ロジカルコミュニケーションとは?必要性と実践の基礎と研修による育成方法

商談中の男性

人間関係の構築や相手とのやり取りにおいてはコミュニケーションが不可欠です。とりわけビジネスシーンにおいては「伝わるコミュニケーション」、すなわち「ロジカルコミュニケーション」が重要です。

ロジカルコミュニケーションが欠落すると、周囲とのミスコミュニケーションによるトラブルや生産性の低下、信頼関係の悪化などに悪影響をおよぼす可能性があります。全メンバーが習得すべきロジカルコミュニケーションは、得意不得意はあっても後天的に習得できるスキルです。

記事ではロジカルコミュニケーションの必要性やメリットを確認したうえで、実践のコツと育成方法を解説します。

<目次>

ロジカルコミュニケーションとは

ロジカルコミュニケーションとは、端的に表すと「わかりやすい話し方」のことで、ロジカルコミュニケーション検定講座を主催している安田正氏によって発案されたコミュニケーション手法です。

 

安田氏が英語研修の講師をしていた当時、「英語は話せるのに通じない」という受講生がとても多く、原因を探ってみると英語力ではなく、そもそも伝えたい日本語の情報が整理されていないことでした。

 

いくら英語が話せても、そもそも伝えたい情報が整理されていなければ相手には通じません。主語・述語等を明確にする英語と、主語や述語等を曖昧にしがちな日本語の違いから生じる問題です。

 

日本語の使い方は、「以心伝心」や「阿吽の呼吸」を貴ぶ日本人のコミュニケーション傾向からも来ていると考えられます。

 

したがって、コミュニケーションを“曖昧”にする傾向がある日本人が、分かりやすい話し方を実践するためには、ロジカルシンキング、またロジカルシンキングを基にしたロジカルコミュニケーションの技術を習得することが大切です。

 

ロジカルコミュニケーションの必要性

上司のアドバイスを受ける女性

ビジネスシーンにおいて、状況や提案、自分の意見を相手へ正確に伝えるスキルは不可欠であり、ロジカルコミュニケーションの習得は必須です。

 

例えば、営業では、自社製品やサービスの良さを、顧客に合わせて分かりやすく話す力が重要です。

 

また、社内でチームを組んで業務を行なう際、相手に伝わる話し方ができなければ、相手をイライラさせたり、ミスやトラブルを起こしたりする原因にもなります。自分の考えを相手へ正しく伝えられなければ信頼を得られないことも多いでしょう。

 

「ロジカルシンキングができれば問題ない」と思うかもしれませんが、ロジカルシンキングはあくまで思考法です。ロジカルシンキングができてもアウトプットできなければ意味がなく、顧客や取引先はもちろん、社内の人間関係にも支障が出てきてしまいます。

 

そのため、「ロジカルシンキング+コミュニケーションへの応用」であるロジカルコミュニケーションの力を身に付けることが大切なのです。

ロジカルコミュニケーションで得られるメリット

ビジネスシーンでは、ロジカルコミュニケーションを実践することで、いくつものメリットを得ることができます。

 

 

伝えたいことを簡単にまとめられる

ロジカルコミュニケーションの力は、相手に伝えたいことを簡単にまとめる力です。伝えたいことが的確かつスピーディーに伝えることができます。

 

ロジカルコミュニケーションができないと相手に話がうまく伝わらなかったり、何度も説明したり、長々と話を続けたりと、時間をロスしたり相手を苛立たせたりする原因になります。

 

 

情報伝達を正確に行なうことができるようになる

頭の中では物事を整理できていても、相手に情報を正確に伝えられなければ意味がありません。特にビジネスシーンにおけるコミュニケーションは、「正しく伝える」ことよりも、「正しく伝わる」ことが重要です。

 

ロジカルコミュニケーションを実践できれば、状況や情報、自分の意見を正しく伝えることができます。

 

 

コミュニケーションに自信が持てる

ロジカルコミュニケーション力を身に付ければ、ビジネスミーティングや商談で誰とでもスムーズに会話できます。積極的にコミュニケーションが取れるようになり、良好な人間関係を構築しやすくなるでしょう。

 

誰に対しても自分の考えを正確に伝えられることは、コミュニケーション力への自信にもなるでしょう。

 

 

信頼を得られる

状況や自分の考えをしっかりと相手に伝えることができれば、相手の信頼も得やすくなります。特に取引先やクライアントなどとのコミュニケーションは、論理的に分かりやすく話すことで相手に安心感を与えられます。

 

 

交渉力が上がる

ロジカルコミュニケーションは伝えたいことをまとめ、正確に情報伝達する力です。話のポイントを順序立てて整理できるため、プレゼンや会議などを円滑に進めることも可能ですし、論理的なコミュニケーションは商談や交渉をスムーズに運びます。

