【22卒】新卒採用の時期と就活スケジュール!いつまでに何をすべきか?を解説

2020/06/22

近年、新卒採用の時期が大きく変化しつつあります。新卒採用スケジュールは、この数年「3月広報、6月選考解禁」でしたが、経団連が2018年10月に「2021年3月以降に卒業する学生(2022年卒から)の就活ルールの撤廃」、2019年4月に「新卒学生の通年採用拡大」を発表しました。これにより20卒・21卒採用における企業動向はかなり変化が起こりました。

 

また、コロナ禍に伴うオンライン採用の動きも、採用スケジュールに大きな影響を与えていますし、22卒から大手求人媒体が「1dayインターンシップの取り扱い中止」を決めたというニュースもありました。重要なのは、就活ルールが変化する背景を押さえたうえで、自社のターゲットと採用力に応じて採用スケジュールを決めていくことです。記事では、新卒採用の活動時期を考えるポイントや具体的なスケジュールの決め方をご紹介します。

<目次>

新卒採用の時期を考えるうえで大切な2つのポイント

新卒採用の時期を考える際は、まず実態を知ることが大切です。近年、採用市場の“売り手市場化”に伴って、早期採用をおこなう企業が増えていました。その中で、経団連発表を受けて、市場の実態がどう変化してきたか把握しておきましょう。

 

 

1.“通年採用”の実態は「早期化」

日本ではこれまで、経団連が新卒採用の「採用選考に関する指針」としてスケジュールを発表し、それに合わせて新卒の採用活動をおこなうのが一般的でした。なお、多くの方がご存知の通り、グローバルな視点で見ると、新卒の採用スケジュールが決まっていることは珍しく、そもそも新卒のポテンシャル/一括(総合職)採用をおこなっている国はごく少数です。

 

ほとんどの国は通年採用であり、新卒・中途の区別が少ないジョブ型採用です。その中で、日本は経団連・政府・大学が協同する形で、新卒のポテンシャル一括採用を維持してきました。新卒のポテンシャル一括採用は、採用企業からしても、学生からしても、活動時期が決まっていることで、ある意味では、効率的に採用・就職活動ができる点がメリットでした。

 

しかし、高度経済成長期が終わり、IT化が進む中で、“平均的な優秀人材を大量に採用すれば業績を伸ばせた時代”から、“一握りの尖った人材が企業の業績に大きな影響を与える”時代がやってきました。人事制度も、年功序列から成果主義へと移り変わってきました。

 

外資系企業、新経済連盟の加盟企業に代表されるようなメガベンチャー、スタートアップ企業等、経団連に加盟しない企業が日本の経済活動に占める割合が増え、そして、学生の就職人気ランキングにも登場するようになりました。これらの企業は経団連が決めた指針や政府の要請に従うことなく、昔から早期に採用活動をおこなってきました。

 

景気が変動する中で、売り手市場になると、“青田刈り”が始まり、採用活動が早期化する。行き過ぎたと判断された段階で、絶対的な存在であった経団連が再び指針を修正して、時期を後ろ倒しにすることが、採用活動の歴史の中で繰り返されてきました。

 

その中で、時代と共に、経団連自体が“絶対的な存在”ではなくなり、外資やメガベンチャーとの人材獲得競争を繰り広げなければ、自社の存続が危うくなってきた状況があります。

 

経団連を象徴する一角である総合電機、IT企業であるソニーやNEC、NTT等が、新卒・中途を問わず、「新卒でも優秀なエンジニアであれば年収1,000万」「上位研究者であれば、年収3,000万」といった採用方針を打ち出しているのも、危機感の表れです。

 

こうした背景のもと、経団連が自らの手を縛る指針を作り続けることは難しいとして、2018年に、「2021年3月以降に卒業する学生の就活ルールの撤廃」、2019年には「新卒学生の通年採用拡大」を発表したわけです。

 

その後、政府・大学が「急激なルールの変更は学生に悪影響がある」と判断して、2021年卒は政府主導のもと経団連のルールを踏襲した就活ルールを発表しました。しかし、実質的にインターンを採用活動に直結させた早期採用をおこなう企業数は明らかに増えています。

