新人の「報告力」を高めるために上司がすべき指導と支援とは?

更新:2022/08/03

作成:2022/01/15

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

新人の「報告力」を高めるために上司がすべき指導と支援とは?

ビジネスパーソンの方なら誰にでも必要とされる報告・連絡・相談の略称、報連相。「ビジネスにおけるコミュニケーション力はスムーズな報連相だ」という人もいるぐらい、報連相はビジネスで欠かせないコミュニケーションです。コロナ禍の影響でテレワークや在宅勤務などが増えた中で、顔を合わせてふと行われる“偶発的な報連相”が減ることにより、さらに主体的に報連相を実施することが求められます。

とくに新人の場合、上司や先輩の支援をもらいながら仕事を進め、成果をあげることになります。従って、報連相、とくに新人の場合は「報告」が欠かせません。記事では「新人の報告力」に焦点を当て、新人の報告力を高めるポイント、上司がすべき指導と支援について解説します。

<目次>

仕事ができる新人が実践している「報告」のポイント

仕事のできる新人は、どんな報告の仕方をしているのでしょうか。仕事ができると言われる新人が特別なことをしているわけではありません。今まで多くの新人や若手を指導してきた研修会社の目線で、仕事のできる新人がしている「報告」のポイントを3つ紹介します。

良い報告は「適切に指示を受ける」ところから始まる

そもそも「報告」する意味は何でしょうか。「報告」とは与えられた業務に関して上司等の責任者に進捗等の情報を共有して指示を仰ぐ、責任者が意思決定等を的確に行えるようにするためのものです。従って、相手の期待に応える良い報告をするためには、相手の期待をしっかりと理解することが必要です。

実現したいゴールが何で、所与の条件がどんなもので、どこが気になるポイントかといった相手の期待、興味関心、実施するうえでの懸念や条件等を的確に把握することが良い報告を行うための第一歩です。

相手と状況を踏まえた「報告のタイミング」

報告する時は、相手のタイミングや場所、状況を考慮することも大切です。いわゆるTPO、(Time:時間やタイミング、Place:報告の場所、Occasion:報告する時の状況)を見極めて報告することが仕事のできる新人になる秘訣の一つです。

例えば、パソコンに向かって月次会議の報告書を作っている上司を見かけていきなり報告を始めては、上司も報告を受ける準備ができていません。相手の立場・様子を確認したうえで、「先日A社に訪問をした件で結果だけ報告したいのですが、今1,2分よろしいですか?」と確認してから本題に入ることが望ましいでしょう。

逆に、新人の報告ミスでよく聞くのが、報告の緊急度合いを間違えてしまうことです。例えば、「お客様からクレームが来ている」「納品した製品に不良が見つかった」など、自分で対応できない用件を至急上司に報告しなければいけない状況だったとします。

この時、報告しようとした際、上司から「今、手が離せないから、後で報告してくれるかな」と言われて、上司の手が空くまでずっと待っている人がいます。これでは緊急の用件が上司の耳に届くのが遅れて惨事になってしまうかもしれません。相手の状況に配慮することは大切ですが、緊急度が高い用件であれば、「〇〇〇の件でのクレームで、急ぎ対応が必要かと思うですが、報告してもよろしいですか」など、状況を踏まえて報告するタイミングを調整しましょう。

「声をかけられる前」に小まめに報告する

仕事ができる新人は報告を小まめにします。

仕事自体のボリューム等にもよりますが、

  • 仕事に着手して10~20%時点で方針や手を付けた感触、納期感覚の報告
  • 進捗50%程度で順調に進んでいるか、またクオリティー等の報告
  • 何か想定外のことがあれば都度報告

といった形です。

上司は新人が思っている以上に仕事の進捗を気にしています。多くの新人は自覚していませんが、上司から「あれはどうなっているかな?」と声をかけられた時点で報告が不足しているのです。仕事ができる新人は、上司に声をかけさせない、報告を求められる前に報告を実施します。

小まめに報告すると上司の時間を奪ってしまうのではないかと感じる新人もいますが「〇〇の件、予定通りに進んでいます。いつ頃に納品予定です。」だけでも良いですし、「〇〇の件で、こういうことが起こってこう判断して進めています。念のためご報告です」とメールやチャットで報告を入れる形でも良いでしょう。

新人に適切な報告をしてもらう、上司がすべき指導と支援とは?