ロジカルコミュニケーションを実践する基礎とコツ

商談を進める男性

ロジカルコミュニケーション力を高めるためには、基礎となる3つの考え方やスキルを身に付けることが効果的です。

 

 

ロジカルシンキング

ロジカルコミュニケーション実践の基礎となるのは、ロジカルシンキングです。ロジカルシンキングの中でも、下記のような思考法を身に付けることが役立ちます。

 

▼演繹法

物事の前提をもとに結論を出す思考法です。

例)

  • 前提1・・・野菜を食べる
  • 前提2・・・いろいろなビタミンを摂取できる
  • 結論・・・野菜を食べると健康になる

 

▼帰納法

いくつかの事実をもとに結論を出す思考法です。

 

例)

  • 事実1・・・・野菜を食べたら血圧が下がった
  • 事実2・・・・野菜を食べたらコレステロール値が正常になった
  • 事実3・・・・野菜を食べたら便秘が解消された
  • 結論・・・・野菜を食べると健康になる

 

▼ピラミッド構造

ピラミッド構造はテーマを分解したり、結論と理由を整理したりする際に役立つ思考法です。“ピラミッド”という名の通り、分解するテーマや結論を頂点に置き、要素や理由を下に向けて分解していきます。

 

大きく分けると、KPI/What/Why/Howという4種類のツリー構造があり、コミュニケーションの際にもピラミッド構造を意識すると、分かりやすいプレゼンテーションが可能です。

 

▼MECE(ミッシー)

MECEは、Mutually(お互いに)、 Exclusive(重複せず)、 Collectively(全体に)、 Exhaustive(漏れがない)の頭文字で、物事を分類していくときに役立つ思考法です。ピラミッド構造を考える際にもとても有効です。

MECEの説明図

ロジカルシンキングを鍛える方法は、下記の記事もぜひご覧ください。

 

 

「So what」と「Why so」を意識する

ロジカルコミュニケーションができない人の会話は「だから何なの(So what)?」「なぜそうなの(Why so)」となることが多く、So whatとWhy soを意識することがロジカルコミュニケーションに効果的です。

 

  • So what …だから何なの?(結論)
  • Why so …なぜそうなの?(理由)

 

とくに自分の考えや意見を伝えるコミュニケーションの際には、結論と理由、2つをしっかりと盛り込みましょう。また盛り込む際には、“結論ファースト”を意識してください。まず結論を伝えることが、分かりやすさのポイントです。

 

 

「PREP法」で伝える

PREP法は、意見や考えを分かりやすく伝えるためのコミュニケーション方法です。前述の「結論と理由」をさらに具体的なやり方に落とし込んだものと考えるとイメージしやすいでしょう。PREP法では、以下の順番で文章や会話を構成します。

 

<PREP法の構成>

結論(Point)           ex)私の意見は…

理由(Reason)          ex)これは3つの理由があります…

具体例(Example)       ex)例えば…

結論(Point)           ex)これらを踏まえて、結論としては…

 

頭文字を順番に並べた略称で「PREP」と呼ばれます。最も伝えたい結論を最初に提示し、理由や具体例を示してから、最後にもう一度結論を伝えるという順番です。PREP法を使うと、わかりやすい文章作成やプレゼンテーションが可能です。

研修によるロジカルコミュニケーションの習得

ロジカルコミュニケーションを身に付けるためには、ロジカルシンキングを基礎として、論理的に伝えるコミュニケーションスキルも必要になります。特にロジカルシンキングに関しては抽象的な概念やフレームワークを扱うため、習得には体系的な研修を活用するのがおススメです。

 

ジェイックでは、新入社員から幹部層まで幅広い世代に対応したカスタマイズ研修を用意しています。長年培ってきた人材教育のノウハウを活かした、効果の高い研修を実施しています。貴社の現状を把握し、オーダーメイドで研修カリキュラムを作成することも可能ですので、お気軽にご相談ください。

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まとめ

ロジカルコミュニケーションとは、端的にいえば「わかりやすい話し方」です。物事を論理的に考え、それを相手にわかりやすく伝えることで、正しい情報伝達ができます。ロジカルコミュニケーションで正確な情報伝達や説得力ある意見表明をできれば、相手から信頼されやすくなる効果もあります。

 

ロジカルコミュニケーションを実践するには、ロジカルシンキングを基礎として、分かりやすく伝えるためのコミュニケーション力が必要です。

 

記事内で紹介した演繹法や帰納法、MECE、ピラミッド構造といったロジカルシンキング、また、コミュニケーションにおいては「So What」と「Why So」のような結論と理由のセット、「PREP法」のような伝え方のスキルを身に付けて、ロジカルコミュニケーション力を高めてください。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役|HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

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