく左右されます。

 

経営陣を巻き込んで、「自社の10年後20年後を作る活動であり、全社員が協力する」というムードを作り上げましょう。

まとめ

新卒採用を成功させるためには、ターゲットにあった採用スケジュールと内定承諾を獲得するための採用フローが重要です。知名度や規模で劣る中小企業であっても、採用戦略や採用フローの設計によって、優秀人材の採用が可能になります。

 

自社が採りたいターゲット層の行動や心理、また競合他社の採用スケジュール・選考フローをしっかりと把握し、効果的なスケジュールと採用フローを作りましょう。

 

採用フロー設計で考えるべき、魅了付けのポイントに関しては、以下の資料もご覧ください。

また、採用市場全体のスケジュールや早期採用の成功事例は下記の資料も参考になるでしょう。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック 取締役 HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。 7つの習慣R認定担当インストラクター、原田メソッド認定パートナー、EQPI認定アナリスト等

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