中堅社員の役割とリーダーを生み出す人財育成のポイントとは?

2020/03/31

中堅社員の役割とは?成長・活躍する人材育成の3ポイント

“中堅社員”と聞くとどんなイメージでしょうか?多くの企業では管理職に上がる手前のプレイヤー層を指すことが多いでしょう。3~10人ぐらいのチームにおいて、中堅社員は非常に大きな役割を果たします。

 

自立したプレイヤーというだけではなく、中堅社員が管理職と信頼関係を築き、経験の浅い新人や若手層のケアや管理職の補完をしているチームは強くなり、パフォーマンスもあがります。そうした中堅社員の中から次の管理職も生まれてきます。

 

しかし、実際には中堅社員が活躍する職場環境を作ることは、決して簡単ではありません。

 

一般的に「管理職手前」である中堅社員は、マンネリ感を抱えたり、管理職からのプレッシャーと現実の板挟みになったり、評価への不満を感じがちであったりします。本記事では、こうした中堅社員が役割を果たし、組織のリーダー、管理職へ成長していくための育成ポイントを解説します。

<目次>

中堅社員とは?

一言で「中堅社員」といっても、企業ごとにイメージする対象は異なるでしょう。20代~30代前半が中心になっているベンチャー企業であれば、入社3~5年ぐらいが「リーダー候補の中堅社員」になるでしょうし、平均年齢が40代を超えるメーカーでは30代後半~40代前半が「課長候補の中堅社員」になる場合も考えられます。

 

「中堅社員」と聞いてどのくらいの年齢層をイメージするのかは、その企業において何歳ぐらいで「リーダー/管理職」となるかによって大きく変わります。本記事では「中堅社員」を年齢や勤続年数などではなく「リーダー/管理職候補」と定義して、解説していきます。

中堅社員の役割

中堅社員に求められる役割

 

リーダー/管理職候補である中堅社員に求められる役割は多岐に亘ります。具体的には以下のようなものがあげられます。

 

 

役割1:“管理職の右腕”や“チームのNo.2”

プレイヤーとしては十分なスキルを持った中堅社員に求められる役割は、マネジメント業務に取り組む管理職の仕事が円滑に進むよう補佐することです。マネジメント業務に取り組む課長やマネージャーが、チーム内のすべてを目配りすることは困難です。人による得意・不得意もあるでしょう。

 

そこで中堅社員が、新人や若手にコミュニケーションをとって人材育成を行ったり、顧客や取引先との関係構築や折衝などを担ったりすることもあるでしょう。また、管理職との補完関係になるように数値管理を行う場合もあるでしょう。このように、管理職とプレイヤーの間に立ち、チームの発展に貢献していくことが中堅社員の役割です。

 

 

役割2:幅広い仕事への対応

中堅社員には、マネージャーを補佐するという役割が期待されるため、自分の業務をこなしながら複数の役割を担う必要があります。また、多くの人とのコミュニケーションも必要となるでしょう。

 

次の管理職になることを期待されていますので、ある意味では管理職と同じ視野で仕事に対応することが期待されます。管理職と足並みを揃え、チームや組織で成果をあげる姿勢で仕事に取り組むことが期待されます。

 

 

役割3:上司の役割を吸収し、次期管理職になる

中堅社員として役割を果たす中で、上司の役割を吸収することができた人材が、次のリーダーへと昇格していきます。

そのため、仕事を果たすうえで「自分がリーダーだったら」という視点を持ち、組織全体を見渡す習慣をつけることが大切です。こうした広い視野を獲得させることは、本人のキャリアアップに繋がるだけではなく、中堅社員として高い成果を挙げるためにも必要となります。

 

中堅社員を成長させる人材育成の3ポイントと注意点

中堅社員の成長と、人材育成のポイント

 

1人のプレイヤーから脱皮して、管理職の補佐としての役割が求められる中堅社員に、どのようなサポートを行い、次期リーダーとして育成していけば良いのでしょうか。重要となるのは以下の3点です。

 

 

1. 組織的な研修やサポート

中堅社員の置かれる状況を理解して、組織的にサポートすることが必要です。

例えば、中堅社員の領域に入ったばかりのときは、「管理職候補としての目線を持つ必要がある一方で、まだ本人にそうした自覚が乏しい」場合も少なくありません。その場合に、プレイヤーとして個人で成果を出す働き方に偏り、周囲の期待との間でミスマッチが起きてしまうことがあります。

 

チームのNo.2としての役割、管理職の右腕となることを意識付けさせたり、必要なスキルを獲得させたりするためのサポートが必要です。

 

ときには外部研修等の利用も1つの手段です。プレイヤーとしての役割から管理職への意識を持たせていくことは、社内だけでは難しい場合もあります。また、後述するように役割と評価や待遇の間でギャップが生じがちなので、“選抜して研修に派遣することで期待を伝える”といったやり方も効果があります。

 

 

2. リーダー実感を得られる機会を増やす

プレイヤーと異なる働き方を新たに学んでいくためには、実際にリーダーシップを発揮できる機会を提供することが重要です。このためには、管理職が「中堅社員を育成する」という意識を持つことが必要です。

