定量化が難しい経営企画部の目標設定はどうすればいい?設定のポイントや例を紹介

更新:2022/04/22

作成:2022/03/15

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

定量化が難しい経営企画部の目標設定はどうすればいい?設定のポイントや例を紹介

経営企画部は、企業が成長・発展をするうえで欠かせない部署です。経営企画部が成果を出し続けたり、部門内で働く人材を育てたりするうえで、やはり目標設定は重要になります。しかし、経営企画部の業務は多岐にわたるうえに、定量的な目標設定が難しい側面もあります。

では、経営企画部では、どのような目標を設定していけばいいのでしょうか。記事では、経営企画部の役割と目標設定の難しさを確認したうえで、経営企画部が目標を設定する場合のポイントや設定例、サンプルを紹介していきます。

<目次>

そもそも経営企画部の役割とは?

MTGで話し合うチーム

経営企画の部の役割は、企業によって定義が大きく異なります。一般的には、各事業部門、また、どちらかというとオペレーショナル領域を担当する管理部門の役割でカバーできない部分を担うことが多いです。以下からは、経営企画部で担うことの多い役割や業務を紹介していきましょう。

経営戦略の立案

経営戦略は、企業が経営目的を達成するためのシナリオや施策の総称です。経営戦略には、以下4つの分類があります。

  • ・全社戦略:企業全体に関わる戦略(M&A、各部門への資源配分など)
  • ・事業戦略:事業部門ごとに立てる戦略
  • ・機能別戦略:機能ごとに立てる戦略(経理、開発、営業、販売など)
  • ・その他の戦略:あるテーマを実現するための戦略(DX戦略、知的財産戦略など)

一般的な部署の場合、自部門や部門で直接的に関係する機能別戦略の立案に携わります。一方で経営企画部では、企業の方向性につながる全社戦略はもちろんのこと、DX推進などの組織横断的な戦略や、資源配分を通して他部門の事業戦略に関わることもあります。中期経営計画や年度経営計画、総合予算などに携わることも多くなります。

予実統制(予算管理)

予実統制は予算と実績をリンクさせ、予算達成に向けて管理することの総称です。予実管理とも呼ばれます。PDCAサイクルにあてはめると、予算策定がPの計画、予算統制はCの検証に該当します。

策定した予算を下方修正することなく達成できたかどうかは、監査や株主への説明でも重視される項目です。ですから、経営企画部で、予実統制をきちんと行なって振り返ることで、企業の安定性や信頼性が高められますし、次回の予算策定精度も向上するということになります。

経営陣のサポート

経営陣の意思決定には、以下の仕事に基づく判断・説得材料などが必要です。

  • ・社内外環境の分析と把握
  • ・適切な戦略の立案と推進

しかし、経営陣には、例えばトップ同士の業務提携交渉といった「経営陣にしかできない仕事」があります。上記のような分析や立案などの実務が好きだからといって、実務ばかりをやっていると、経営陣にしかできない役割がおろそかになるでしょう。

経営企画部は、忙しい経営陣の参謀として、意思決定に必要な実務を担っていきます。経営企画部がしっかりと機能することで、社長などの経営陣が入れ替わっても、企業は安定的な経営を続けられるでしょう。

組織運営の円滑化

予算達成に向けて決めた戦略を実行していくには、戦略を成し遂げられるだけの組織運営も大切です。

一般的に組織運営というと、部門内での人員調整やチームビルディング、人材育成などの印象が強いかもしれません。しかし、例えば、近年注目されているDX推進などでは、営業や販売、製品開発、マーケティングといった組織横断的なチームづくりが必要になったり、短期間で外部人材を一気に登用したりする必要もあります。

また、M&Aなどを行なった場合、大掛かりな組織再編も必要となるでしょう。経営企画部では、企業という大きな枠組みでゴールを目指すうえで必要な組織編成を担う場合もあります。

マーケティング/広報

経営企画部は、新規事業や企業ブランドのマーケティング、広報に携わることもあります。ブランディング、広報などは、部門横断かつ中長期的な視点で企画・実行することが重要であり、経営企画部の中にチームを設置することが有効な場合もあります。

また、経営企画部は組織運営を通してさまざまな部門と関わる機会も多いことから、開発や製造チームなどとの人脈を活用して、商品やサービスに合ったマーケティング戦略なども立てやすい部署となります。

場合によっては、各部門内に設置しにくい新規サービスなどをプロジェクトとして経営企画部内で立ち上げることもあるでしょう。

経営企画部の目標設定の難しさ

若いビジネスウーマン

経営企画部は、上述のように幅広く定型化しにくいバックオフィス系の仕事をこなす部署です。そのため、明確な業績目標を持つ営業や販売部門とは異なり、定量的な数値目標を設定しづらい業務が多い特徴があります。また、業務の定型化がしにくいため、管理部門とも異なる目標設定の難しさがあります。

