中途採用における適性検査の重要性!種類や内容の使い分けとミスマッチを防ぐポイント

2020/09/11

適性検査は、新卒採用ではかなり多くの会社で行なわれているものの、中途採用では使っていない会社も多くあります。しかし、中途採用こそ適性検査を使うことでマッチング精度を高められる効果があります。

 

記事では、中途採用で適性検査を行なう目的と重要性、適性検査の具体的な種類やミスマッチを防ぐための活用ポイント等を解説します。

<目次>

中途採用における適性検査の目的と重要性

社会人経験があり、職務経歴書で経歴や実績も分かる中途採用でなぜ適性検査が必要になるのでしょうか。はじめに中途採用で適性検査を使う目的や重要性を確認しておきましょう。

 

 

面接と適性検査の組み合わせで選考精度を高める

中途採用で適性検査を行なう目的は、面接だけでは不足しがちな選考の精度や妥当性を高めることです。日本の採用では「面接」が重視されがちですが、じつは面接は、面接の形式や面接官のレベルによって精度が変わってしまうという課題があります。

 

とくに「構造化」されていないフリートーク形式の面接(設計された決まった質問を聞いていくのではなく、応募者毎に話の流れで違う質問をしていくような面接)は、さまざまな選考手法の中でも入社後のパフォーマンスを予測できる精度が低いことが研究成果として実証されています。

 

もちろん面接精度も上げることも有効ですが、面接では見抜きづらい部分を適性検査で補うことで選考の精度を上げることもおすすめです。適性検査は、評価者によるばらつきが生じませんので、採用基準の振り返りや退職分析/活躍分析等をするうえでも有効です。

 

 

入社後のミスマッチを防ぐ

適性検査は、求職者の適性が職場にマッチするか?といった判断を客観的にすることで、入社後のミスマッチを防ぐ目的もあります。中途採用の求職者は、経験があるからこそ、仕事に対する価値観や進め方等、いわば“仕事における常識”が固まっており、新卒ほど柔軟に変化を受け入れることが難しい側面があります。

 

従って、求職者の考え方と企業の社風や仕事の進め方が合わなかった場合、活躍しないまま滞留したり、早期離職したりするリスクは高くなります。また、能力面のマッチングとは別に、適性検査を活用して、面接では見抜きづらい内面(価値観や特性等)のマッチングを確認することがおすすめです。

 

 

面接で語られる実績と実力の乖離を防ぐ

適性検査には、求職者の能力を明確にする意味もあります。

 

中途採用では、職務経歴書等で実績が書かれています。だからこそ、実力等を推し量りやすい部分もありますが、一方で、職務経歴書に書かれた実績が、本当に応募者の実力によるものとは限りません。例えば、営業でいえば、タイミング、担当顧客、大口受注等、本人の実力ではない要素でも売上は左右されます。また、プロジェクト等に関しても、応募者が主導的に進めたものか、じつはリーダーの指示に従っていただけなのかは書類では分かりません。

 

能力面に関しては、面接で比較的見抜きやすい部分ではありますが、適性検査を用いて、仕事で必要な特性と本人の特性、また地頭が必要な仕事であれば地頭のチェック等は確認しておくと良いでしょう。

 

能力面については、社内で活躍している既存社員の特性やスコアを使って基準をつくることがおすすめです。

中途採用で使われる適性検査の種類

適性検査の種類は、検査内容と実施形態で大きく分けられます。

 

 

検査内容

検査内容は大きく以下の2つに分けられます。

 

  • 性格検査:価値観や特性等を判断するもの
  • 能力検査:論理的思考力や地頭等を判断するもの

 

中途採用の場合、新卒における学力検査に近い能力検査は行なわれないことが殆どです。ただし、若手採用の場合には基礎的な思考力や教養を測る意味で能力検査は有効ですし、学力とは関係ない“地頭”と呼ばれるロジカルシンキング(論理的思考力)やラテラルシンキング(抽象的思考力)を測るうえでは適性検査が有効です。

 

 

実施形態

インターネットやスマートフォンが普及した昨今では、殆どの適性検査が従来の紙によるマークシート形式からWebテスト形式に移行しています。Web化された適性検査は、遠隔で受けてもらうことも可能ですし、結果も即時に手元で確認できます。従って、面接の前に受けてもらって、手元に結果がある状態で面接を行なったりすることも可能です。

適性検査の効果的な使い方

適性検査は、単体で採用合否の参考とする以外に、以下のように使うと、コストパフォーマンスも高くなり、また、組織開発に有効です。

 

 

