ロジカルシンキングとは?基礎となる考え方とフレームワーク、鍛え方を解説

2020/12/25

ロジカルシンキングとは?基礎となる考え方とフレームワーク、鍛え方を解説

ロジカルシンキングは、課題や現状を整理して、解決方法や目標達成への道筋を見出すことに役立つ思考法です。

ロジカルシンキングは、計画作成や問題解決、また、分かりやすい情報伝達などにおいて不可欠なスキルであり、多くの会社において、管理職層の必須スキルとなっています。記事では、ロジカルシンキングの定義や仕事で使えるフレームワーク、鍛え方を解説します。

<目次>

ロジカルシンキングとは?意味と定義

ロジカルシンキング(論理的思考)とは、与えられた情報をフレームワーク等に落とし込んで整理して、因果関係や要素分解などの筋道を立てながら解決策や結論を導き出す思考法です。

 

目標達成や問題解決を行なうビジネス場面との相性は非常によく、マネージャー層における必修スキルといっても過言ではありません。

 

ロジカルシンキングを成立させるうえでは、6つの構成要素が重要だといわれています。

 

  • 主張と根拠に筋道が通っている
  • 合理的である
  • バイアスに囚われていない
  • 物事を適切に分解している
  • 数字や言葉を適切に扱っている
  • 因果関係を正しく把握できる

ロジカルシンキングを鍛えるメリット

ノートパソコンを見ながら談笑している3人の女性

ロジカルシンキングを鍛えることで、ビジネス場面においては以下のメリットが期待できます。

 

 

分析能力の向上

計画作成や問題解決においては、現状や課題、ギャップの分析が不可欠です。分析といっても難しい話ではなく、構成要素やステップへの分解などです。

 

例えば、営業計画を立てる際には、いきなり「売上目標○○○万円を達成するためには?」と考えても、計画の精度は上がりません。例えば、「売上=商談件数×契約率×顧客単価」と分解して、実績はどうなっているのか、それを踏まえてどの要素を伸ばそうかと考えることで、計画の精度を上げることが出来ます。

 

計画を立てるだけでなく、「売上状況が計画より○○○万円足りない」というときにも同様です。売上を分解してどこが計画とズレているのか、現状を踏まえて残り期間でどうやってギャップを埋めるのか、と考えることで精度の高い思考をすることが出来ます。

 

課題への対応策を考えたり、計画を作ったりするうえで、ロジカルシンキングによってプロセスを分解し、分析する作業は非常に大切です。このときに単純な数値データだけでなく、因果関係や相関関係、問題の全体像を整理できると、より深い分析や考察が可能になるでしょう。

 

 

問題解決能力の向上

ビジネスで成果を出すためには、課題を整理・分析して解決策を考え、実行に移していく問題解決力が非常に重要です。まず整理・分析するうえでロジカルシンキングのスキルが有効なことは紹介した通りです。

 

短時間で整理・分析するためには、ロジカルシンキングの考え方に基づいて使える多様なフレームワークがとても効果的です。しっかりと整理・分析することで、考えられる解決策のレベルも必然的に高まるでしょう。

 

また、解決策を実行していくうえでも、ロジカルシンキングが有効です。例えば、解決策を実行するにあたって実施するステップ、必要なリソース、生じるリスクなどをロジカルシンキングの考え方で洗い出していくことで、抜け漏れなくかつスピーディーに実施できるでしょう。

 

 

円滑なコミュニケーション

ロジカルシンキングは、円滑なコミュニケーションにも役立ちます。

 

情緒的・感情的なやり取りを除いた「情報のやり取り」という意味でのコミュニケーションは、「相手の意見を的確に理解する」と「自分の考えを的確に相手に伝える」という2つで成り立ちます。

 

相手の意見に含まれる情報を結論と根拠という関係で的確に整理したり、因果関係や要因を分析したりすることはロジカルシンキングの得意分野です。同様に、自分の結論や根拠を筋道だって伝えることもロジカルシンキングで実現できます。

 

相手の感情を汲み取って共感するような傾聴力、力強いビジョンで相手の感情を動かすようなリーダーシップと並んで、スムーズな情報のやり取りを実現するロジカルシンキングは、コミュニケーション力を支える要素です。

 

ロジカルシンキングが向かない状況や用いるうえでの注意点

ロジカルシンキングは、多くのビジネスシーンに成果をもたらす思考法です。ただし、万能ではなく、ロジカルシンキングが向かない状況や用いるうえでの注意点もあります。ロジカルシンキングの得手不得手を把握して、ぜひうまく活用してください。

