社員研修にゲーム要素を取り入れ教育効果を上げる方法

2020/03/31

社員研修の効果を上げるためには、参加する社員に「学ぶ姿勢」を持って前向きに参加してもらうことが必要です。企業としては働き方改革の中で貴重な業務時間を割いて、給与を払って学ばせているのですから「全力で吸収する姿勢をとるのが当たり前!」と思いたいところです。

 

しかし、実際には「研修なんて役に立たない」「業務で忙しいのに研修に時間を割かれるなんて最悪だ」「座学は苦手なんだよ」など、消極的な受講態度を示す社員がいることも事実です。

 

研修の参加者から積極的な姿勢を引き出し、研修の効果を高めるために、最近の社員研修ではゲーム要素を取り入れることが増えてきました。ゲーム要素を取り入れることで、参加者の興味を惹きつけて、集中力を高め、学びを加速させる効果が見込めます。本記事では社員研修にゲーム要素を取り入れる目的やポイント、注意点を明らかにしながら、社員研修で使えるゲーム要素を紹介していきます。

<目次>

社員研修にゲーム要素を取り入れる目的やメリット、効果

社員研修にゲーム要素を取り入れる目的とメリット、効果を解説します。

 

ゲーム要素を取り入れる目的

研修にゲームを取り入れる最大の目的は、単なる座学だけではなく、ゲームを通じて「体験/経験」をしてもらうことです。ゲームに取り組む姿勢には、普段の思考や行動パターンが反映されます。ゲームでの体験/経験を振り返ったり、フィードバックを受けたりすることで、「自分の癖」が客観的に見えるようになり、内省の促進や学びの吸収を加速させます。

 

また、新たな知識や思考を身に付けるうえでも、ゲームを通じて「体験/経験」することで、学びを定着させる効果が期待できます。

 

ビジネスや教育シーンにゲーム要素を取り入れることは、「ゲーミフィケーション」という考え方に基づき、2010年ごろから一般化してきました。ゲーミフィケーションは、「子供から大人まで、なぜゲームに夢中になるのか」を分析し、ゲームが持つ「人を夢中にさせる要素」をゲーム以外の物事に応用するやり方です。

 

 

社員研修にゲーム要素を取り入れるメリット、効果

社員研修にゲームを取り入れることで得られるメリットは、研修参加者の集中力が持続しやすくなることです。人の集中が続く時間は限られていますので、座学を延々とやると、飽きや集中力の低下に繋がってしまいます。そこに、ゲーム要素を取り入れることで、気分の切り替えを行い、集中力を維持させることができます。

 

また研修の冒頭やチーム変更のタイミングなどで、参加者同士のコミュニケーションを円滑にするためにゲーム要素を取り入れることもあります。

 

ゲーム要素をうまく取り入れることで社員研修の効果性を高めることができます。特に研修参加者の姿勢を積極的にすることができれば、研修効果は格段に変わってきます。また、ゲームの内容によっては、研修参加者を「ゲームの主人公」とすることで、主体性の発揮が促される効果も見込めます。

社員研修にゲーム要素を取り入れるポイントと注意点

 

社員研修にゲームを取り入れる際には、いくつか注意しておくべきポイントがあります。ゲームはあくまで効果的な研修を行うための方法論です。“楽しくゲームをやって終わり”にならないよう、以下のような点を意識しておきましょう。

 

 

研修の目的、ゲームの意図をはっきり明確化させる

研修にゲーム要素を取り入れる場合に、研修の一部をゲーム化することもあれば、ゲーム全体が1つの研修になっている場合もあります。どちらにしても「研修を通じて何を実現したいのか?」という目的を見失わないようにしましょう。

 

特に研修の一部にゲームを取り入れるのであれば、前後のプログラムとどう繋がっているのか、何を実現するためのゲーム(チームビルディング、研修の伏線、ゲームの後で振り返りを行うetc)かをはっきりさせましょう。

 

 

ゲームを振り返る時間を確保する

ゲームを通じて何かを学ぶ、自分の癖を認識してもらうような目的であれば、参加者同士で振り返りの時間を充分にとることが大切です。ゲームに参加した人同士で意見を交換する、また、そこに第三者の評価をもらうことで、客観的に自身の言動を振り返ることができるようになります。

 

振り返りにおいては、単に「面白かった」という感想交換、「ゲーム内での出来事を振り返る」ところで留まらず、自分の日常や仕事の現場とリンクさせた振り返り、現場での実践に繋がるように進行することが重要です。

 

 

研修の振り返りを十分に行う

アンケートなどで参加者の意見を聞くことも大切です。ゲーム要素を取り入れることで、一般的に「研修の満足度」は上がりますが、だからといった「仕事に役立つ研修」になっているかは分かりません。満足度や研修内容への評価だけでなく、研修効果に対する意見や仕事への落とし込みがしっかりされているかをチェックしましょう。

 

ゲームを取り入れた研修の場合、参加者も「ゲーム」に意識を持っていかれてしまうこともあります。アンケートを通じて、参加者一人ひとりに振り返りを促したり、感想やアンケートを自分の言葉でまとめてもらったりすることで、ゲームで得られた経験や体験を仕事に繋げることも効果的です。

社員研修におすすめのゲーム7選

 

社員研修に使えるゲームをいくつか紹介します。

 