前章では、仕事ができる新人がしている報告のポイントをお伝えしました。繰り返しになりますが、新人が成長する、新人が成果をあげるためには、上司やOJT指導者からの支援が欠かせません。そして適切に支援するためには新人からの「適切な報告・連絡・相談」が不可欠です。本章では、上司やOJT担当者が新人の適切な報告・連絡・相談を促すための指導と支援ポイントを紹介します。

新人の報告力を高める指導と支援① 仕事の目的と目標、納期をしっかり伝える

新人に依頼や指示する時に「この作業をやっておいて!」といった形で、「やって欲しい作業」だけを伝えて済ましてしまう上司やOJT指導者も少なくありません。しかし、前章で伝えた通り、適切な報告をしてもらうためには適切な指示が必要です。

「何をやって欲しいか?」という作業の中身だけではなく、「何のためにやるのか」「ゴールがどういう状態なのか」「納期がいつなのか」をしっかりと伝えることが新人からの適切な報告に繋がります。

新人の報告力を高める指導と支援② 報告のガイドラインを指示する

新人の報告力を高めるためには報告のタイミングを決めることが大切です。前章でも少し紹介しましたが、

  • 仕事に着手して10~20%時点で方向性の確認、手を付けた感触、納期予定
  • 進捗50%程度で納期に向けて順調に進んでいるか、クオリティー等の確認
  • 何か想定外のことがあれば都度(判断に迷わない場合は事後でOK)
  • 納期が変わる可能性に関しては都度
  • 5分考えて判断に迷う、やり方が分からない場合

といった形で報告・連絡・相談のガイドラインを言語化しましょう。報告のガイドラインを言語化するうえで上司と新人の間で報告頻度やタイミングをすり合わせることが大切です。

新人の報告力を高める指導と支援③ 新人の理解度を確認する

上司は指示した後に、新人の理解を確認することも大切です。新人には指示を受ける時はしっかりメモを取り、指示の内容を最後に復唱させるようにしましょう。新人によっては、肝心なポイントをメモし忘れていたり、数量や期日を間違えてメモしていたりということが往々にあります。

新人がメモを上手に取れないのは「上司の口調が速すぎた」といったことも意外とあります。上司の想定以上に「専門用語が分からない」「仕事の流れが頭に入っていない」といった場合もあります。復唱させることで、理解にずれがないか、また、仕事全体の理解レベル等がどの程度かを確認しましょう。

新人の報告力を高める指導と支援④ 新人の報告を受けるのは「教育」機会だと認識する

上記のような対応を実施しても、新人の報告は「要領を得ない」「ダラダラと長い」「報告頻度が少ない」といったことが生じます。忙しい上司としては苛立ってしまいがちですが、報告を受けるのは教育機会だと捉えましょう。

意に沿わない報告がされた時、逆に報告がされない時こそ、

①いつ報告すべきなのか?それは何故か?
②報告のやり方
-結論ファースト
-事実と意見の分離
-電話、メール、チャット等の使い分け

繰り返し指導しましょう。

なお、指導で優先すべきは「いつ報告すべきなのか」です。新人の報告習慣が悪循環に入るケースとしては、「報告内容がイマイチなことに苛立って新人を叱る ⇒ 新人が委縮して報告しにくくなる ⇒ 報告頻度が落ちたり、必要な報告がされなくなったりする」というパターンです。

まずは、「必要なタイミングで報告がされる」ことをしっかり指導しましょう。とくに新人のうちは、内容がイマイチだったとしても、「適切なタイミングで報告してくれた」ことを承認することがおススメです。

おわりに

記事では、仕事ができる新人が実施している報告のポイントと、新人の報告力を高めるための指導や支援のコツを紹介しました。

報連相は仕事におけるもっとも重要なコミュニケーションです。とくに仕事の経験や知識が不足している新人のうちは、上司や先輩の支援をもらうために不可欠なのが「報告」です。殆どの会社で新人研修の際に、報連相のやり方は学ぶものです。しかし、学んだからといって全員がスムーズにできるわけではありません。

OJTを通じて、新人の報告力を高めることが新人の成長を促進します。新人研修で学んだ内容の確認、仕事ができる新人がしている報告のポイントを押さえたうえで、上司やOJT担当も新人の報告力を高めるための指導や支援を実施していきましょう。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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