 

 

21卒はコロナ禍により「採用活動に遅れが生じている」といわれており、5月1日時点および6月1日時点の内定率は、いまの採用スケジュールになって以来初めて前年同月対比を下回りました。

 

その一方で、2月中に母集団形成を終えて、4月の緊急事態宣言が出された時点では、“ほぼ21卒の採用活動を終えていた”という企業も増えています。それを反映するように3月1日時点および4月1日時点の内定率は前年を大きく上回っています。

 

つまり、正しくは「コロナ禍の前に採用活動を終えた企業と、コロナ禍により採用活動が遅れた企業で、2極化が進んだ」というのが正しい実態です。

 

 

2.新卒採用の開始時期は「欲しい人材」と「自社の採用力」から考える

上述の通り、政府主導の就活ルールは、“大手求人媒体の正式オープン日を決める”くらいの位置づけになりつつあります。その中で、自社の新卒採用スケジュールを決める際は、自社の「欲しい人材」と「採用力」を考慮する必要があります。

 

まず重要なことは、「自社のターゲット学生を採るには、いつ頃から採用活動をおこなう必要があるか」です。それには、ターゲットの就活生の動向をはじめ、採用競合のスケジュールや採用力、採用市場の動きを把握することが大切です。

 

例えば、ベンチャー志向の学生や、学生団体の幹部層等の情報感度が高い層をターゲットにしたいのであれば、インターン期の接触が必須です。また、プログラミング経験者層等は、大学2年生時点でIT系メガベンチャーから内定を約束されることもあります。

 

その他、冬季インターンから動き始める学生層、大手求人媒体オープンの3月から動く学生層、教職課程等で実習がある学生、リーグ戦等のスケジュールにも左右される体育会系の学生等、時期による学生層の違いや、逆に属性による就活スケジュールへの影響を知っておきましょう。

 

優秀な人材を採用するには、自社の採用力も重要なポイントです。自社で採りたいと思う優秀な人材は、他社でも内定を獲得します。どのレベルの採用競合までなら戦えるか、採用担当に誰を配置できるかも、どの時期に活動するかの意思決定に影響してくるでしょう。

 

早期・優秀な人材になるほど、強い採用競合と内定承諾を争い、また、長期間にわたって魅了付けをしていく必要があります。忘れてはいけないポイントです。

新卒採用のスケジュールは「母集団形成」の時期を決めるのがポイント

新卒採用のスケジュールは、大枠では「母集団形成をいつおこなうか」がポイントです。一般的な採用時期をざっと区分してみると、以下のような5つの時期に分かれます。

 

・プレ期①:夏~冬のインターン期(3年生の6月1日~1月下旬)

⇒早期採用する企業のメイン活動時期(とくに7~9月)

 

・プレ期②:2月のインターン期(3年生の1月下旬~2月末)

⇒学生の期末試験が終わり、中間層の意識が就活に向き始める時期。採用直結する短期インターンや早期説明会が増える

 

・本期①:大手ナビサイトでの広報解禁からGW前まで(3年生3月1日~4月末)

⇒多くの新卒採用企業が活動を開始して、説明会が急増する時期。大手企業の説明会も多く、学生のスケジュールを奪い合う側面もある

 

・本期②:GW明けから9月末

⇒多くの中小企業が採用活動を実施する時期。多くの大手企業が5月に「面談」という名で実質の選考をおこない、6月上旬で一気に内定を出すため、大手落ちした学生の視野が中小企業に向く

 

・本期③:10月以降

⇒大手、中堅企業の多くは10月の内定式で当年度の採用活動を終了するため、一気に求人数が減っていく時期。一方で公務員や教職からの転向、海外留学からの帰国者等が就活を始めるケースも多い

 

母集団形成を「プレ期①」に実施する企業と、「本期②」を実施する企業とでは、同じ新卒採用でも1年近くスケジュールが違うことが分かります。

 

活動時期は、業種や規模で一概にくくれるものではありませんが、目安としては以下のようなスケジュール感で動く会社が多いです。市場や採用競合の動きを把握するとともに、採用したいターゲット層を考慮してスケジュールを組むことが大切です。

