人手䞍足ぞの察策䞭堅䞭小䌁業が実践できる3぀の斜策ず蟞めない䌚瀟づくり

2020/03/31

人手䞍足に関しお、2017幎に䞭小䌁業機構がおこなった調査では、半数以䞊が「深刻かなり深刻を含む」ず回答しおいたす。2瀟のうち1瀟は人材䞍足を感じおいるのが珟圚の䞭小䌁業の雇甚情勢であり、人手䞍足ぞの察策は重芁な課題ずなっおいたす。

 

人手䞍足の問題を解決する方法ずしお最も明快なのは、単玔に人手の増員です。しかし、人件費などの芳点で増員にはなかなか螏み出せないのが、䞭小䌁業の悩みどころではないでしょうか。

 

人手䞍足ぞの察応には、単に人を新芏に雇甚する以倖にも、さたざたなアプロヌチがありたす。本蚘事では䞭堅䞭小䌁業における、マンパワヌの充足ずいった芳点から、組織の課題ず解決ぞのアプロヌチ方法を解説したす。

目次

「人手䞍足」な理由を知らないず効果的な察策を打おない

䞭堅䞭小䌁業においお人手䞍足が起こりがちな理由は、「劎働人口の枛少」「倧手䌁業ず䞭小䌁業の有効求人倍率のギャップ」「倧手䌁業ず比范しお盞察的な定着率の悪さ」の3぀が挙げられたす。䞭小䌁業が人手䞍足に陥るのは3぀のいずれか、あるいは耇数の芁因が合わさっお発生するものです。

 

なお、劎働人口の枛少は各䌁業レベルでは察策できないものであるず同時に、今埌も加速するこずが確定しおいたす。今埌を芋据え、劎働人口の枛少に察応するための察策を講じおいく必芁があるでしょう。

 

 

倧手䌁業ず䞭小䌁業では有効求人倍率に倧きな開きがある

たず、倧手䌁業ず䞭小䌁業では、有効求人倍率に倧きな差があり、採甚力に栌差がありたす。有効求人倍率は「求人数を求職者で割った倀」、すなわち「求職者1人あたりの求人数」を瀺すものであり、景況感を瀺す指暙ずしおもよく甚いられたす。有効求人倍率が䞊昇し、採甚垂堎が「売り手垂堎」ずなっおいるずき、䌁業の採甚力が厳しく問われるこずになりたす。

 

リクルヌトワヌクス研究所が2019幎におこなった調査第35回 ワヌクス倧卒求人倍率調査によるず、「埓業員5,000人以䞊の倧䌁業の求人倍率は0.37倍」なのに察しお、「300人未満の䞭小䌁業は9.91倍」ずなっおいたす。䞭小䌁業では、「10瀟で1人の人材を奪い合う」ずいう状況になっおいたす。

参考第35回 ワヌクス倧卒求人倍率調査

 

ニュヌス等で景況感を瀺す指暙ずしお有効求人倍率が瀺される堎合、倧手ず䞭小の栌差は可芖化されたせん。有効求人倍率の党䜓的な倉動に加えお、倧䌁業ず䞭小䌁業の栌差を知っおおくず、䞭小䌁業にずっおどれほど人材確保が難しいかが明らかずなりたす。

 

 

定着率が悪く、人が蟞めおしたう

採甚した人材の定着状況も、人手䞍足ず密接に絡んできたす。圓然ですが、採甚した人材が定着しなければ、いくら苊劎しお採甚できおも氎の泡になっおしたいたす。ずくに人手䞍足で悩んでいるずきほど、採甚基準が甘くなったり、良いこずばかり䌝えおしたったりしお、早期離職になるずいう悪埪環が生じがちです。

 

厚生劎働省が発衚する「新芏孊卒就職者の離職状況平成28幎3月卒業者の状況」によるず、事業所芏暡埓業員数が1000人以䞊では、入瀟3幎以内の離職率は倧卒25.0、高卒26.0ですが、100人以䞋3099人になるず、倧卒39.3、高卒46.0たで高たりたす。統蚈的にみるず、䞭小䌁業ほど人が蟞めやすいのです

参考新芏孊卒就職者の離職状況平成28幎月卒業者の状況を公衚したす

 

 

仕事ず人のミスマッチ

仕事が暙準化されおいない䞭小䌁業では「この仕事はAさんでなければできない」「Bさんはこの仕事しかできない」ずいった、仕事が人に぀いおいる状況仕事の属人化になっおいるこずが少なくありたせん。こうした状況では、繁忙期ず閑散期のギャップを吞収できなくなり、人手が䜙っおいる郚眲ず人手が足りない郚眲での䞍均衡が生たれるなどの問題が発生したす。たた、IT等を䜿った仕事の効率化が進められなくなっおしたうなどの珟象も起こりがちです。

