研修で社員の主体性を引き出す!組織を強くする主体性研修のやり方

2020/08/18

組織内で、「責任転嫁」や「他人任せ」「言い訳」が蔓延していないでしょうか。例えば、指示待ちで受け身の社員が多かったり、仕事でミスやトラブルが生じた際に「上司の指示が悪かった」と他責にしたりするような状況です。

 

「ミスをしないように、言われたことだけを黙々とこなす」、このような主体性のない社員が多い組織では、生産性も上がりませんし、人間関係も良好にはならないでしょう。また、コロナ禍を筆頭に将来の予測が難しく、その分、変化への対応力やスピードが問われる時代の中で、主体性のない組織は生き残り自体が困難になると予想されます。

 

記事では、社員の主体性を引き出すための研修実施ポイントを解説します。

<目次>

主体性とは何か?

主体性が組織にどのような影響を与えるのかを理解するために、そもそも主体性とは何かということを確認しておきましょう。

 

 

主体性とは

主体性を辞書で調べると、次のように記載されています。

 

【主体性】

自分の意志・判断によって、自ら責任を持って行動する態度や性質。 「 -を持って行動する」

出典:Weblio辞書

 

主体性を欠いてしまうと、相手の意見の言いなりになってしまったり、その場の雰囲気に合わせて考えや行動をコロコロと変えてしまったりするようになります。あるいは、「周りから指示・指摘されなければ何もしない」といった行動や考え方が見られるようにもなります。

 

 

主体性と自主性との違い

主体性とよく似た意味を持つ言葉として「自主性」という言葉があります。

 

主体性と自主性は、「自ら行動する」という点では共通していますが、決定的に異なる部分は、主体性は「自らの意志や判断に基づいて行動するものである」という点です。これに対して、自主性は「決められた枠組みの中で、発揮される行動力」のことを指します。

 

身近な例として、営業のテレアポに関する主体性と自主性を比較してみましょう。

 

新規顧客獲得のためには、テレアポが不可欠と判断し、1日あたりの架電数を設定して、トークスクリプトの作成をすることが主体的な行動です。

 

一方、「1日30件のテレアポをする!」というルールに沿って、1件でも多くテレアポをするようにしたり、隙間時間にテレアポをする行動は、自主性に当たります。

 

どちらの行動も素晴らしいものですが、「自ら考え自ら行動する」という特徴がより強いのが、主体性だと言えるでしょう。

主体性のない社員が組織を弱くする

主体性は、自らの仕事を自分事として捉えて、率先して行動することです。では、主体性がない社員が増えると、組織はどのようになってしまうでしょうか。

 

 

責任を取らない文化の蔓延

主体性がない社員が多い組織では、トラブルや損失が発生した際に「自分は関係ない」「自分のせいではない」という責任転嫁の文化が蔓延してしまいます。

 

なぜなら、主体性と責任は常にセットだからです。“マネジメントの父”とも呼ばれる経営学者のドラッカー博士は、「成功の鍵は責任であり、すべてはそこから始まる」とも述べています。

 

ドラッカー博士が言う責任(responsibility)とは、「責任の所在を明らかにする」といった日本語としての責任ではなく、「物事に対応して影響を与える力」(response+ability)という意味合いです。

 

主体性を持った社員は、自らの仕事に関連する、組織の成果に貢献することであれば、上司から指示を受けていなくても「自分が影響を及ぼせることは自分の責任(responsibility)の範疇である」と捉えます。

 

従って、何か悪いことが起こりそうなときには未然に対処をしようと試みますし、実際にトラブルに発展してしまったときには被害を最小限にしようとします。あるいは、自分自身だけで対応が困難なときには上司や他部署のメンバーの力を借りて、問題の解決にあたるでしょう。

 

しかし、主体性のない社員は、「自分の仕事として明確に決まっているものだけ自分の責任範囲だ」と考えます。従って、直接上司から指示されていない限りは自分の責任だとは捉えませんし、指示を受けていた場合であっても、「上司の指示が的確ではなかった」「自分はやろうとしたけど同僚が協力してくれなかった」と自らの責任だとは捉えません。

 

責任転嫁をしたり、問題を他人事として捉えたりする姿勢は、1人の社員だけではなく、徐々に組織全体に蔓延し、入社してくる新人等にも拡がっていきます。そしてそれが「社風」「企業風土」になると、組織の行動力や対応力は非常に弱くなっていきます。

 

 

「ウィズコロナ」「アフターコロナ」でより必要性が増す主体性

「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の時代を考えると、主体性のない組織が生き残っていくことは非常に厳しいものとなるでしょう。「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の時代は先行きが見えず、前例もない中で、社員一人ひとりが主体性を発揮して、新たな事業形態やサービス提供、働き方への挑戦をしていかなければなりません。

 

オンラインでのサービス提供や3密を避けてのサービス提供、また、それによる生産性低下にどう対応するのか。リモートワークや在宅勤務等、これまでとは異なる働き方への対応が求められる場面も増えつつあります。

 

すべての事態に対応していくことは、トップダウンの意思決定だけでは困難であり、社員の主体性が求められています。また、リモートワークや在宅勤務においては、従来のような密なマネジメントは困難であり、時間の使い方や意思決定、判断に関して社員のセルフマネジメントに任せる比重が増していきます。このセルフマネジメントの根幹となるのも、主体性です。

