期待外れの中途採用……が起こってしまう原因と対策、活躍する転職者の見分け方

更新:2021/11/04

作成:2021/11/04

思い悩むビジネスマン

十分な経験や実績があり「活躍してくれる!」と期待して採用した中途採用者が、入社後に期待外れとなってしまうケースは少なくありません。「期待外れ」を起こさないためには、期待外れになる原因と、期待外れになった場合の対処法を理解したうえで、選考や受け入れに反映することが大切です。

 

記事では、期待外れになりがちな中途採用者の特徴や面接での見分け方、即戦力にならない原因と対策、採用前にやっておくべきことを解説します。

 

<目次>

期待外れと思われてしまう中途採用者の特徴

自己アピールをする候補者

 

期待外れになる主な原因は、

  • 選考時に見抜けなかった
  • 入社後の受け入れプロセスが整っていなかった

という2つに大別できます。まず本章では「個人の要因」にフォーカスして、期待外れとなりがちな中途採用者の特徴をいくつかご紹介します。

 

採用選考では、下記の傾向がないかをしっかりと見極めることが大切です。

 

自分の能力を過剰にアピールしている

求職者にとって、採用面接で「自分を高く売り込む」ことは自然な心理です。しかし、自分をアピールすることは大切ですが、アピールのし過ぎは誤解につながる可能性があります。

 

過剰なアピールで採用側の期待は高まります。すると、入社後に十分な能力を発揮できなかったときに大きなギャップが生まれ、期待外れ感が大きくなってしまいます。

 

 

前職でのやり方を引きずっている

職歴や経歴が優秀だったとしても、転職した企業で通用しなければ期待外れの人材です。たとえ、類似の業務だとしても求められる仕事の進め方や価値観は企業によって異なります。新しい職場環境、仕事のやり方に柔軟に対応できない人材は、他の社員にとって迷惑な存在となってしまいます。

 

 

行動力がない

スキルや経歴が豊富であれば即戦力としての期待が高まりやすくなりますが、実際に即戦力として活躍するには行動力が不可欠。高いスキルや知識があっても「手を動かせない」タイプの中途人材は、入社後に期待外れとなる可能性が高くなります。

 

 

職場に馴染めない

職場や人間関係に馴染めないと、本来の能力を発揮することはできません。スキルや能力が高くても企業の雰囲気に馴染めなかったり、周りの人と人間関係が築けなかったりすれば、能力を発揮できず期待外れとなりがちです。

 

中途採用者が組織に馴染むためには、受け入れ側の仕組みや態勢が重要ですが、本人の性格面も大きく影響してきます。

 

 

自分を過信している

期待外れになってしまう人材のなかには、過去の経験や実績から自分の能力を過信してしまっている人も少なくありません。

 

前職でのやり方を引きずることに近い点がありますが、周囲の意見を聞かず学ぼうとしない人材は周りの人から距離を置かれ、やがて孤立してしまいます。最終的には職場に馴染めなくなり、期待外れとなってしまうのです。

 

期待外れにならない!即戦力になる中途採用の見分け方

・自社で活躍するための素質(性格特性や価値観)を持っている。

戦力化しやすい人材は、自社で活躍するための素質(性格特性や価値観)を持っている人材です。専門知識や資格が関連しない仕事の場合、業務経験よりも素質のほうが活躍の要因となることが多く、スキルだけで判断してしまうのは危険です。

 

・成長意欲や好奇心、素直さがある

成長意欲や好奇心、素直さなどの要素は、新しい環境に馴染むうえでとても重要なポイントです。新たな職場でのルールややり方を吸収したり、自分のやり方を修正したりするうえで、好奇心や素直さは不可欠です。

 

・目的を持っている

働く目的がはっきりしている人は、前職でのやり方を変えたり、新しい進め方を受け入れたりすることに抵抗が少なくなります。やり方よりも最も大切にしたい軸がしっかりしているからです。

 

