3年目社員を教育で変える!「伸びる」人材づくり3つのヒント

2020/08/25

人事や経営者の方であれば、「入社3年以内に3割が離職する」というデータを知らない方はいないかもしれません。厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」データを見ると、3年で新規学卒者の3割が離職をしてしまうことは事実であることが分かりますし、さらに「3年で3割」は大手企業も含めた平均値であり、従業員が30~99人以下の中手企業では「3年で4割」、5~29人の小規模企業においては「3年で5割」が実態です。

厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000556486.pdf

せっかく採用した社員が早期退職してしまうことは、会社にとっては痛手です。実際に「若手社員の離職に頭を抱えている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。若手社員が離職に至る理由はさまざまですが、今の職場環境に対する不満や不安が積もり切ったからこそ離職に至るわけです。

 

仕事について、そして自分自身について真剣に考えたとき、今の自分が置かれている状況に大きな可能性や明るい展望を見出せれば、「離職」でなく、逆に会社の将来を背負って立つ社員として「飛躍」するきっかけになることもあります。記事では、3年目を飛躍の年として「伸びる社員」を育てるためのポイントをお伝えします。

 

<目次>

3年目社員の教育の実態は?

企業の経営者、人事・教育担当者からは、「新入社員には、入社時研修をはじめフォロー研修や個別の面談等、手厚い教育をおこなっています!」という話をよく聞きます。「せっかく採用した新人が離職したら困る…」ということで、新入社員の教育に多くの時間とお金を投下する企業は多いです。しかし、2年目社員、3年目社員の教育はどうかと言うと、新入社員と同じように十分な教育の機会を設けている企業は数少ないです。

 

「もう新人じゃないのだから…」と突き放され、自立を求められる2年目社員や3年目社員。“新人ではない”ことは間違いないのですが、かといって豊富な経験があるわけでもありません。結果的に「仕事に対する不安や不満を溜め込みながら働く毎日を過ごし、成長実感を得られず、やがて仕事に対する自信や誇りも失って、離職を決意する」というプロセスが存在することは想像に難くありません。

 

3年目社員が感じる「一刻も早く1人前になってもらいたいと期待されていることは理解できるが、そのわりに会社は何もしてくれないと感じる」というギャップを解消することが、早期離職の流れを止めるためには大切です。

3年目社員への教育を考えるうえで知っておきたい要注意ポイント

3年目社員への教育内容を解説する前に、3年目社員の心境や置かれている状況を整理しておきましょう。

 

 

壁にぶつかる

入社して2~3年すると、社員は必ず「壁」にぶつかります。多くの場合、壁は、“会社からの期待が現時点の能力を上回っている”ことによって生じます。会社や上司は、“そろそろ1人前になる”ことを期待する2年目や3年目社員には、今の実力を見極めたり、成長を期待したりして、少し挑戦的な仕事を任せることはよくあることです。

 

成長に際して少し背伸びさせた仕事を任せることは有効ですが、一方で、任せられた側からすると、壁にぶつかっているときは“会社からの期待に応えられていない”状態です。ときには上司も「なぜできないのか」と厳しく叱ってしまうこともあるでしょう。壁にぶつかったとき、自分の足りない部分を自覚して努力したり、周囲の助けを借りたりすることができれば、壁を超えて一皮むける経験になるでしょう。

 

しかし、内にこもってしまい、「今の仕事は自分に向いていないのかも知れない」「自分は能力が低いのではないか」「能力を超えた仕事を無茶振りして責める上司はどうなのか」等と考え始めると危ないです。

 

 

入社前のイメージとのギャップを感じる

3年目になってくると、入社当時に見えなかったことが見えてくるようになり、自分の担当業務や会社に対する疑問に悩むようになります。理想と現実のギャップ自体は入社1年目、2年目にも感じるものです。ただ、3年目になると、それまでの経験を踏まえて、「会社のダメなところはもう変わらない」「このまま勤めていても成長できない」といった勝手な思い込みが固まってしまうこともあります。

 

3年目は、仕事においての責任が重くなり、業務量も増える中で長時間労働を強いられることもあるでしょう。その中で、「何でこんなに大変なのか」と感じることもあるでしょう。仕事による心身の疲れと上記のような思い込みが重なると、一気に仕事や会社へのロイヤリティが落ちることがあります。

 

 