 

企業群 母集団形成の時期
・HR、広告、IT系メガベンチャー

・外資系企業

・プログラミング経験者層の募集

プレ期①~プレ期②でほぼ終了
・ベンチャー系企業の大半 プレ期②~本期①で終了
・大手企業 プレ期①②のインターンも実施するが、

本期①の時期だけでほぼ母集団形成は実施

・中堅企業 本期①~本期②がメインシーズン
・中小企業 本期①~本期③まで

最近は「通年採用」による早期化に伴って、プレ期①・②で作った母集団から採用する割合を増やそうと考える企業が増えており、「3月1日以降は、母集団形成はしない」「本期は、プレ期に採り切れなかった場合の補填策、という位置づけ」という企業も増えています。

 

また、ITエンジニア(プログラミング経験者の学生)やAI技術者等はプレ期⓪ともいえる大学1年生・2年生のうちから採用活動をおこなう企業も出ています。場合によっては、「中退して入社することも可」といった企業もあります。

 

22卒からは、「大手求人媒体が大学からの要請も受けて、1dayインターンの取り扱いを止める」という報道もありましたが、これもスタート前の時点で既に形骸化している状態です。実態は1日以下のプログラムは“インターン”という名称では掲載できない、というだけで、“職種体験”等の名目では掲載・募集できることが既に公表されています。

 

早期採用の実態や成功のポイント、企業事例は下記をご覧ください。

 

 

新卒採用スケジュールを決める7ステップ

通年採用に伴って、新卒採用の早期化が進んでいることはご紹介した通りです。一方で、学生が卒業して入社する4月1日という日付は変わりませんので、「早期化する」ということは、「採用活動の長期化」とイコールです。

 

また、ポテンシャル一括採用から職種別採用になったり、早期採用が動いたり、ダイレクトリクルーティングやイベント等からの採用が増えたりしたことで、社内で選考ルートを複数作ることも増えています。

 

例えば、「早期採用の特別選抜ルート」「早期採用の通常選考ルート」「3月1日以降の文系総合職」「3月1日以降の理系エンジニア職採用」で、それぞれ選考フローが違うというイメージです。

 

以上3つの「早期化、長期化、複雑化」が、通年採用に伴って起こっている実態です。早期化すると、採用活動の負担や必要なリソースは増えます。従って、欲しい人材を明確にし、自社の採用力を考慮したうえでスケジュールを組むことが大切です。以下で、新卒採用スケジュールを決めるための基本的なステップをご紹介します。

 

 

1.事業戦略や成長計画から「採用戦略」を策定する

まずは、事業戦略や成長計画を踏まえて、採用戦略を策定します。ここでの採用戦略は、「自社の事業戦略、成長計画を実現させるためにどんな人材が必要か」です。

 

“優秀”な人材が欲しいというのは各社共通の願いですが、自社のサービス特性等も踏まえて、「どこまで“優秀”な人材が必要なのか」「“優秀”な人材の採用に、どこまで経営資源を投下する価値があるのか」は考えるべきポイントです。

 

例えば、「成長意欲が強く、野心があって、地頭も優秀。コミュニケーション能力と行動力もある」学生はどこの会社でも欲しいでしょう。しかし、「自社の成長計画において、本当にそういう人材が必要なのか?」「そういう学生を採用することに人やコストを投下する価値があるのか?」を考える必要があります。

 

 

2.「採用ペルソナ」を設定する

採用戦略で「どんな人材を採りたいか」の大枠が決まったら、具体的なペルソナを策定します。ペルソナを設定することで、ターゲットの人物像が明確となり、それが活動時期やアプローチ方法の決定にも繋がっていきます。

 

年度の採用活動が終わり、翌年度の採用を考える際にも、作成したペルソナと実際に採用した(内定承諾した)学生を比較・検討することで、採用の質に関する振り返りも容易になります。

 

 

3.採用ペルソナの「就活スケジュール・動向」を把握する

採用ペルソナを決めたら、ターゲット学生が実際にどんなスケジュールで就活をしているのか、就活の動き方を把握しましょう。自社で採用している学生の中に、採用ペルソナに近い学生がいるようであれば、「就職活動はいつ、どんな活動をしていたか。どんなイベントに参加したか。どんな企業に応募したか」をインタビューすると早いでしょう。