・前職とのギャップが小さい

仕事の進め方や決済範囲、チームワークの取り方など、前職とのギャップが小さければ、その分戦力化がしやすくなります。つまり、面接などの際には同業界・同職種といった類似性と同様に、働き方という点でも共通点や相違点を確認しておくことが大切です。

 

・コミュニケーション力が高い

本来持っている能力を発揮して戦力化するためには、組織に馴染んで、気軽に質問したり教えてもらったりできる人間関係を作ることが大切です。内部の人間関係をつくるためのコミュニケーション力や自己開示、明るさ、愛嬌なども欠かせません。

 

 

戦力化しにくい中途採用者の特徴

・プライドが高い

プライドが高すぎる人材は質問ができなかったり、職場に馴染めなかったりして、成長が見込めない可能性があります。

 

・仕事のやり方への強いこだわりを持っている

前の職場でのやり方を引きずっている場合、新しい職場に馴染むことは難しいでしょう。組織に馴染めない人材は戦力化しにくいことはもちろん、職場全体の雰囲気にも悪影響を及ぼしがちです。

 

・働くことへの意欲が低い

成長意欲や好奇心がない人材は成長が見込めません。どんなに質の高い教育をしても成果は出ませんし、周りのメンバーに悪影響をおよぼす可能性もあります。企業の事業内容やビジョンなどに対する事前調査ができていない場合も、仕事に対する意識が低いといえるでしょう。

 

・成果をあげていない、明確な退職理由がない

仕事に対する意識が低い人材は、業界や職種経験はあっても目立つ成果をあげていなかったり、前職の退職理由が明確でなかったりする傾向があります。特に同業種や同職種の経験者で、転職理由がはっきしりない人は要注意です。

中途採用者が即戦力にならない原因と対策方法

中途採用者が即戦力にならない原因は大きく3つあります。万が一採用後に「期待外れ」と感じた場合は、即戦力にならない原因を理解したうえで適切な対策を行なうことが大切です。

 

 

能力がなく仕事ができない

職歴やスキルに問題がなく面接でも自信満々だったのに、いざ仕事を任せると何もできないという場合は、中途採用者に能力がないことが考えられます。

 

企業側の期待と本人の能力にミスマッチが生じた場合は早めにフィードバックを行ない、現状に対する本人の自覚や危機感を覚えさせるのが効果的です。さらに、成長プロセスの設計や期待値の再調整を行ない、それでも期待外れ感が改善されない場合は、異動なども検討しましょう。

 

また、採用プロセスにおいてどこで見誤ったかをしっかりと分析し、面接の時点で見極められる体制を整えていくことも大切です。

 

 

教育を怠っている

中途採用者に問題はなく、企業側の受け入れプロセスが整っていないことが原因で即戦力になれないケースも多々あります。

 

中途採用者の前職が同業界・同業種であったとしても、仕事の進め方は企業ごとに違うため、最低限の教育は必須です。また、組織社会化(組織に馴染むプロセス)ができないと、高いスキルを持った人材であろうと、本来の能力を発揮することはできません。

 

<組織社会化の主なプロセス>

  • 組織構成や人を知る
  • 理念や沿革を知る
  • 行動規範や暗黙知を知る
  • 意思決定プロセスや仕事の進め方を知る
  • 特有の社内用語などを知る

 

組織社会化を促進するには、オンボーディングの導入が効果的です。オンボーディングとは、組織に馴染んでもらうための一連の取り組みです。一般的な新人研修のように知識をインプットするというよりは、上記のプロセスを知るための機会を作り、早く馴染めるようなサポートを行なったりします。

 

他にも、中途採用者が相談しやすい環境作りとしてブラザー・シスター制度なども有効です。

 

 

前職でのやり方を引きずっている

中途採用者が前の職場のやり方を引きずっている場合、新しい職場でのやり方に馴染めないため、即戦力になれません。前職への執着は本人の素養・性格的な部分と、組織の受け入れプロセスの両方が重なる部分でもあります。

 