人間関係がうまくいかない

3年目だけでなくあらゆる世代に言えることですが、人間関係で悩む、とりわけ上司との関係で悩みモチベーションを落とす事例は非常に多いです。たとえば、失敗やミスを厳しく叱責したり、“仕事は先輩の背中を見て覚えるものだ”と丁寧な指導の機会を得られなかったり、上司がいわば“自分の世代の常識”を持ち出すと人間関係がうまくいかなくなることが多くなります。若手からのコミュニケーション量が減る、消極的で元気がない、表情に力がないといった様子は、“今の上司や組織と合わない”と感じている証拠ですので要注意です。

「伸びる」3年目社員教育3つのヒント

この章では3年目社員の教育において、悩みや不安を解消し、成長への意欲を喚起させるために教えるべき3つのポイントをお伝えします。

 

 

1.自分を知る(セルフコントロールを身に付ける)

任せられる仕事量も増えてくる中で、自分を知り、自分をコントロールすることが、仕事でコンスタントにパフォーマンスを上げるためには必要になります。自分が「何を知っていて何を知らないのか」「何ができていて何ができていないのか」を認識できてこそ、正しい努力もできるでしょう。また、自分の「思考の癖」を知ることで、感情やストレスをコントロールすることも可能になります。

 

入社から現在までの出来事や、自分の言動を分析・棚卸しすることで、自分自身を客観視できるようになります。自分という人間を第三者的に冷静に見ることができると、置かれた状況に対して「自分は何ができるか」を冷静に考え、適切な行動を起こすことができます。自分の意思で行動を起こし、壁を乗り越えたり、ストレスを除去できたりした経験を積めると、自分に対する自信が徐々に確立されてくるでしょう。

 

 

2.巻き込み力を身に付ける

組織の中で働き、大きな成果を上げていくためには、周囲の力を借りることが必要です。数年の経験を積んだとは言え、まだまだ必要十分な能力を持っているとは言えないのが3年目です。「周囲とコミュニケーションを取って周囲の力を借りる」ことの必要性は3年目社員も当然分かっています。

 

しかし、「コミュニケーションとは何か」の理解は意外とあいまいなことが多いものです。従って、「周囲を巻き込んで成果を上げるためのコミュニケーションが重要なのである」ということを正しく理解させる必要があります。

 

自分を客観視できるようにすることと同じように、周囲との人間関係も、“好き嫌い”や“合うか合わない”は置いておいて、冷静に分析させましょう。具体的には、自分を取り巻く人間関係について、誰がどのような情報を持っているか、相手からどんなサポートを期待できるか、普段の接触頻度はどうか、等を整理させます。

 

すると、自分が多くの人々に支えられていることを自覚するはずです。そのうえで、周囲の人々とどのように人間関係を構築していくのかを考えさせます。業務遂行を軸に、周囲との人間関係を捉え、周りを巻き込みながら仕事を進めていけると、仕事に対する達成感や充実感だけでなく、組織への帰属意識も高まるでしょう。

 

上記のワークをおこなうための人間関係マップを無料で提供していますので、ぜひご利用ください

 

3.この会社で働く意味を納得する

「こんな仕事をするためにこの会社には入ったのではない」

「この仕事をする意味が分からない」

「この会社で自分が成長するイメージが湧かない」

 

3年目社員が抱える仕事への悩みとして、上記のようなものが挙げられます。生活に困った体験が少ない中で、仕事に「意味」を求める欲求が強いことが若者世代の特徴です。意味や価値への悩みに対して、

 

「必ずしもやりたい仕事をやれるわけではない」

「どんな仕事にも意味がある」

「成長できるかどうかは自分の努力次第」

 

といった正論を伝えたところで、彼ら彼女らの悩みは解消しません。今の自分をどう成長させるか・何が不足しているのかを含め客観視させることと同時に、自分の未来・今後のビジョンを明確に考えさせることが重要です。

 

今の若者たちは、社会に貢献したいという意欲が非常に強くなっています。従って、未来やビジョンを考えるうえでは、2つの視点で自分の仕事がどう貢献に繋がっているかを考えさせましょう。

 

1つは、会社の事業が社会や顧客にどう「貢献」しているのか、そして、自分の仕事がどう「貢献」に繋がっているかということです。もう1つは、自分がどんな「貢献」をしたいのかということです。「自分が成し遂げたい貢献が会社の仕事を通じて実現できる」ことが腹に落ちると、仕事への意欲が掻き立てられます。

 

「この会社で働くことは自分にとってどんな意味があるのか」「この会社で自分は何を成し遂げたいか、どのような役割を果たそうと思うのか」ということが整理されると、自分のやるべきことや磨くべき知識・スキルも自ずと見えてくるはずですし、自分で見出したものには責任を持って取り組むでしょう。

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