 

 

事業の成長に察しお、人の䟛絊が足りおいない

事業の成長も、人手䞍足の原因ずなりたす。事業成長は奜たしいこずですが、倚くの堎合、人手の䟛絊は事業の成長を远いかけお行われたす。たた、採甚掻動を行っお人材が入瀟するたでには䞀定の期間がかかりたす。そのため、事業成長の最䞭で、人手䞍足に察する䞍満が珟堎で高たっおいくこずは起こりうる珟象です。

 

しかし、事業の成長スピヌドに人手を远い぀かせようず採甚を急ぐなかで、採甚基準を曖昧にしおしたったり、採甚のハヌドルをむやみに䞋げおしたったりするこずは、長期的には組織にずっお倧きなマむナスずなりたす。事業成長ず採甚掻動の足䞊みを揃えおいくこずは、経営陣の仕事です。

人手䞍足を根本解消するための3぀の斜策

 

こうした背景を螏たえ、人手䞍足の解消にむけた斜策の方向性を敎理する堎合、以䞋の3぀の斜策がポむントずなりたす。

 

 

“蟞めない䌚瀟”づくり

「人が蟞める → 残った瀟員ぞの負荷 → 人が蟞める」ずいう悪埪環が起こっおいれば、たずこれを断ち切こずが必芁です。䞭小䌁業特有の「採りにくく、蟞めやすい」状況そのものを打砎しなければ、いくら採甚掻動を行っおも、たるで「穎が開いたバケツに氎を泚いでいる」状態になりかねたせん。

 

埓っお、人手䞍足ぞの察応で第䞀に取り組むべきは「瀟員が蟞める状態を解消する」こずです。そのためにも劎働環境や埅遇、人事制床、埌述の業務効率化にむけた斜策を講じおいくこずが必芁です。

 

「蟞めない䌚瀟づくりをする」ずいうのは「党瀟員、誰䞀人ずしお蟞めさせない」わけではありたせん。事業プロセスの改革にむけた斜策が講じられおいくなかで、瀟員が䞀定数蟞めるこずはやむを埗ない堎合もありたす。たた、䞀定比率の瀟員が蟞めるこずは組織の新陳代謝ずしお健党だずいう考え方もありたす。

 

 

採甚力を䞊げる

人が蟞めずに定着させられる䜓制を敎え぀぀、採甚を匷化するための斜策を講じおいきたしょう。なお、「採甚の匷化」ずは、「必芁人数を採甚する」ず同時に、「定着する人を芋極める」こずが必芁です。そのためには、採甚したい人材のタヌゲット像を明確にしお採甚ペル゜ナを蚭定したしょう。

面接では、経歎や胜力面だけでなく、䟡倀芳や特性が自瀟の組織颚土や働き方に合うかもチェックしたしょう。

 

なお、採甚戊略は、以䞋の蚘事で詳现な解説をおこなっおいたす。

 

 

 

仕事ず人のマッチング

人手䞍足の問題は、仕事のあり方、仕事ぞの取り組み方を倉えるこずによっおも解決するこずができたす。䟋えば、「仕事の属人化を避ける」こずはその筆頭です。仕事の属人化を止めないず、倚胜工化繁忙期の分担やIT化などの斜策もうたくいかず、業務党䜓の効率化にストップがかかっおしたいたす。

人手䞍足を解決するために実践できる5぀の業務効率化チェックリスト

 

人手䞍足の解消にむけお、業務効率化で手を打぀べきポむントはどのようにしお芋぀けおいけば良いでしょうか。具䜓的な改善ポむントを、以䞋のチェックリストに沿っお探しおいきたしょう。

 

 

1無駄な䌚議、長い䌚議、䞍芁な参加者はいないか

䌚議の時間が倧幅な時間のロスに぀ながっおいる堎合がありたす。

䟋えば、単なる確認䌚議にも関わらず時間が長くなっおしたっおいたり、䞍芁な参加者が招埅されるこずでコミュニケヌションコストが膚れ䞊がっおいたり、䞻催者の準備䞍足で䌚議の効率が悪かったりするケヌスがあるでしょう。「人手䞍足」だずいう職堎においお、「人の数」よりも「時間の䜿い方」に課題を抱えおいる堎合は少なくありたせん。

 

 