採用基準を明確にする

適性検査は、目に見えない感覚を定量化してくれます。従って、定性的な表現になりやすい採用基準を明確にするうえでも有効です。例えば、適性検査を導入するのであれば、いま働いている全社員にも受けてもらうと良いでしょう。そのうえで「実際に活躍しているハイパフォーマー」と「成果を上げられていない社員」の間で、特性面にどんな違いがあるかを明確にします。

 

これにより採用基準が明確になりますし、実際の働きぶりをしっている社員の検査結果があると、応募者の人柄を想像するうえでも、「この結果は●●さんに近いパターンだな…こんな人なのかな?ここを確認しよう」と仮説を立てやすくなります。

 

例えば、HRドクターを運営するジェイックでは、採用で使う適性検査は全社員に実施しています。すると、例えば、「入社3年以内に表彰されるレベルの営業成績を上げるためにはAとBの特性が■点以上あることが重要」や「幹部会に参加するレベルまで昇格しているメンバーは、共通して動機の第1位が▲▲動機である」等が分かっています。

 

 

面接の生産性UP

前述したように最近は殆どの適性検査がWeb化されていますので、面接の事前に受検してもらい、結果を確認することができます。社員実施して、採用基準を明確にしたうえで、応募者の検査結果を事前に確認すれば、「●●さんは適性検査の結果で、■■の部分は活躍する素養がある、逆に▲▲は社風とのマッチングが懸念」といった仮説が立ちます。

 

HRドクターを運営するジェイックでは、面接そのものは構造化されており、一定のパターンでエピソードを深堀りしていく形です。その中でも、適性検査上のポジティブな結果が実際の行動にどのように反映されているか、過去のエピソードを確認する中で懸念点が許容範囲かを重点的に確認することで、面接の生産性を高めています。

 

 

配属先の検討

適性検査の結果は新入社員であれば、配属先の検討にも活用できます。ジェイックでは、新人研修期間中に見られた行動、適性検査の結果(強みと弱み)、本人の希望等と、各部署で求められる特性(新規事業で仕事の進め方を模索中、仕事の型がきっちり決まっている等)、マネジメントする管理職のタイプを掛け合わせて新人配属を検討・決定しています。

 

ミスマッチを起こしてしまうと、活躍できないばかりか、早期離職等の原因となることもあり得ます。そのため、部門配属の精度を上げるための材料として、入社後も適性検査の結果を利用しています。

 

 

配属後のマネジメント

部門配属で適性検査の結果を使っていたことと同じように、配属後のマネジメントにも適性検査の結果は利用できます。ジェイックでは、例えば、新人の配属であれば、新人研修期間中にマネジメントしてきた人事の所感と適性検査の結果が、配属先部門に引き継がれます。

 

同じ仕事を指示するにしても、どんな動機が強いかによって指示の出し方を変えることが効果的です。例えば、明確な目標を提示することでモチベーションUPするのか、しっかりとサポートすることを伝えるのが効果的か、懸念点を解消することで立ち上がりが早くなるかといった具合です。同じように強みや弱みによって、同じ仕事でも、進め方や学び方を調整してあげることで、成果を上げやすくなったり、成長スピードが速まったりします。

 

 

このように適性検査は、単独で選考合否の参考にするだけでなく、採用基準の明確化、採用の生産性UP、配属の検討材料、マネジメントレベル向上等にも活用することができます。

 

適性検査の選び方で重要な「予測的妥当性」

中途採用や新卒愛用で適性検査を選ぶ際には「予測的妥当性」という考え方が重要になります。予測的妥当性とは、「適性検査の結果が入社後の定着・活躍をどれぐらい予測できるか?」を指します。つまり、適性検査の結果がいい人が実際に仕事で活躍し、適性検査の結果が悪い人はパフォーマンスが良くないということです。

 

もちろん、瞬間的な仕事の成果は、事業の好不調、担当顧客、タイミング等に左右されます。しかし、中期におけるパフォーマンス面での評価と今後の成長に関する期待値の評価、2つの結果と適性検査の評価が相関するかということです。

 

自社で予測的妥当性が得られない適性検査では、導入する意味がありません。適性検査を導入する際、また導入した後には、適性検査の結果と入社後の活躍や評価・業績が比例するかどうかの検証をしていくべきです。

 

 

予測的妥当性に合った適性検査の選び方

適性検査を選ぶ際には、まず既存社員数人に検査を受けてもらい、予測的妥当性を検証してみましょう。予測的妥当性は、「活躍予測」と「ネガティブ排除」の2つの観点で考えると良いでしょう。

 

1.活躍予測 :適性の結果が高い人が実際に活躍するのか?

2.ネガティブ排除 :メンタル等のマイナス要因が実際の問題に繋がっているか?