 

 

4.自社の採用スケジュールを踏まえて「いつから始められるか」を検討する

新卒採用は、早期に動くほど優秀な学生に多く会えることは事実です。一方で、サマーインターンで母集団形成をおこなう場合は、5~6月頃に広告チャネルやインターンの企画を検討して、7月下旬にはインターンを開始するスケジュールになります。従って、場合によっては、まだ当年度の新卒採用が動いている中で、翌年度分の新卒採用を開始することになります。

 

「まだインターンを実施したことがない」という場合は、いきなりサマーインターンを実施するのではなく、冬のインターンから着手して、徐々に採用全体のスケジュールを早めていくことも1つのやり方です。自社の新卒採用スケジュールに合わせて着手していきましょう。

 

 

5.自社の「内定承諾の獲得力」を踏まえて検討する

早期に学生と接触して採用選考を開始したとしても、学生側も「他社を見たうえで決めたい」等の意向があります。そのため、年内に内定承諾をもらうことは、かなり難易度が高く、企業の強力な魅了付けと内定承諾の獲得力が必要です。

 

早期選考で動くベンチャーやHR系、広告系等は、サマーインターンで母集団形成をした後、秋から冬にかけて徐々に選考と面談を組みながら、2月~3月に内定承諾を獲得するスケジュールで動いていることが大半です。6~8ヵ月間、学生とコミュニケーションを取り続ける必要がありますので、選考&魅了付けのプロセスに工夫が必要ですし、工数も投下する必要があります。

 

 

6.採用スケジュールを最終決定する

ここまでのステップを踏んだうえで、採用スケジュールを最終作成しましょう(章の最初で大仰に7ステップと書きましたが、紙1枚にステップを順番に書いてみるだけでも、思考が整理されます)。大切なのは、ターゲットと採用力を考慮したうえで、母集団形成・魅了付け・選考・内定承諾の全体シナリオを描くことです。

 

繰り返しになりますが、本格的に早期採用を始めると、サマーインターンでの母集団形成から内定承諾までかなりの長期間になります。従って、その間に「内定を出すかを見極める」プロセスと「内定を承諾するところまで魅了付けする」プロセスをどう織り交ぜていくかを、きちんと設計する必要があります。

 

 

7.内定承諾後のフォロー体制を設計する

自社で採りたいと思う学生は、他社でも高い評価を受けるでしょうし、複数社から内定をもらう可能性が高いでしょう。従って、魅了付けして内定承諾してもらうまでの設計は重要ですし、同時に内定承諾後のフォロー体制も設計しておくことが重要です。

 

フォロー体制というと大げさですが、

 

・どれぐらいの頻度で情報発信するか?

・双方向のコミュニケーションをどれぐらい、どんな頻度で取るか?

・各接点に誰が関わるか?

 

を決めておくだけでも、効果的です。

まとめ

経団連による就活ルール廃止に伴う早期化、コロナ禍の影響によるオンライン採用の加速、1dayインターンの取り扱い停止等、22卒の採用活動は多くの変動要因があります。また、22卒はいよいよ「大卒新卒の少子化」がスタートする年度でもあります。

 

21卒は「コロナ禍の影響で採用活動が遅れている」ともいわれます。確かに事実なのですが、前述の通り、早期化対応をしていた企業は、コロナ禍が本格化して緊急事態宣言が発令される前には、既に21卒の採用を終えて、5月6月には22卒の採用プランニングに入っています。

 

これらの企業は、22卒のインターンは競合が減ることをチャンスと捉えて、オンライン採用、オンラインインターンを本格的に展開して、更なる早期化を企画しています。ただし、早期化に踏み切ることが必ずしも正解ではありません。市場の変化と、自社の採用ターゲットと採用力を踏まえたうえで、「どうやって自社に必要な人材を確保するか」を考えていきましょう。

 

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック 取締役 HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。 7つの習慣R認定担当インストラクター、原田メソッド認定パートナー、EQPI認定アナリスト等

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