主体性を発揮させる鍵は価値観教育

「社員の主体性が足りない」と感じられる場合には、研修や教育を通じて社員の主体性を高めていくことが必要です。社員の主体性を高める研修を継続的に実施し、同時に社員の主体性を引き出すマネジメントをすることで、主体性の高さを「組織風土」へとすることもできるでしょう。この章では、主体性を根付かせるための価値観教育を解説します。

 

 

価値観の教育で社員の主体性を育てる

主体性は、社員一人ひとりの価値観や行動理念に基づくものです。従って、マナー研修や営業スキル研修のように、テクニックやノウハウを伝えようとしてもあまり効果がありません。また、社長講和のような形で一回想いを伝えたとしても浸透するものではありません。

 

価値観の教育とは、「自分は何を実現したいか?」「仕事における成果とは何か」「働くうえでは何が大事なのか」といった仕事に関する根本的な考え方を浸透させることです。ここで重要なことは、企業の価値観を社員個人の人生とも紐づけながら、共通言語として構築することです。

 

価値観が強い会社には必ず会社ごとの共通言語があり、社員に浸透し、行動規範となっています。説明すれば長くなる概念や価値観をバシッと言い表す共通言語が価値観教育では重要です。例えば、リクルートの「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」は今では公式な社訓ではなくなっていますが、リクルートのDNAを表す共通言語として非常に有名です。

 

 

主体性の根底となる「インサイドアウト」とは?

主体性を引き出す価値観教育の根底となるものは「インサイドアウト」です。「インサイドアウト」とは、「問題が自分の外にあると考えるのならば、その考えこそが問題である」という考え方のことです。

 

「上司の指示が的確ではない」「同僚が協力してくれない」「自分の仕事ではない」等、誰しも少なからず責任を外に向けてしまいがちなポイントは存在します。

 

しかし、インサイドアウトの考え方では、「これらの問題は自分の問題である」と自分事として捉えます。そして、先ほど紹介した責任(responsibility)の考え方と併せて、「自分が動くことで、この問題に良い影響を与えられる。だからこそ、自分は何をしたらいいか?」と考えるわけです。

 

インサイドアウトの反対の考え方がアウトサイドインです。つまり、「問題は外にあり、周りが、環境が、状況が、変わらなければ、問題は解決されない」という考え方です。指示待ちや責任転嫁、他人任せ等は、まさにアウトサイドインの考え方だと言えるでしょう。

 

社員一人ひとりがインサイドアウトを実践すれは、組織は主体性の文化へと変わります。社員がインサイドアウトを実践すれば、以下のような効果もあるでしょう。

 

  • 社員間で問題解決がおこなわれるようになる
  • 会議で積極的にアイデアが出てくる
  • 自らやりたい仕事を考えるようになる
  • 部門間のコミュニケーションが活発になる
  • 責任転嫁がなくなる

 

 

ミッションが仕事を「自分事」にする

社員の主体性を引き出すためには、ミッションも大きな役割を果たします。ここで言うミッションは2つの意味があり、一つは組織のミッションであり、もう一つは個人のミッションです。

 

「何のために我が社は存在するのか?」「事業を通じて私たちは何を成し遂げたいか?」という組織のミッションやビジョンが共有され、浸透している組織は、「向かう方向」が共有されている状態です。従って、判断基準や行動基準が明確になり、権限委譲も進み、主体性が発揮されやすい組織になります。

 

そして、組織のミッションやビジョンが、自分の価値観、自分のミッションとどう繋がっているのかが明らかにされていると、社員一人ひとりのエンゲージメントは高まります。

 

個人のミッション(ミッションステートメント)とは、社員一人ひとりが自分の価値観や信条を言語化したものです。ミッションステートメントには、以下のような内容が含まれます。

 

  • 人格 :どのような人間になりたいのか?
  • 功績 :何を成し遂げたいか?
  • 価値観:これらを達成するうえで価値観の原則は何なのか?

 

自分自身が人生をどう生きたいのか、そして、自分自身の生き方と会社のミッションやビジョンはどう紐づいているのか、それを理解している社員にとって、すべての仕事は自分事であり、主体性が非常に発揮されやすくなるでしょう。

社員の主体性を引き出す価値観教育「7つの習慣®」

社員の主体性を引き出すための研修や教育方法を記載しましたが、社員の主体性を引き出す価値観教育はいくつかあります。その中でも「7つの習慣®」は非常に効果的です。

 

「7つの習慣®」がどのようなものか、簡単に紹介します。『7つの習慣』はアメリカの経営コンサルタントであるスティーブン・R・コヴィーによって書かれた本であり、1989年に初版が発売されて以来、全世界で3,000万部を超えるベストセラーです。

 

能力やスキルの根っこにある人格の重要さを謳い、人間性を磨き、人間関係を作るための原理原則を分かりやすい言葉で伝えた内容です。人生の方程式「人生・仕事の成果=能力×熱意×考え方」で有名な稲盛和夫氏も、「7つの習慣®」の考え方を推薦されています。

 

HRドクターを運営する株式会社ジェイックでも、リーマンショックのさなか、業績が落ち込み、組織が苦しい中で、「7つの習慣®」の勉強会を通じて、組織変革に成功しました。この実績や経験に基づき、ジェイックでは「7つの習慣®」の考え方に基づいた研修プログラムも提供するようになりました。

 

社員の主体性を引き出す価値観教育に興味があれば、ジェイックでの「7つの習慣®」の導入ストーリーを生々しく紹介する以下の冊子を無料でご覧いただけます。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック 取締役 HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。 7つの習慣R認定担当インストラクター、原田メソッド認定パートナー、EQPI認定アナリスト等

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