若手社員の成長を促進するマネジメント3つのコツ

2020/08/25

若手社員の成長を促進するマネジメント3つのコツ

若手社員に早く成長してもらい、1人前になって成果を挙げてもらうためにはどうすればいいのでしょうか。新人の育成をしたことがある方であれば、『もう入社2年目、3年目なんだから、これぐらいはできて欲しい…』、そんな悩みを持ったことはあるかと思います。日本では、多くの企業で「新入社員研修はしっかりやるけど、現場への配属後や2年目・3年目の成長は現場の指導に任せっぱなし」という会社も少なくありません。記事では、若手社員が置かれている状況や、若手社員の成長を促進するマネジメントのコツを解説します。

<目次>

若手の置かれた現状とは?

若手社員の成長促進を考えるうえで、まずは入社2~3年目の若手社員がおかれた現状を確認してみましょう。すると、意外と「成長しやすい環境になっていない」ことに気づきます。

 

 

現場への配属後に差が付く「伸びる若手」と「停滞する若手」

入社後、会社にも慣れ、ある程度仕事もこなせるようになってきた若手社員。これからますます仕事のレベルを上げ、現場の第一線で活躍して会社を背負って立つ社員へと成長してもらいたい、そんな大きな期待を寄せられる存在です。

 

入社してしばらく新入社員当時は、同期の間での経験の差もほとんどないため、各々の成長の度合いにさほど違いは見られませんが、ある時期を境に、どんどん成長していく若手社員と、停滞し伸び悩む若手社員とにハッキリと分かれてきます。記事では違いがどこから来るのか、どうすれば成長させられるのかを考えていきます。

 

 

じつは若手の成長環境は逆風が吹いている?

まず、現在の若手社員を取り巻く環境について見ていきます。客観的に見てみると、じつは若手社員が置かれた環境は、「成長」を考えるうえで、じつは厳しい状況とも言えることが分かります。

 

・採用難、人手不足

コロナ禍により少し状況は変わってきましたが、少し前までは、採用がなかなか難しい時代です。コロナ禍による景気の冷え込みはありますが、今後も少子化は急激な勢いで加速するわけですから、中長期的にみて、採用市場の状況が逆転することはあまり考えられません。

 

後輩が入って来なければ、若手社員はいつまで経っても「新人」ということになります。それでは業務量は増える一方ですし、雑用をやることも多いでしょう。また、将来に繋がる指導経験を積むこともできません。とくに指導経験は将来に繋がるだけでなく、「教えることで学ぶ」という効果も見過ごすことはできません。

 

・成長へのサポート不足

じつは若手社員自身の悩みとしてもよく挙げられるのが、「『もう○年目なのに…』と社内から言われ、自分自身の知識不足・経験不足を痛感する」ということです。多くの企業が、新入社員教育には力を入れるけれども若手社員にはそれほど丁寧な指導ができていない、という傾向にあります。また働き方改革などの中で、本来サポートすべき上司自身も忙しく、業務時間内ではサポートできなくなっている傾向もあります。

 

・人事評価制度の「成果主義」化

日本でも年功序列の給与制度から、業績とプロセスをもって評価する成果主義型の評価制度を導入する企業がすっかり当たり前になってきました。一方で、ネットの進化等にも伴って、顧客自身もサービスに対する知識を身に付けることは容易になっている状況もあり、成果を挙げるために求められる知識レベルは高まっており、入社2、3年目で自然と身に付く知識では成果を挙げづらくなっています。

 

・管理職ポストをめぐる競争

このまま頑張って将来的には管理職へ昇進昇格、ということになるはずですが、企業が成長を続けていなければ管理職のポストは数が限られます。同期で仲良く昇進というわけにはいきません。入社2年目、3年目に入り、同期の中でも差が見えてくると、成果を挙げられていない若手は焦りや劣等感におそわれ始めます。

 

若手の成長が鈍化する理由

上記のような若手を取り巻く環境にたくましく順応できると良いのですが、順応できず停滞し伸び悩む若手社員がいます。理由としては以下の3つが挙げられます。

 

 