 

まず、ロジカルシンキングが得意とするのは、これまでのデータや事例を基に筋道だった順序立てた解決策を導くことです。与えられた情報を系統だって整理して解決策を導き出すため、以下のような状況は苦手とします。

 

・与えられた前提や制約条件自体を疑い、本質的な課題を見出す(クリティカルシンキングの得意分野)

 

・思考の制約や前例に囚われず、自由に思考を拡げる(ラテラルシンキングやブレインストーミングの得意分野)

 

また、ロジカルシンキングの結論や解答は、与えられた情報を基にロジックを積み上げて導き出すものです。従って、下記のような場合にはロジカルシンキング単体では十分な効果を発揮することが難しいでしょう。

 

・正しい結論を導き出すことよりも、関係者の意欲や主体性を引き出すことが重要な場合

 

・関係者の感情的な側面を汲み取っていなかったり、感情的に受け入れづらい結論になっていたりする場合

 

・結論を実行するにあたり、人を鼓舞したり、モチベーションを高めたりする必要がある場合

 

ロジカルシンキングの得手不得手を理解して、上述したようなクリティカルシンキングやラテラルシンキング、また、ブレインストーミングやファシリテーション、コーチング、感情移入の傾聴やストーリーテリングなどのコミュニケーション技法とうまく組み合わせて活用しましょう。

 

ロジカルシンキングの基礎となる考え方とフレームワーク

ロジカルシンキングを実践的に使ううえで、基礎となる考え方は、ピラミッド構造です。

 

ピラミッド構造は名前の通り、「ピラミッド」のように頂点に分解するテーマを配置し、下に向かって要素分解していくものになります。ピラミッド構造のシンプルな分解例には、営業分析などで用いられる「利益=売上-費用」「売上=商談数×受注率」「売上=顧客数×購買頻度×購買単価」といったものがあります。

 

ピラミッド構造は、別名ピラミッドストラクチャーやロジックツリーなどと呼ばれ、大きく分けて以下4種類の分解手法があります。

 

・KPIツリー

KPIツリーは、テーマを数値分解していく考え方です。

 

例えば、営業の仕事で売上金額をアップさせるには、商談数と受注率、商談単価を上げる必要があります。テーマを分解していくことで、例えば、商談数であれば、テレアポ回数を増やしたり、アポイント率を高めたり、また、既存顧客にアプローチする等、より具体的な解決策を導き出すことが出来ます。

 

・Whatツリー

Whatツリーは、数値以外の要素でテーマを分解するフレームワークです。

 

例えば、顧客満足度をアップさせたい場合、顧客対応の満足度やサービス品質といった数値以外のツリーで考えていくことで課題解決できることもあります。Whatツリーの特徴は、課題の構造や概念の整理に役立つことです。

 

ビジネスの場面では、初めはKPIツリーで分解していき、ある程度KPIに分解できたらWhatツリーの考え方で分解していくといったこともよくあります。

 

・Whyツリー

Whyツリーは、得られた結果に対して「なぜ?」を追求することで原因分析をするフレームワークです。

 

トヨタ式の業務改善手法として「なぜなぜ分析」という、「なぜを5回繰り返すことで、問題が起きた原因の根っこにたどり着いて、根本的な解決をする」というやり方があります。Whyツリーを作る際にも、表面的な「なぜ」の分類で終わらせずに、一段二段と掘り下げていくことで、より本質的な解決に近づくことが出来ます。

 

・Howツリー

Howツリーは、どうすれば課題解決や目的達成できるかを考えるフレームワークです。

 

例えば、「新人の即戦力化をする」というテーマに対して、入社前研修でマインドセットを行なったり、育成ステップを標準化したりするなどの方法(How)がツリーに並びます。アイデアを生み出したり、また、施策を実行するにあたって抜け漏れを無くしたりする効果があるでしょう。

 

ビジネスシーンにおけるロジカルシンキングでは、これらのピラミッド構造を理解し、ツリーをいかに使いこなすかで、分析や状況の整理、課題解決の道筋を立てるスピードや精度が変わってきます。

 

 

ビジネスに使える実践的なフレームワーク

ビジネスにおけるフレームワークも、ロジカルシンキングやピラミッド構造に基づくものが多数あります。いくつかのフレームワークを使いこなすことが出来ると、思考スピードUPやアイデア創出に役立ちます。

 