 

リーダーシップを発揮するには、広い視野を持ち、多くの人を巻き込んでいくことが求められます。新しい働き方は、慣れるまでは本人にとって負荷となり、やりがいを見出すのに苦労してしまう場合もあります。

 

しかし、人をマネジメントしてより大きな成果を挙げることは、プレイヤーとはまた異なった仕事のやりがいがあります。

 

こうした新たな仕事のやりがいに気付くことで、仕事への意欲が向上することもあります。中堅社員のうちにリーダーシップの成功体験を積み、リーダーとしての仕事のやりがいを感じられた人材は、その後も大きく成長していくでしょう。

 

従って、中堅社員に対して裁量や権限を持ってもらうことは非常に意味のあることです。一定の裁量や権限を持たせることで、信用されて仕事を任されているという実感も得やすくなります。多少の裁量や権限を渡しながら、本人の自発的なチャレンジを応援したり、リーダーとしての実感を高めていったりすることで、結果的に本人のリーダーシップが育っていきます。

 

 

3. ロールモデルの提供

プレイヤーとは異なる働き方を身につけようとしている中堅社員にとって、ロールモデルを得られることが成長の指針になります。自社の管理職や上層部かもしれませんし、一歩先をいく同僚かもしれませんし、研修で知り合う社外の存在かもしれません。こうしたロールモデルを得られる機会を意図的に提供していきましょう。

 

上層部や管理職の会議へのオブザーブ、社外研修の参加、中堅社員同士を集めてのワークショップなどがロールモデルの提供に繋がるでしょう。

 

 

【注意点】中堅社員のケアを怠らない

中堅社員の育成では、注意しておくべき点もあります。中堅社員は「管理職の右腕」であることを期待される一方で、実際の待遇等はメンバー層とさほど変わらないでしょう。その場合、中堅社員に「負担感」だけが溜まる危険性があります。

 

組織的な研修やサポートと同時に、管理職に対して「チームマネジメントにはNo.2/右腕との信頼関係構築が重要である」「中堅社員を自分の後継として育てられた管理職が次のステージに上がれる」といったメッセージを伝えていくことが大切です。

 

一番身近な存在である管理職が、中堅社員の能力や専門性に対するリスペクトを持つこと、キャリアアップに対する不安や不満を解消すること、一種のOJTとしてリーダーシップの発揮に対するケアを行っていくことが重要です。

 

将来的に組織のリーダーへと成長した後にも、中堅社員の頃に親身なフォローアップを受けてきた人材は、部下や後輩の指導に意欲的な傾向があります。人材を育成していく姿勢を未来に残していく意味でも、管理職が中堅社員の指導に熱意を持って取り組むことが大切です。

 

将来的に組織のリーダーへと成長した後にも、中堅社員の頃に親身なフォローアップを受けてきた人材は、部下や後輩の指導に意欲的な傾向があります。人材を育成していく姿勢を未来に残していく意味でも、管理職が中堅社員の指導に熱意を持って取り組むことが大切です。

まとめ

中堅社員には、管理職の右腕としての役割が期待されますし、次の管理職としての養成対象でもあります。そうした中堅社員が活躍できる職場を実現していくことは、将来的な組織の発展のためにも非常に重要です。

 

中堅社員の育成では、

 

  • 管理職の右腕、チームの2を果たすことへの自覚を持たせる
  • リーダーシップを発揮する体験や上層部や社外の同階層との交流などキャリアの展望を持たせる
  • 管理職が中堅社員との関係性を作り、フォローや人財育成に取り組む

 

ことが大切です。中堅社員が育たない職場は、強い組織にはなりません。上層部、管理職、社外研修などを連携させながら、中堅社員を育成していきましょう。

 

著者情報

近藤 浩充

株式会社ジェイック|常務取締役

近藤 浩充

大学卒業後、情報システム系の会社を経て、ジェイックに入社。執行役員としてIT技術者の派遣を行う「IT戦略事業部」の創設、全社のマーケティング機能を担う「経営戦略室」室長を歴任。取締役/教育事業部長として、社内の人材育成、マネジメントで手腕を磨く。2013年には中小企業向け原田メソッド研修の立ち上げを企画推進し、自部門および全社の業績を向上させた貢献により、常務取締役に就任。カレッジ事業本部長、マーケティング本部長、教育事業本部長等を歴任。専門はマネジメント、幹部育成、組織論。

【著書、登壇セミナー】
・社長の右腕 ~上場企業 現役ナンバー2の告白~
・今だからできる!若手採用と組織活性化のヒント
・withコロナ時代における新しい採用力・定着率向上の秘訣
・オンライン研修の「今と未来」、社員育成への上手な取り入れ方
・社長が知っておくべき、業績達成する目標管理と人事評価
・社長の右腕 ~ナンバー2の上司マネジメント / 部下マネジメント~
・オーナー経営者が知っておきたい!業績があがる人事評価制度と組織づくりのポイント
・社長の右腕 10の職掌 など

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