求められる仕事の量と質が変わる

周りからの見られ方が、「新人」から「若手」へと変わると、一気に1人前の社員として活躍することを求められるようになり、仕事の量は増え、難易度は上がります。成果主義で結果が求められる中では、より大きな成果を期待されます。

 

一方で、勤怠管理が厳しくなっている中で「経験や知識が足りない分を量でカバーする」という働き方も許されなくなっています。望ましい結果を挙げられなければ上司から指摘されることも多くなるかもしれません。うまくいかないことが続くと、目標達成イメージが湧きにくくなり、モチベーションが下がり、さらに成果を挙げづらくなるという悪循環に陥ります。

 

 

社内外の事情が見えてくる

入社してから時間が経ってくると、新入社員のときは分からなかった、知らなかったことがだんだん見えてくるようになります。もちろん知識やノウハウなど、自分にとってプラスに働くものも多いですが、中には、自社の問題点や商品・サービスの弱点に気づく、あるいは先輩・上司の欠点が見えてしまう、といったことで、自社の先行きに閉塞感を感じたり、会社に対する帰属意識が低下したりすることがあります。

 

 

仕事がマンネリ化する

入社して2,3年が経過してくると、悪い意味で仕事に慣れが出てきます。入社2,3年目というのは、担当業務に対する深い専門性は身に付いていない一方で、仕事の進め方自体には慣れてくることで、仕事の意味や価値を見出せないまま、惰性で仕事をこなすマンネリ状態に陥りがちなタイミングです。

 

 

いまの若手社員は「内向きで視野が狭く、ほどほどを好む」、といった特徴があります。真面目であることは間違いありませんが、自分の目の前の仕事に追われがちで、全社視点でものを見たり、中長期的な視点で考えたりといったことに自分自身で取り組むことは苦手な傾向があります。

 

また、豊かな環境で育ってきていますので、「豊かさを手に入れるなるために結果を出そう」という、“欲”が原動力になりづらく、「周りから落ちこぼれない程度」に頑張ればいいという価値観になりがちです。これらの特徴は周囲からは歓迎されるものではなく、伸び悩んでいる若手社員にとってはよりマイナスに働いてしまう危険性もあります。

若手社員の成長を促すマネジメント3つのポイント

若手社員の伸び悩みを防ぎ、成長を促進するにはどのようなマネジメントが有効なのでしょうか。以下のような3つのプロセスで若手社員に接し、関わっていくことが成長の後押しをするためのカギとなります。

 

 

1.「まず受け止める」

HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、多くの会社で管理職研修を実施していますが、参加している管理職から「うちの部署のメンバーは自分の意見を言ってこないので困ります」という言葉をよく聞きます。多くの場合、メンバーは意見を言わないのではありません。言いたくないのです。

 

若手が意見を言ったときに、上司が「すぐ否定する」「話を遮る」「持論を押し付ける」といったことが数回繰り返されると、若手は「言っても意味がない」と考えて何も言わなくなります。上司という立場上、自分の意見を強く主張しなければならないと考えている人がいますがそれは大きな間違いです。

 

前章で紹介の通り、会社によっては、いまの組織環境は若手社員にとっては不安や心配の多い環境かもしれません。その不安や心配も含め、いま何を考え、何をしたいと思っているのか、若手社員の想いをまず受け止め、理解に徹することが重要です。

 

実際に耳を傾けてみると、伸び悩む若手社員ほど、失敗や周囲から否定されることを極端に恐れたり、周囲に迷惑をかけないようにするあまり仕事を抱え込んでいたり、自分はダメな社員だと決めつけたりする等、自分基準でネガティブな思い込みをしています。その勝手な思い込みを解きほぐすことから、若手の成長が始まることも多いのです。

 

 

2.「仕事は任せ切る」

若手の成長を促進するには「成長実感」が重要です。任せた仕事はあまり余計な口出しをせず、任せ切りましょう。任せることで若手社員は信頼されているという感覚を持つことができますし、結果的に若手社員の主体性や責任感を引き出すことにも繋がります。

 