 

既存社員に行なった検査で2つの予測ができている場合、その適性検査は導入する価値があるでしょう。「8割の予測的妥当性」が得られるか、を一つの目安とすることがおすすめです。逆に、現在使っている適性検査で、活躍予測とネガティブ排除の予測的妥当性が得られていない場合などは、適性検査を切り替えることを検討しても良いでしょう。

中途採用で実施される適性検査10選

中途採用では、以下のサービスを使った適性検査が多く実施されています。

 

 

クレペリンテスト

ドイツの精神科医 エミール・クレペリンが見つけた作業曲線をベースとし、日本の心理学者 内田勇三郎が開発した職業・性格適性検査です。一列に並んだ一桁の数字を左から右へと順に足していく非常にシンプルな検査です。このテストを行なうと、性格・行動面の特徴や処理能力の程度が分かります。詳しい価値観というよりは、実務作業に対する能力・行動傾向を見ることに適しています。

 

 

Cubic

大手企業を中心に約5,000社に導入されている適性検査です。個人の特性や資質を性格、意欲、価値観、社会性という4つの側面から評価できるテストになっています。多彩なバージョンが用意されており、何を選択するかによって価格も大きく変わってきます。また、従量プランや定額プラン、ソフトウェアでの提供も行なわれているため、自社の採用規模や頻度に合った選択も可能です。

 

 

SPI3

40年以上の歴史と受検実績202万人という、圧倒的なデータ量で知られる適性検査です。性格検査と基礎能力検査がセットになっており、検査方法はWebもしくはマークシートから選択可能となります。企業で用意したパソコンで検査するインハウスCBTとWebテスティングの場合、マークシートより費用を安くおさえられます。新卒採用において、非常に多くの企業で導入されています。

 

 

玉手箱

性格適性と知的能力を測定できる検査です。SPI3と比べて時間制限が厳しいことから、スピード感や正確性を兼ね備えた人材を求める企業に導入されやすい特徴があります。性格適性のテストを受けると、求職者の行動特性や職務適性、マネジメント適性等が分かります。

 

 

GAB/CAB

知的能力やパーソナリティといった一般的な検査項目のほかに、7つの職業適性や、将来のマネジメント適性も確認できるサービスです。性格検査では、面接チェックポイント等も把握できるようになっています。最初にまとまった額の初期導入費用がかかるため、同じサービスを使って多くの検査を行ないたい企業におすすめとなります。

 

 

3Eテスト

知的能力テストと性格・価値観テストが35分で終わるサービスです。求職者の負担や中途採用にかかる時間を大幅に軽減できる利点があります。価格は20部単位での販売となるため、適性検査サービスを比較検討中の時期にも利用しやすいシステムとなるでしょう。

 

 

DPI

企業内で実績を上げるうえで欠かせない態度能力(対人関係処理能力+意欲)を診断できるサービスです。紙・Web・パソコンの3つの方法が用意されています。自社採点方式となる紙受験の場合、ほかの方式の半額以下で利用できるところが大きな魅力です。職場適応性やストレス耐性も調べられます。

 

 

不適性検査スカウター

定着しない、頑張らない、成長しない等の「採用しないほうが良い人材」を見抜くとことに特化した適性検査です。使い方が限定されている分、単価が安く、多くの企業で導入されています。

 

 

Hci-AS

Hci-ASはわずか10分で終わるという手軽さに加えて、採用の合否判定(採用すべきである、採用すべきでないetc)にまで踏み込んだ分かりやすい結果表記が評判の適性検査です。2019年12月末時点でメンタルヘルスの出現率が19.5%まで上昇する中で、メンタルヘルスとストレス耐性に関する詳細な結果表記も好評です。

 

 

 

MARCO POLO

グローバルでトレンドとなっている第5世代の採用基準に基づく適性検査であり、応募者の特性を分析するだけではなく、求人毎に採用したい人物のモデルを作成することができます。単に特性が高い/低いではなく、「この仕事で活躍するのに必要な特性が必要なだけあるか?」「組織の風土と応募者の特性がマッチしているか?」を照らし合わせることができる点が特徴です。

 

まとめ

新卒採用と比べると中途採用では適性検査を導入する企業は少なくなっています。しかし、中途採用でも、自社の組織風土とのミスマッチを減らし、活躍可能性が高い人材を採用するうえでは適性検査は有効です。

 

また、単独で採用の合否に使う以外にも、採用基準の明確化、採用の生産性UP、配属の検討、マネジメント等にも活用できます。既存社員への実施を通じて、自社での予測的妥当性を担保した採用検査を導入して、採用精度の向上にお役立てください。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック 取締役 HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。 7つの習慣R認定担当インストラクター、原田メソッド認定パートナー、EQPI認定アナリスト等

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