・SWOT分析

自社のビジネスを取り巻く環境を、自社の強みと弱み、自社に追い風となる変化と向かい風となる変化に分類することで、置かれている環境を俯瞰的に把握して、戦略設定に役立てるためのフレームワークです。

 

・3C分析

SWOTと同様に、事業の俯瞰に用いるフレームワークです。事業を3つのC(市場:Customer、自社:Company、競合:Competitor)で捉えることで、自社の強みや弱み、ポジショニングを思考できるフレームワークです。

 

・マンダラート

中央に組織の目標、外に向かって8つの大テーマを書き出し、さらに外側に実行施策となる8つの小テーマを並べることで、曼荼羅(マンダラ)模様のような64個の施策案を生み出すフレームワークです。

 

・オズボーンのチェックリスト

アイデアを考え出す9つの方法を網羅したチェックリストです。これらの項目を用いることで、アイデア創出が容易になります。

 

  • 他の使い道を見出すとしたら?
  • 応用するとしたら?
  • 修正するとしたら?
  • 拡大したら?
  • 縮小したら?
  • 代用したら?
  • アレンジし直したら?
  • 逆にしたら?
  • 組み合わせら?

 

他にも、4P/4C分析やECRSなど、ロジカルシンキングが基になる思考のフレームワークは多数あります。場面や状況に応じたフレームワークを使いこなすことで、思考スピードや精度を高めましょう。

 

ロジカルシンキングの鍛え方とトレーニング方法

机に片手を突いて窓の外を見つめている女性

ビジネスシーンでロジカルシンキングを活用するには、日頃からトレーニングを行なうことが大切です。ここでは、1人でもすぐに実践できる5つの方法を紹介します。

 

 

結論先行で物事を伝える

新人研修で習うことかもしれませんが、「結論先行」で物事を伝えることは、ロジカルシンキングのトレーニングに役立ちます。結論先行で伝えるには、何が結論であり、また、結論に至った根拠が何かを頭の中で整理する必要があります。

 

 

図を描く

図に書いて整理することもロジカルシンキングを鍛えるうえで有効なトレーニングです。ロジカルシンキングに欠かせない因果関係やピラミッド構造などは、頭の中で考えるよりも図を描くことで思考しやすくなります。

 

 

因果関係を考える

ロジカルシンキングを鍛えるうえでは、因果関係、すなわち原因と結果を考えるトレーニングが有効です。「なぜ、こうなったのか?」「その結果、どうなるのか?」という原因と結果の繋がりを日常生活の中で意識しましょう。

 

 

セルフディベートを実践する

セルフディベートとは、1つのテーマに対して、自分1人で賛成側と反対側の2つの立場で意見を整理して掘り下げるトレーニングです。ディベートというと、大げさに聞こえるかもしれませんが、賛成と反対、両方の立場でメリットとデメリットを洗い出すことから始めましょう。

 

自分の意見と反対の立場を想像するトレーニングは、主観を切り離して、客観的・論理的に物事を捉える訓練になります。

 

 

MECEを意識して物事を分類する

MECEとは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略称で、“ミーシー”や“ミッシー”と読みます。日本語にすれば、「漏れなくダブりなく」という状態です。

 

先ほどフレームワークの事例で、SWOT分析を紹介しましが、あれも「外部と内部」「追い風と向かい風」という2つの軸で分類することで、自社のビジネスを取り巻く要素をMECEに捉えようとする分類です。

 

また、「売上」の構成要素を「売上件数」と「売上単価」に分解するようなKPIツリーも一種のMECEだといえるでしょう。

 

MECEを意識して分類するには、分類の“軸”を意識することがポイントです。MECEに物事や要素を分類するトレーニングは難易度は高いですが、ピラミッド構想やツリー構造を使いこなせるようになるうえで非常に有効です。

まとめ

ロジカルシンキングは、与えられた情報を基にして、物事を整理したり、筋道だって解決策を導き出したりする思考法です。ロジカルシンキングを身に付けることで、分析能力の向上や問題解決力のUP、また円滑なコミュニケーションが実現しますので、管理職層にとっては必須のスキルといえます。

 

また、ピラミッド構造やロジックツリー、フレームワークなどを使いこなすことで、状況の整理やアイデア創出も効果的に行なうことが出来るでしょう。

 

ロジカルシンキングは後天的に鍛えることが出来るスキルです。結論先行で伝える、図を描く、因果関係を考える、セルフディベートを行なう、MECEを意識して物事を分類する等、日常生活の中でトレーニングすることで確実に鍛えることが出来ます。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役|HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

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