前者に関しては「必要な能力があるか」というスキルフィット以外に、仕事の進め方などを含めた「組織風土や価値観と馴染むか」というカルチャーフィットの視点で面接・選考を行なうことが大切です。

 

後者については、前述したオンボーディングの整備や、業務を通じて新しい職場のやり方を教えるOJT研修、入社前にできるEラーニング研修などで対策することが可能です。

 

また、馴染み方に課題がある場合には、上長などが早い段階で「周囲からの見られ方」などをフィードバックして本人の自覚を促すとともに、交流の機会を作っていくことも効果的です。

 

期待外れだった……とならないために人事と企業が採用時に行なうべきこと

後輩の面倒を見る先輩社員

日本の雇用法制上、「期待外れだった」という理由で中途採用者を解雇するのは困難です。また、転職が一般化してきたとはいえ、入社後すぐの早期退職は企業にとっても、本人にとっても良くありません。

 

したがって、採用側である人事や経営者には、期待外れの中途採用を防ぎ、即戦力採用を実現することが求められます。採用時には以下3つのポイントを押さえることがおススメです。

 

 

カジュアル面談や懇親会などを行なう

中途採用者は新卒と違い、インターンシップや会社説明会などで企業の雰囲気を知ることができません。事前に企業の雰囲気を知ってもらう対策として、カジュアル面談や懇親会などを開催し、仕事内容や仕事の進め方、雰囲気などを共有することはおススメです。

 

趣味や最近ハマっていることなど、プライベートの共有もできるぐらい緩い雰囲気にするのがおススメです。カジュアル面談や懇親会は求職者の本音が出やすくなるので、求職者の人柄を把握することにもつながります。

 

 

組織風土やバリューと求職者の価値観でミスマッチがないかを選考時に確認

中途・新卒を問わず、仕事を辞める理由の統計で最も多いのが「社風とのミスマッチ」です。特に中途採用の場合は、これまでの経験を通じて、仕事への価値観や仕事の進め方などがある程度固まっていることが多く、新しい組織の社風や価値観への対応は難しくなります。

 

したがって、選考時に組織の「社風や価値観」と「本人の価値観や特性」のミスマッチがないかを確認することが大切です。ミスマッチの確認は人事や面接官の主観だけで判断するのではなく、適性検査などのツールをかけ合わせることで、より客観的に判断することができます。

 

 

面接スキルを高める

中途採用では、経験やスキル、成果などが判断基準になりがちです。しかし、前職で本当に活躍していた人材は、社内で評価され昇進昇格していくのが一般的であり、転職市場に出てきにくい傾向があります。つまり、極端にいうと、提示された経験やスキルを鵜吞みにしてはいけないのです。

 

また、中途採用の面接で重要なのは「前職での成果」自体よりも「成果の再現性」です。例えば、その成果を出した仕事に本人が中心的に関わっていたのか、本人の能力で出したものなのかといったプロセス(再現性の有無)、転職理由の真相を聞き出す必要があります。

 

また、仕事への関わり方や仕事のプロセス、性格特性、強みなどをしっかりと見抜くためにも、面接スキルを高めることが重要です。

 

 

まとめ

中途採用において、「面接時には良く思えたのに、入社後のパフォーマンスは期待外れだった……」となるケースは少なくありません。期待外れとなってしまう中途採用者はアピールが過剰であったり、前職のやり方を引きずっていたりする傾向があるため、面接の時点でしっかりと見極めることが大切です。

 

面接スキルを高めることはもちろん、カジュアル面談や懇親会などを実施し、求職者へ自社の社風や雰囲気などを前もって伝えておくのも有効です。

 

また、期待外れとなる要因は人材側だけでなく、企業側(受け入れプロセス)にあることもあります。企業側は中途採用者が組織に馴染めるようオンボーディングなどの受け入れプロセスを整備して、それでも期待外れの中途採用が発生してしまった場合にはしっかりと原因を振り返るとともに、適切に対処することが大切です。

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