しかし、仕事をする際に定量的な目標を設定できないと、計画立案やマネジメントが難しかったり、組織への貢献実感を得たり仕事へのモチベーションが上がりづらかったりします。定量的な目標がなければ、人事評価も難しくなるでしょう。

また、成果が目に見えづらい状態になると、他部門からの批判などが強くなる部分もあります。こうした問題を防ぎ、組織としての成果を出し続け、メンバーの成長を促すうえでも、経営企画部における目標設定は必要となります。

経営企画部における目標設定のポイント

経営企画部における目標設定は、以下2つのステップで行なっていきます。

1)経営企画部における業務内容をリストアップしていく

まず、経営企画部で行なっている仕事を以下のように洗い出します。

  • ・経営分析レポート作成
  • ・市場動向レポート作成
  • ・経営陣の意思決定サポート
  • ・経営戦略の立案
  • ・プロジェクトの進捗確認
  • ・予実統制

など
より具体的な目標を立てるうえでは、例えば、「経営陣の意思決定サポート」という仕事を、以下のように具体的な作業まで洗い出すのがおススメです。

  • ・ライバル企業の情報収集
  • ・プレゼンテーション資料の作成
  • ・経営陣との定期ミーティング
  • ・新規プロジェクトの結果報告
  • ・経営方針の提言

など

最初にしっかりと洗い出すことで、後述するSMARTの法則を使った目標設定も進めやすくなるでしょう。

2)SMARTの法則を守りながら目標設定する

目標設定の大原則は、以下の頭文字をとった「SMARTの法則」を使うことです。

  • ・S:Specific(具体的である)
  • ・M:Measurable(計測できる)
  • ・A:Achievable(達成できる)
  • ・R:Related(上位目標と関連する)
  • ・T:Time‐bound(期限が定められている)

SMARTの法則では、進捗管理や評価、上司からのフィードバックなどをする観点から、目標設定に具体性や計測できることを求めています。しかし、経営企画部の場合、例えば「経営陣の意思決定サポート」のように、たしかに数字による定量化は難しい業務が多い傾向があります。

経営企画部がSMARTの法則に合った目標設定をする場合は、Measurable(計測できる)は「明確に〇×がつく」ことを主眼において、達成状態やアクション指標で設定するのがおススメです。

「この時点でこういう状態を実現している」「この活動でこれだけの量を行なう」などの設定をすることで、進捗管理や評価、うまくいかなかった場合の改善などを行ないやすくなります。

経営企画部の目標設定の設定例・サンプル

目標設定をするときには、同時に目標を達成するための方針・計画も大枠を作る必要があります。

目標

経営企画部の業務にSMARTの法則をあてはめると、以下のような目標を設定できます。

  • ・経営会議に対して、第三四半期までに中期経営戦略を提言して、承認を得る
  • ・四半期ごとのアンケートにおいて、1年後までに社内満足度が2.5から3.5に上がるように組織改革する
  • ・経営企画部の経営分析への社内評価を第二四半期末までに4ポイントにアップする
  • ・予実統制を強化して、予算からの乖離率を全社で10%以内に収める
  • ・DX推進プロジェクトにおいて、第一四半期までに実行計画を策定、第二四半期中に目に見える変化を起こす

目標達成のための計画立案

設定した目標を達成するには、具体的な行動計画を立て、計画を実施することが必要です。行動計画の策定に活用できるのが、オープンウィンドウ64(マンダラチャート)というフレームワークです。オープンウィンドウ64は、仏教の曼荼羅とアートをかけ合わせたフレームワークであり、目標達成のための思考展開ツールです。

9マス×8マスの実践思考

オープンウィンドウ64では、曼荼羅模様のような81個のマス目の中央に目標を記載します。目標周囲の8マスに、目標達成につながる分野や大テーマ(基礎思考)を書いて、書き出した分野やテーマに対して、より具体的な行動ベースの施策(実践思考)を8個ずつ考えていきます。

まとめ

経営企画部には、以下のように経営に関わる重要な役割を担う一方で、定量的な数値目標を設定しづらい特徴があります。

  • ・経営戦略の立案
  • ・予実統制(予算管理)
  • ・経営陣のサポート
  • ・組織運営の円滑化
  • ・部門横断的なブランディング/広報

経営企画部の目標は、①自部門の業務内容をリストアップしたうえで、以下の②SMARTの法則を守りながら設定していくのがおススメです。

  • ・S:Specific(具体的である)
  • ・M:Measurable(計測できる)
  • ・A:Achievable(達成できる)
  • ・R:Related(上位目標と関連する)
  • ・T:Time-bound(期限が定められている)

数字による定量化が難しい場合は、明確に◯×がつけられることを主眼に置くとよいでしょう。また、目標達成に向けた施策を考えるときには、オープンウィンドウ64(マンダラート)というフレームワークを使うのもおススメです。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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