「仕事が進まない」「ミスが発生する」、といったことがあると、厳しく指摘をしたり、答えをすべて教えたり、あるいは仕事を取り上げてしまったりする上司がいますが、それでは若手社員は何も身に付けることができません。経験の浅い若手はできなくて当たり前、ミスして当たり前です。

 

信じて見守ることができるかどうかがポイントです。少しつまずいたときこそ、若手社員にとっては学びや気づきの機会です。もちろん、若手に成功体験を持たせることは重要です。た、成功させるためにすぐ助け舟を出したり、すべてを教えたりするのではなく、「どうすればできそうか」「どこから手をつけると良いのか」等の質問を通じて、自ら考えて導き出せるような質問をすると効果的です。

 

 

3.「期待を明確に伝える」

若手社員が伸び悩むことなく成長するのはもちろん本人のためでもありますが、「会社も若手の成長を大いに期待している、サポートする」ということを明確に認識させる必要があります。“新入社員”という時期を過ぎ、“管理者”になるまでの“若手”ないしは“中堅”と呼ばれる期間において、求められる役割があるのです。

 

具体的には、担当業務を確実に遂行するのはもちろんのこと、専門知識・技術の習得や業務の改善提案、後輩に手本を示して指導をおこなう、等が挙げられます。

 

「自分の役割を認識する」という段階を踏まないまま、自己流での仕事の進め方、やり方になってしまうと、周囲との関係性に支障をきたしたり、仕事自体にも閉塞感を感じるようになったりと、本人にも何も良いことはありません。また、自分の役割を認識するからこそ、業務量が増えたり、大きな成果を求められたりすることに納得して、自分の属する組織や会社全体のことに当事者意識を持つことができるようになります。

 

役割を認識するためには、「期待を明確に伝える」ことが有効です。“新入社員”の時期は脱したとはいえ、まだまだ経験の浅い若手社員は、会社が自分に何を求めているのか、意外と認識していないものです。本人が認識していない状態のうちは行動も鈍いままです。一つひとつの役割について、なぜこれを求めるのか、それが若手社員自身にあるいは会社にどんな意味があるのかを丁寧に説明しましょう。役割をどのように果たしていくのか、期待にどのように応えていくのかについて、若手に考えさせ、また、上司も一緒に悩み、考えること大切です。

 

「若手社員の成長に向けた役割認識 セルフチェックシート」を無料で提供しています。若手社員自身にチェックしてもらい、その結果を共有しながら、上司と本人で、「なぜこういうチェックをしたのか?」「より役割を果たすためにどうしたらいいか?」、ぜひ話し合ってみてください。

 

まとめ

人間行動学博士で『成功の心理学』の著書があるデニス・ウェイトリーは、「成功するか否かを決定づけるのは心構えである。持って生まれた能力ではない」と述べています。

 

“成長する若手社員”と“停滞して伸び悩む若手社員”の違いはまさにここにあります。心構え一つで、いま置かれている環境の受け止め方は変わります。行動も変わります。行動が変わればどのような成長を辿るのかも自然と変わってくるということです。若手社員の仕事に対する心構え、マインドセットはどのように決まるのか、会社がそして周囲の人間がどのように影響を与えることができるのか、じっくり検討する時間を取ることをお勧めします。

 

入社数年目の若手社員が置かれた成長環境は決して恵まれたものだとは限りません。求められるレベルが上がる中で、専門知識やスキルはまだ不足している。働き方改革の中で「量で質をカバーする」ことも難しい。“新入社員”時代と比べると、教育は少なくなり、一方で大きな成果を求められます。

 

記事で紹介した3つのポイント、「若手の意見を受け止めて信頼関係をつくる」、「役割認識について本人とすり合わせる」、そして、「サポートしつつも仕事を任せることで成長実感を持たせる」、ぜひ実践して、貴社の若手社員を成長させてください。


著者情報

株式会社ジェイック 取締役 古庄 拓

HRドクター 編集長

株式会社ジェイック 取締役 古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。 7つの習慣R認定担当インストラクター、原田メソッド認定パートナー、EQPI認定アナリスト等 twitterはコチラ。ぜひご覧ください。 古庄拓/ジェイック取締役 https://twitter.com/tfurusyo

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