 

チームビルディングを培う際に効果的なゲーム

 

・ペーパータワー

ペーパータワーはとてもシンプルながら、チーム内でコミュニケーションをとりながら課題を乗り越えていく体験が得られるゲームです。制限時間内で、クラフト紙などでできるだけ高いタワーを作り上げるゲームです。タワーを作り終えたら、全員で手を離し、倒れなければ計測タイムに移行します。

 

倒れないようバランスも保ちつつ、かつ高いタワーを作るためには、作戦を練ることも大切です。また、うまくいかないときでも互いに気遣い、チームワークの質を保つことも必要となり、チームビルディングの重要性と難しさを学べるゲームです。リーダーシップの発揮や意思決定には、普段のコミュニケーションスタイルが出ますので、「自分の癖」を振り返ってもらう上でも有効です。

 

・条件プレゼン

条件プレゼンは、いくつかのグループに分かれて、事前に与えられたキーワードやテーマに沿って、各グループにプレゼンを企画してもらうものです。最終的に、もっとも面白いプレゼン・良いプレゼンを行ったグループが優勝となります。

 

ペーパータワーと同じようにチーム内でのディスカッションや意思決定などのコミュニケーションを行えることに加えて、“想像力を働かせたり新たなアイデアを構想して最終的には1つに絞り込む”という企画プロセスを一通り含んでいる点を生かすこともできるでしょう。

 

 

新人研修に効果的なゲーム

・ビズストーム

「ビズストーム」は、株式会社ビズストームによって開発されたビジネスゲームです。チームをいくつかに分け、メンバーそれぞれが企業の経営者となってゲーム内で業績を競い合います。ゲームでありながら、マーケティング戦略の重要性などが体感できる内容となっています。

 

専用のキットも必要となりますが、実施するための研修プログラムなども揃っています。「事業/ビジネスとは何か?」を考えるものですので、振り返りのやり方によって、新人だけでなく、さまざまな対象に活用できます。

 

・バースデイライン

バースデイラインは10分前後で完結し、非常にシンプルで簡単に実施できるゲームです。参加者をいくつかのグループに分けて、各グループ内で、前から誕生日の日付順に並び変わってもらうゲームです。ゲーム中、参加者は無言でいることがルールです。筆談などもNGであり、参加者には言葉を使わないコミュニケーションが求められます。制限時間が来たら、先頭から順番に、それぞれ誕生日を言っていきます。誕生日順に並び替えられているチームが最終的に優勝となります。

 

研修の冒頭でアイスブレイクやチームビルディングを行ったり、リーダーシップについて考えさせたり、ノンバーバール(非言語)コミュニケーションの大切さや難しさについて気づきを与えたりすることができます。

 

・マナーストーリー

マナーストーリーはビジネスマナーを学ぶゲームです。ビジネスマナーは直接的に教えようとすると押し付けがましくなりがちですが、マナーストーリーではクイズ形式で参加者が楽しく習得できるようにデザインされています。

 

ビジネスマナーを問うクイズに正答し、信頼チップを失わないようにしながら、商談の場にたどり着くことを目指します。実施には専用のキットが必要となりますが、キットはレンタルすることも可能です。

 

 

マネジメントのコツを学ぶために効果的なゲーム

 

・マネジメントゲームMG

マネジメントゲームMGはソニーによって開発されたボードゲームであり、研修に用いられるゲームとして非常に有名です。経営を疑似体験できる作りになっており、決算書の読み書きなどの実務的な経営ノウハウもゲームの中で登場します。今後、経営参画が期待されるマネージャー層に意識の向上を促したり、若手に経営的な目線の獲得を促したり、様々な目的で取り入れられます。

 

1回の実施に1時間程度の時間がかかり、また専用のキットが必要となることから、実施にはある程度の準備も必要ですが、ゲームを通じて経営に関する学びが得られる作りになっています。

 

・The 商社

「The 商社」は、株式会社プロジェクトデザインが開発した研修ゲームです。いくつかのグループに分け、それぞれのグループを1つの商社のように見立てます。最終的には、他のグループ(他の商社)との交渉を繰り返しながら、チームの資産最大化を目指します。

 

交渉のプロセスでは、チームの意見をまとめたり、他チームとの利害を調整したりする必要があります。ゲームの中で複雑な対人折衝の経験を積むことで、人をまとめて規模の大きな仕事をやりとげることの面白さや大変さを体験できます。

まとめ

研修でゲームを取り入れる際には、

 

・研修目的を明確にして、それに沿ったゲームを選択する

・ゲームでの体験が「学び」になるようにしっかりと振り返る

・学びを実際の仕事にどう繋げるかのブリッジングを行う

 

といったポイントが普通の研修以上に重要です。

 

社員研修を有意義なものにするために、ゲーム要素を取り入れることは有効です。しかし、目的が曖昧だと、ゲームの面白さに目的が引っ張られてしまい、研修としての意義が失われてしまうこともあります。

 

社員研修にゲームを取り入れる理由は、単なるアイスブレイクや気分転換ではありません。研修目的に合わせて、適したゲームを取り入れて、研修をより効果的なものにしてください。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック 取締役 HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。 7つの習慣R認定担当インストラクター、原田メソッド認定パートナー、EQPI認定アナリスト等

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