2特定の人、郚眲ぞの負担が集䞭しおいないか

人ず仕事のマッチングが適切でないこずが、人手䞍足感に繋がっおいるこずもありたす。

人手䞍足による負担が特定の人郚眲に集䞭しおしたっおいるケヌスです。繰り返しになりたすが、人ず仕事のマッチング状況を改善するためには、「〇〇さんしかできない業務」ずいう属人化しおいる業務を枛らし、仕事のマニュアル化や「誰でもできる化」を進めるこずが重芁です。忙しい仕事を分担できるようになるほか、その埌のIT化にも効果が期埅できたす。

堎合によっおは暩限委譲などが状況改善に繋がる堎合もあるでしょう。

 

 

3倖泚/アりト゜ヌシングできないか

数幎前ず比べお、倖泚/アりト゜ヌスできる業務の幅は広がり、掟遣瀟員や請負、フリヌランス、オンラむンでのアりト゜ヌシングなど利甚方法も増えおいたす。

 

䟋えば「電話察応のアりト゜ヌシング」を匕き受けおくれる䌁業もありたすし、「むンタヌネット䞊でデザむンやチラシ䜜成、プレれンテヌションの䜜成」をしおくれる䌁業もありたす。「商品の受泚凊理や発想」も倖泚できるなど、さたざたな䟝頌に察応しおくれるサヌビスがありたす。たた、経理や広報、マヌケティングなどの特定業務を週1日2日皌働しお匕き受けおくれる業務委蚗の人も増えおきたした。

 

自瀟にノりハりがない業務や䞀時的な業務、付加䟡倀を生み出さない業務は、自瀟でリ゜ヌスを揃えるより、倖郚の力を借りるこずも有効な遞択肢です。

 

 

4IT化できるものはないか

ITは䞇胜ツヌルではありたせんが、効率化を進めるうえで倧きな歊噚であるこずは間違いありたせん。

RPAを䜿った自動化やクラりドサヌビスなど、10幎前ず比べるず圧倒的な安䟡で倧手䌁業ず同じレベルのITツヌルを䜿うこずが可胜ずなっおきおいたす。

 

「IT化は初期投資を出来る倧手䌁業のやり方」いう感芚に瞛られるのではなく、自瀟に適したツヌルやシステムがないか情報収集を続けるこずが倧事です。なお、ITツヌルを導入する時には、自瀟の業務フロヌをそのたたIT化するのではなく、ITツヌルの暙準的なやり方に合わせお業務を組み替える意思決定をするこずが、効率化には非垞に有効です。

 

 

5「5S」が出来おいるか

敎理・敎頓・枅掃・枅朔・躟の5぀のSを䞊べた「5S」は補造業をはじめ、倚くの䞭小䌁業で取り入れられおいたす。

職堎環境の敎備が、人手䞍足の解消ずどう関係するだろうず疑問に思われるかもしれたせん。しかし、䞍芁なものの廃棄、必芁なものにすぐアクセスできる環境の敎備、仕事導線の効率化は、それだけでも業務効率を高めたす。

 

たた、物理的な5Sが進み、5Sの考え方が浞透しおくるず、デヌタや業務プロセスにも5Sを適甚しおいくこずが可胜になりたす。必芁なデヌタが敎備されお、どこからでも盎ぐアクセスできる状態が敎備される、たた、改善の4原則ECRSにも則っお業務プロセスの芋盎しが行われるこずは、業務効率化に倧きな効果が芋蟌めたす。

 

たずめ

人手䞍足を解決するには、人材を採甚しお蟞めさせない察策ず、事業運営を効率化する方法がありたす。人手䞍足に陥る原因を掗い出しお適切に察応しなければ、採甚掻動を行っお人手を増やしおも期埅する効果が埗られないこずもあり埗たす。

 

人が蟞めない環境敎備、採甚力の向䞊を進めるず共に、仕事の属人化を排陀する、無駄な䌚議や仕事を止める、IT化を進める、倖泚する、5Sを進めるなど、業務効率化の斜策を䞊行しお、劎働生産性を高めおいきたしょう。

著者情報

叀庄 拓

株匏䌚瀟ゞェむック 取締圹 HRドクタヌ 線集長

叀庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採甚支揎からキャリアを開始。その埌、マヌケティング、自瀟採甚、経営䌁画、瀟員研修の商品䌁画、採甚埌のオンボヌディング支揎、倧孊キャリアセンタヌずの連携、リヌダヌ研修事業、新卒採甚事業など、耇数のサヌビスや事業の立䞊げを担圓し、珟圚に至る。 7぀の習慣R認定担圓むンストラクタヌ、原田メ゜ッド認定パヌトナヌ、EQPI認定アナリスト等

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